シェイクスピアの純愛悲劇を原作とする傑作バレエ
Ballet "Romeo and Juliet"
舞台は14世紀ネッサンス時代のイタリアの都市ヴェローナです。 この都では、名門モンタギュー家とキャピュレット家の間では、長年に血で血を洗う抗争が続いています。モンタギューの一人息子ロミオは、始めロザラインという女性に恋心を抱き、ロザラインにひと目会おうと、友人のマキューシオとベンヴォーリオとともに、仇敵であるキャピュレット家の舞踏会に忍びみます。しかし、そこでロミオは、妖精のように美しいキャピュレット家の一人娘ジュリエットに出会い、二人は運命的な恋におちます。両家が反目する中、二人は互いの愛を確かめ合い、修道僧ロレンスのもとで密かに結婚します。
Romeo and Juliet (Op. 64) (Russian: Ромео и Джульетта) is a ballet by Sergei Prokofiev based on William Shakespeare's play Romeo and Juliet. It is one of the most enduringly popular ballets. Music from the ballet was extracted by Prokofiev as three suites for orchestra and as a piano work.
しかし街頭でキャピュレット婦人の甥ティボルトの挑発にのって争いとなり、親友マキューシオがティボルトに殺されてしまいます。親友を殺されたロミオは逆上し、ティボルトを自らの手で殺してしまいます。ヴェローナの大公エスカラスにより、ロミオはヴェローナから追放されることになります。悲しみにくれるジュリエットに、父キャピュレット卿は大公の親戚である富裕な青年貴族パリスとの結婚を命じます。ジュリエットに助けを請われた修道僧ロレンスは、仮死の毒を使ってジュリエットを眠らせる計略を立てます。しかし、この計画が追放されていたロミオにうまく伝わらず、ジュリエットが死んだと思ったロミオは彼女の墓で毒を飲んで死を選びます。その後に仮死状態から目覚めたジュリエットもロミオの死を知り、自ら短剣で命を絶ってロメオの後を追います。
Based on a synopsis created by Adrian Piotrovsky and Sergey Radlov, the ballet in its original form was completed by Prokofiev in September 1935, on commission by the Kirov Ballet, since when he first presented the music to the Bolshoi Ballet that year, they claimed it was "undanceable". The original version had a "happy" ending, but was never publicly mounted, partly due to increased fear and caution in the musical and theatrical community in the aftermath of the two notorious Pravda editorials criticising Shostakovich and other "degenerate modernists" including Piotrovsky.
プロコフィエフ作曲による初演では、振付師ラブロフスキーの協力で作成し、52曲からなる壮大なバレエ音楽が出来上がりました。しかし、初演の筋立ては、最期にロメオが1足早く駆けつけジュリエットが生きていることに気付き結ばれるというハッピーエンドだったそうです。その後、多くの人がこのバレエに振り付けを行い、悲劇的な結末を踊りで表現する減殺のスタイルが主流となりました。今回のマクミラン版は、当時のバレエ演出界の巨匠、マクミランが英国ロイヤルバレエのために演出したもので、現代上演される代表的なものです。
バレエ「ロメオとジュリエット」の最大の魅力は、プロコフィエフのドラマティクでは起伏のある、躍動感のある音楽です。お祭りの踊りのシーンの幸せに満ちた音楽、有名なキャピュレット家の舞踏会のスケールの大きな不吉さを予感させる音楽、ドラマティクな決等シーンの音楽などか、ロメオとジュリエットの愛を表現した甘味でロマンティクな音楽の美しさを際立たせます。
The conductor Yuri Fayer met with Prokofiev frequently during the writing of the music, and he strongly urged the composer to revert to the traditional ending. Fayer went on to conduct the first performance of the ballet at the Bolshoi Theatre.
On July 4, 2008, with the approval of the Prokofiev family and permission from the Russian State Archive, the original Prokofiev score was given its world premiere. Musicologist Simon Morrison, author of The People's Artist: Prokofiev's Soviet Years, unearthed the original materials in the Moscow archives, obtained permissions, and reconstructed the entire score. Mark Morris created the choreography for the production. The Mark Morris Dance Group premiered the work at the Fisher Center for the Performing Arts at Bard College in New York state. The production subsequently began a year-long tour to include Berkeley, Norfolk, London, New York, and Chicago.
今回のジュリエット役は、英国・ロイヤルバレエ団のリアン・ベンジャミンで、あどけない少女から、恥らう乙女、恋する大人の女、強い意志を秘めた女性へとジュリエットが変貌していく様子を踊りで巧みに表現していました。最初で最期のロメオとジュリエットの愛の一夜のシーンは、ロマンティクで美しいものでした。
この作品の魅力は、他の名作バレエと比べて物語性があることで、耀か華やかなお祭りのシーンや激しい決闘のシーンなど変化のあるドラマティクなバレエシーンが楽しめました。舞台装置も、新国立劇場ならではの華やかな場面、重厚な場面などがテンポよく入れ替わり、その時代のヴェローナにタイムスリップしたような気持ちにさせてくれました。
In addition to a somewhat standard instrumentation, the ballet also requires the use of the tenor saxophone. This voice adds a unique sound to the orchestra as it is used both in solo and as part of the ensemble. Prokofiev also used the cornet, viola d'amore and mandolins in the ballet, adding an Italianate flavor to the music.
物語は悲しい悲劇ですが、舞台が終了した後、死んだはずのロメオとジュリエットが笑顔で舞台挨拶のため登場し、殺しあった若者たちも仲良く手をつないで観客に挨拶するため、この悲劇を贅沢な一夜の夢物語と受け止められ、心地よい気持ちで帰れるのは、生の舞台ならではのよさではないでしょうか。
(2011年6月26日 新国立劇場)
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シェークスピアの「ロメオとジュリエット」は好きで、学生のとき何度も読みました。有名なオリビア・ハッセーが主役の映画もすてきでしたね。
バレエは、だいぶ前ですが一度見たが事がありますが、ジュリエットが少女が、恋をして大人の女性に成長していく演出が、女性の私から見ても、感動的ですね。ブログにご紹介いただいたので、もう一度このバレエを見たくなりました。
あまり詳しくないのですが、私もバレエの雰囲気にずっと憧れています。
幼稚園の頃、習っていたこともあるのですが、
あまりの身体の硬さにすぐに挫折してしまいました・・・
「ロメオとジュリエット」といえば、私がすぐに思い出すのが、現代版「ロメオとジュリエット」といわれる、「ウエストサイド・ストーリー」です。
バレエの「ロメオとジュリエット」も美しい舞台のようですが、是非バーンスタインの音楽の「ウエストサイド・ストーリー」少し編曲や演出を加えて、バレエで見てみたいものですね。
リアン・ベンジャミン良かったですか。自分としては出だしの弾ける可愛さが見えなくて物足りなかったです。
今月末のABTの「ロミ&ジュリ」はご覧になる予定はありますか?これもマクミラン版ですよね。
バレエを見るのが趣味で 良く見には行きます。
新国立劇場もシーズンパスで観ていますが、
前回のロミオとジュリエットに比べて
ビントレーに変わり 主役以外の(いつも外国人ダンサーを見ているので) 配役を
生かすことができるようになり 楽しむことができたように思います。
特に 湯川さんが 素晴らしかったと思います。
ただ 個人的には
主役のリアン・ベンジャミンは テクニックはすばらしいのですが
ジュリエットの可憐さが
あまり 見受けられないように思い 激しさに
少し 見ていて 疲れてしまッたのが、 残念。
でも
監督が変わり これからの新国立劇場が 楽しみです。
フランスとドイツで暮らしているときに、「ロメオとジュリエット」の舞台となっているイタリアのヴェローナやシェークスピアの活躍したストラットフォードに何回か行きました。「ロメオとジュリエット」はヴェローナを舞台にしていますがセ、ヴェローナは若い恋人が家の争いのために死ななければならないような雰囲気はまるでなく、昔からそのような気質の街ではなかったようです。これは本来当時のイギリスを舞台にした話だったのですが、シェークスピアはさすがにイギリス社会を告発するような作品はかけず、舞台をイタリアのヴェローナに移したのでしょう。しかしヴェローナの街や雰囲気を見ると、シェークスピアはヴェローナのことは良く知らないで、この街をこの悲劇の舞台に勝手に選んだような気がしてなりません。まあ、シェークスピアのおかげで、ヴェローナが有名になり、世界中から観光客が訪れるようになったのですから、ヴェローナの人たちにとっては、よかったのかも知れませんね。(笑)
カテゴリを拝見していて、すごく面白そう!いろんな所に行かれてるみたいで、羨ましいです!また遊びにきます☆
ずっと、気になっていたいたので書いてしまいましたが、せっかくバレエの美しいお話を書いていただいたのに、興覚めのようなことを書いてすみません。
仕事などで英国にも何度も行き、「ロミオとジュリエット」の舞台やバレエも本場で見ましたが、やはりこの話は当時の英国で起こった物語をもとに、シェイクスピアが戯曲化したものだと思いました。おそらく、当時は検閲ナとが厳しく、英国を舞台にできなかったので、イタリアの
久々のバレエま話題を楽しく読ませていただきました。私は子供のころからクラシックバレエを習っていいて、今も趣味でバレエを習っています。上手ではないので、ほんとうに健康のためですが。(笑)
バレエ「ロメオとジュリエットは美しいバレエのようですね。今回はもう終わってしまったようなので、次の機会に是非みてみたいと思いました。
このふたつの舞台があまりにもすばらしく、強く心に焼き付いているので、これ以上の舞台を見るのは難しいのと、満足しない舞台を見てしまうとイメージが壊れてしまうのが恐くて、それ以来見ていません。どりあえず、CDでプロコフィエフの音楽を聴きながら、dezireさんのtブログを読んで、ふたつのすばらしい舞台を思い出して、楽しんでいます。
「ロメオとジュリエット」はオペラにふさわしい物語のように思えます。オペラでは、グノー作曲の「ロメオとジュリエット」 が一番有名ではないでしょうか。ベッリーニ作曲の「カプレーティ家とモンテッキ家」という作品もありますが、あまり上演される機会は少ないようです。
むしろこれらの作品より断然有名で上演される機会が多いのは、バーンスタインのミュージカル「ウエストサイド物語」でしょうね。映画化も大成功しています。他にミュージカルでは、ジェラール・プレスギュルヴィック作詞・作曲の「ロメオとジュリエット」 というのがあるそうで、今年宝塚歌劇団でその舞台があったと、宝塚ファンの友人が言っていました。
純愛を描いた脚本は、現在ではほとんどなく、ェイクスピアの「ロミオとジュリエット」は、貴重なテーマなのでしょうね。
まだコールド・バレエにやっと出演している程度ですが、将来はソロで踊れるようにがんばっています。
「ロメオとジュリエット」は大変魅力ある作品です。もちろん、いつかジュリエットを踊ることが私の夢です。
海外でバレエの勉強をしていますが、バレエは舞台では美しく華やかのように見えますが、舞台裏は、本当にハードでアスリートのような世界です。 主役の舞台を踊りとおすには、大変な体力、筋力、気力が要求されます。それに加えて、もちろん高い技術や表現力も要求されるので、夢を実現したいという強い意志と精神力がないと続けていけないと、いつも自分に言い聞かせて、夢を追っています。
「ロメオとジュリエット」は、一流の証のような高い表現力が要求される作品です。もちろん、いつかジュリエット役で舞台に立ってみたいですね。
ロメオやジュリエットのような燃え尽きるような恋をしたいという願望は、時世はみんな持っているのではないでしょうか。 現実には、ロメオのような男性にも、ジュリエットのような女性にもなかなか出会えないので、燃えるような恋に巡り会える人はほとんどいない、あるいは、現代の合理主義の社会には、恋に心が燃え上がるような男女がいないのかも知れません。
「ロメオとジュリエット」のバレエに魅力を感じるのは、現代ではかなわぬ美しい夢を、擬似体験したいという思いからも着ているのではないでしょうか。
プロコフィエフの音楽は、交響曲も協奏曲も、何か機械的で温かみが感じられないのであまり好きではありませんでした。というより、偉大な作曲家だという認識がありくせんでした。しかし、バレエ音楽「ロメオとジュリエット」を聞いて気持ちが一変しました。こんなにロマンチックな恋や、躍動感のある表現ができる音楽家だと、初めて分かりました。
ちょうど、初めてオペラ「バラの騎士」を聴いたときのR.シュトラウスの体験に似ていますね。
新国はマクミラン版ですね。
ロミジュリはプロコフィエフの音楽~♪
重厚で なんかぞくぞくする感がたまらなくて・・・(笑)
バレエ・・・娘の関係で 関わってもう25年です
ロシアやNYでも鑑賞していて 海外であってもダンサーが外人であっても全てOKな芸術 本当に素晴しいと思っています。
今年はまた 「白鳥の湖」「くるみ割り人形」
そして来年「シンデレラ」と鑑賞続きます。
悲恋物語の最高傑作といえる「ロメオとジュリエット」は、ロメオの若々しいし情熱、ジュリエットの溢れるような恋心は、せりふで表現するよりひなやかな身体の動きで表現する方が、はるからに越の心に響くのではないでしょうか。
プロコフィエフの音楽も、キャピュレット家の部分では何か不吉な予感を感じさせる荘重な音楽、ジュリエットが踊る部分では、弾けるように快活な音楽と、真実の恋を立体的に表現していると思います。
純真な恋を描いたバレエという意味では、最高傑作ではないでしょうか。
鑑賞レポ写真を物語の展開通りに使われてすごく上手に書かれてますね^^
新国のロミジュリ・・・小野 絢子さんのジュリエットを観に行きたかったです・・・・
ロミジュリは音楽が美しく大好きな演目です^^
自分も一応ですが、バレエをやっておりするのも観るのも大好きです☆
7月はABTのアンヘル・コレーラの「ドンキホーテ」を鑑賞予定です。
鑑賞記をUPするので、よかったらまた遊びに来てやってください^^
究極の純愛。.。o○ 命をかけた恋 c~:~< ο
すてきな夢のような世界 \(^ 0 ^)/★
でも、そんな相手はなかな見つからないかな ~~・・・・?
でも、そんな世界をバレエで体験したらすばらしいでしょうね *・゜゜・*: ♪♪♪
「ロメオとジュリエット」はニーナ・アナニアシヴィリのグルジア国立バレエ団の舞台と吉田都さんの引退公演のテレビ放送を見ました。可憐さや恋に燃える表現がすてきでした。アナニアシヴィリさんも吉田都さんも40歳を超えているのに、可憐な恋する乙女を美しく表現できるのは、すばらしいと思いました。
時々ブログ拝見しています。
バレエのこと本当にようご存知で、いろいろ勉強になります。
新国のロミオとジュリエット、3回も鑑賞してきちゃいました。それぞれの踊り手によって、魅力も違うし、キャストも日ごと変わるので、いろいろ楽しめますよね♪
また素敵な舞台の記事楽しみにしています。
読んでると目に浮かぶよう(^^)
ブログを拝見して、本当にバレエがお好きなのだなと感じました。
他のブログも写真がとても美しく眺めました。
またお邪魔させてくださいね。
ありがとうございました。
私自身は、本当に久しぶりのバレエ鑑賞でしたが、
娘そっちのけで、ロメオとジュリエットの世界に浸ることができました。
またお邪魔させていただきます♪
バレエ「ロメオとジュリエット」では、セリフは一切なく、踊りだけで表現するわけですから。もうそれはシェークスピアの世界ではなく、全く別の芸術作品と言えるのではないでしょうか。
いきなり暑いです(^_-)-☆ネッ
湿ったような空気感は消え抜けるような空に変わっています。
山に行きたい気分ですが・・・所用が有り思うようになりません。
体調の維持管理には充分気を付けて下さい。
<(_ _*)>有り難うございました。
ロミ&ジュリ 大好きな作品です。。演出、振付も色々ありますが私も4月にオペラ座バレエのヌレエフ版を観ました♪ まずプロコフィエフの音楽が素晴らしいですし、これぞバレエ芸術といった感じでした。。言葉を発しなくても音楽と踊り、振付、構成、演出で心に訴えかけられました。。そして歴史、時代背景の重みも感じました。また遊びにいらしてくださいね^^
自分のブログ、最近あんまりちゃんとかけてないんですけど、
いつも綺麗な写真入で詳しい情報と感想、すてきですね。
ロミ&ジュリは、プロコフィエフの音楽も、バレエとしても
わたしもとても好きな作品です。
今回の新国立のも行こうかと友人と話していたのに、ばたばたしているうちにいきそびれて残念。記事と写真で雰囲気を味合わせていただきました。
名場面系はいうまでもないですが、そのほかに、剣を打ち合うシーンの、その音と音楽とダンサーの動きを見るのが楽しいです、その後、取りかえしのつかない悲劇に続くんですけどね。
給料がもらえるようになって、嬉しかった頃ですね。かなり高かったという記憶があります。
その頃からプロコフィエフが大好きで、あの音楽がどんなふうにバレエになるのかと、興味津々でした。
当時の感想を見ると、けっこうまじめに書いてあって、われながら呆れます。
シェイクスピアの文学は人間の心の奥深いところまで表現しています。
それを表現するのは演劇でも大変難しいです。
私は、バレエについて知識はありませんが、セリフのない(バレエでどうそれを表現するか、興味深いと思いました。