ブログトップ | ログイン

dezire_photo & art

desireart.exblog.jp

芸術と自然の美を巡る旅  

現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ

ワーグナー「ローエングリン」
Richard Wagner"Lohengrin "

現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_17031133.jpg




 ワーグナーの傑作オペラ「ローエングリン」が、新国立劇場で待望の上演となりました。今回は現代最高のローエングリン歌手ともいわれているフォークトを迎えての上演で、すばらしい舞台でした。





Lohengrin is a romantic operain three acts composed and written by Richard Wagner, first performed in 1850.The story of the eponymous character is taken from medieval German romance,notably the Parzival of Wolfram von Eschenbach and its sequel, Lohengrin,written by a different author, itself inspired by the epic of Garin leLoherain. It is part of the Knight of the Swan tradition.




 「ローエングリン」はワーグナーのロマンティック・オペラの代表作で、バイエルン国王、ルードビッヒ2世を虜にした作品として有名です。劇中に出てくる「結婚行進曲」はたいていの結婚式で使われているほどホピュラーになっています。




現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_1851264.jpg 

 新国立劇場での「ローエングリン」の上演は初めてだと思っていましたが、199711月の新国立劇場開場記念公演で行われおりました。その時は、作曲者の孫でもあるヴォルフガング・ワーグナー(バイロイト祝祭劇場の当時の総監督)による新演出、ローエングリン:福井敬、エルザ:小濱妙美の合唱団も含めて二期会のメンバー中心の公演でした。作曲者ワーグナー本人の「自分の作品のうちでもっとも悲劇的なものだ」の言葉に従って、知的で正統的な解釈で重厚な舞台だったそうです。




 それから15年、今回の舞台は、バイロイト祝祭劇場で研鑽を積み、新国立劇場『さまよえるオランダ人』演出したシュテークマンの新演出、同じくバイロイトで活躍した美術・衣裳担当のロザリエとの共演です。現代最高のローエングリンともいわれるフォークトを中心に第一線で活躍するワーグナー歌手を揃え、ドイツオペラの第一人者として世界各地で高い評価を受けている指揮者ペーター・シュナイダーと強力な布陣でした。




King Henry the Fowler hasarrived in Brabant where he has assembled the German tribes in order to expelthe Hungarians from his dominions.Count Friedrich von Telramund, has accusedthe Duke's sister, Elsa, of murdering her brother. He calls upon the King topunish Elsa and to make him, Telramund, the new Duke of Brabant. The King callsfor Elsa to answer Telramund's accusation. Elsa herself makes the call. A boatdrawn by a swan appears on the river and in it stands a knight in shiningarmour. He disembarks, dismisses the swan, respectfully greets the king, andasks Elsa if she will have him as her champion. Elsa kneels in front of him andplaces her honour in his keeping. He asks but one thing in return for hisservice: she is never to ask him his name or where he has come from. Elsaagrees to this.


 テルラムント伯爵に弟の殺害という無実の罪をきせられた王女エルザは、白鳥に乗って現れた騎士ローエングリンによって救われる。しかし、テルラムント伯爵の妻で魔女のオルトルートの企みに乗せられて、禁問の誓いを破り、騎士の身分を疑い名前と素性を聴いたため、その愛を失って白鳥の騎士は去ってしまうという愛と別れを描く神話的で幻想的な悲劇の物語です。




現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_18515125.jpg 
As Elsa and her attendants areabout to enter the church, Ortrud appears, clad in magnificent attire, andchallenges Elsa to tell who her husband is, and to explain why anyone shouldfollow him. After that, King Henry enters with the Knight. Elsa tells both ofthem that Ortrud was interrupting the ceremony. Elsa and her new husband areushered in with the well-known bridal chorus, and the couple express their lovefor each other. Ortrud's words, however, are impressed upon Elsa, and, despitehis warning, she asks her husband the fatal question. Before the Knight cananswer, Telramund and his four recruits rush into the room in order to attackhim. The knight defeats and kills Telramund. Then, he sorrowfully turns to Elsaand asks her to follow him to the king, to whom he will now reveal the mystery.
.



現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_18532852.jpg

 モンサンヴォートの聖杯を護る騎士団からきた白鳥の騎士ローエングリンは、世俗の娘を愛しても相手に素性を知られれば別れなければならない。白鳥の騎士ローエングリンはエルザに恋をしたとは、愛の告白とともに禁問いの誓いを相手に求めます。ローエングリンのエルザへの禁問の誓いは、男女の間の支配と服従の関係を強いる者であり、当時の家長制の象徴と考えられます。エルザは現実社会のテルラムント伯爵を選ばず、白鳥の騎士との愛を夢見ていました。第1幕ではエルザは白鳥の騎士への愛の成就のために騎士へ服従を容認していました。しかし、本来自由な愛を望んでいたエルザは、オルトルートの「あの男は何者なのか」の問いに目覚め、ローエングリンとの対等の愛を求め、自分の意志で夫の名前と素性をたずねます。ローエングリンのすべてを知り、あなたと悩みや苦しみも共にしたいと切望します。


 このオペラでワーグナーは登場人物の特徴、立場にふさわしい音楽を与えています。主人公ローエングリンは世俗社会と距離を置く浮世離れした存在で、音楽も登場場面から高貴で美しくはありますが孤独感を背負っています。



The troops arrive equipped forwar. Telramund's corpse is brought in, Elsa comes forward, then the Knight. Hediscloses his identity to the king and Elsa. He tells the story of the HolyGrail, on the Monsalvat, and reveals himself as Lohengrin, Knight of the HolyGrail and son of King Parsifal. The time for his return has arrived and he hasonly tarried to prove Elsa innocen



現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_18595573.jpg


 第3幕の有名な「ローエングリンの名乗りの歌」「美しい白鳥よ」はテノールの美声に聞き惚れる美しいアリアですが、例えば、「さまよえるオランダ人」のゼンタのバラードや「トリスタンのイゾルデ」の愛の二重唱やイゾルデの愛と死のような地に着いた迫力はなく心に強烈に焼付くようなものではありません。ローエングリンはこの世に住むものではなく、エルザとは住む世界が違う、所詮かなわぬ恋だったということでしょう。




 それに対して、キリスト教支配が進む前の古代ゲルマンの神々を信仰する異教徒の象徴・オルトルートの復讐のアリアやエルザの愛するがゆえに揺れ動く心の苦悩のアリアは世俗的感覚でも分かり易い音楽を与えていました。他の登場人物や合唱も含めて世俗の音楽にひとりローエングリンの浮世離れした高貴な音楽が立ち向かうという構図だったように思いました。




As he sadly bids farewell tohis beloved bride, the swan reappears. Lohengrin prays that Elsa may recoverher lost brother, and gives her his sword, horn and ring; which allows Elsa toremember him fully. Then, when Lohengrin tries to get in the boat, Ortrudappears. She tells Elsa that the swan who drove Lohengrin to the bank wasactually Gottfried, Elsa's brother; and she put a curse on him by turning himinto a swan. The people considered Ortrud guilty of witchcraft. Lohengrin praysto the swan, and the swan turns into another form, a young Gottfried. He electshim as the Duke of Brabant. Ortrud sinks as she sees him.



現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_190547.jpg 若きワーグナーのロマン派歌劇『ローエングリン』では救いは全く見られない、そのことは,この歌劇がヨーロッパ激動の革命の年に完成しているということにも関係があるのかもしれなません。ワーグナーは歌劇『ローエングリン』という作品を抱えてドレースデンの革命に加わりましたが、社会を変革しようという彼の夢は現実にもろくも打ち砕かれてしまうのです。ワーグナーの天才的な聖域の芸術も、世俗的な人間社会には受け入れませんでした。ローエングリンの運命はワーグナーの運命でもあったようです。歌劇『ローエングリン』には若きワーグナーの芸術活動の体験が投影されているといえます。






As he sadly bids farewell tohis beloved bride, the swan reappears. Lohengrin prays that Elsa may recoverher lost brother, and gives her his sword, horn and ring; which allows Elsa toremember him fully. Then, when Lohengrin tries to get in the boat, Ortrudappears. She tells Elsa that the swan who drove Lohengrin to the bank wasactually Gottfried, Elsa's brother; and she put a curse on him by turning himinto a swan. The people considered Ortrud guilty of witchcraft. Lohengrin praysto the swan, and the swan turns into another form, a young Gottfried. He electshim as the Duke of Brabant. Ortrud sinks as she sees him.



若きワーグナーのロマン派歌劇『ローエングリン』では救いは全く見られない、そのことは,この歌劇がヨーロッパ激動の革命の年に完成しているということにも関係があるのかもしれなません。ワーグナーは歌劇『ローエングリン』という作品を抱えてドレースデンの革命に加わりましたが、社会を変革しようという彼の夢は現実にもろくも打ち砕かれてしまうのです。ワーグナーの天才的な聖域の芸術も、世俗的な人間社会には受け入れませんでした。ローエングリンの運命はワーグナーの運命でもあったようです。歌劇『ローエングリン』には若きワーグナーの芸術活動の体験が投影されているといえます。




現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_14135692.jpg




オペラから楽劇へ


ワーグナー自身は、『ローエングリン』を「3幕からなるロマンティック・オペラ」と名付けてはいます。しかし、『ローエングリン』は、ワーグナーの作風が一層充実し、楽劇というスタイルに進化・発展していく過渡期に作られたオペラです。1845年に前作『タンホイザー』を初演し、その5年後に初演された『ローエングリン』では、作曲・作劇の両面で一層進歩しています。音楽は限りなく『ニーベルングの指環』などと同じ「楽劇」に近いスタイルで書かれています。その第一は、各幕ともに途中にアリアやアンサンブルを挟むことなく、音楽に息の長い連続性を持たせることで、言葉との関連性をより緊密なものとしている点。これは後の「無限旋律」につながる手法といえる。音符と言葉が密接に絡んで、お互いを補完し合うことによって、ドラマを集約していく楽劇ならではのスタイルに近づいています。


オペラとして作曲した『さまよえるオランダ人』と楽劇に近い『ローエングリン』は、聴き比べていただけると違いがよくわかると思います。下記の文字をクリックするオペラのダイジェスト音楽を聴くことができます。


さまよえるオランダ人 『ローエングリン』 



 次に「ライトモティーフ(示導動機)」の概念をより明確にし、多用し始めている点です。「ライトモティーフ」という作品全体に共通する「音楽言語」を設定することで、作品を貫く主題がより鮮明に提示されています。例えば『ローエングリン』の「禁問の動機」にあたるのが『ニーベルングの指環』の「アルベリヒ呪いの動機」と位置付けられます。更に『タンホイザー』まで存在した序曲を採用せずに、より短い前奏曲に置き換えています。前奏曲は、序曲に比べて簡潔にその幕の性格を表現でき、音楽が延々と続くことがない分、本編に対する観客・聴衆の集中度が増すこと効果があります。




 更に大きな違いは、オーケストラの編成の拡大です。オペラ史上初の完全3管編成を必要とし、舞台上や舞台裏などに配置する別働隊も活躍します。オーケストラの編成を大きくしたことで、より多彩な響きを創り出すことが可能になったばかりでなく『パルジファル』のように、調性を細かにコントロールしていくことで様々な劇的・心理的な効果を意図している箇所がいくつもあります。



初演はまずまずの成功という程度であったが、充実期に向かうワーグナーの手によるこの作品が、ドイツのみならずヨーロッパ各国で人気演目として現在に至る不動の評価を獲得するまでに、さほどの時間を要することはなかった。上演回数が増えるにつれて、この作品の魅力の虜となった歴史上の人物も多い。音楽の世界では、ベルリオーズやチャイコフスキーらが強い感銘を受けたことを書き記すなどしている。リヒャルト・シュトラウスが、その創作活動において強い影響を受けていたことも有名である。さらにトーマス・マンやシャルル・ボードレールの心酔ぶりも有名です。



『ローエングリン』には「聖杯のモチーフ」や「白鳥の騎士ローエングリンのモチーフ」、そして「禁問のモチーフ」などが効果的に至るところにちりばめられており、後のワーグナーの楽劇作品を予感させます。光と闇の対比も効果的であり、芸術的に完成度が高い作品といえます。バイエルン国王ルートヴィヒ2世やドイツの作家トーマス・マンなどもこの作品に魅せられました。歴史を動かすほどに大きな影響を受けた人物の代表格としては、ワーグナーの熱烈なファンであり大パトロンでもあったバイエルン王国のルートヴィヒ2世、そしてアドルフ・ヒトラーが挙げられます。ルートヴィヒ2世は『ローエングリン』の世界をこの世に再現しようとノイシュバンシュタイン城を建設したほどの熱狂ぶりでした



『ローエングリン』の最大の聴きどころのひとつは、人間の無意識の機微が捉えられているところかです。人間の無意識を「再発見」したのはフロイトですが、フロイトよりもずっと前に、ワーグナーは、芸術家の直観で、私たちの無意識の中にうごめく様々な情動を音楽にしました。『ローエングリン』は、聴き終えた時に深い満足と慰撫を与えるのは、そこにあるのかも知れません。日常生活の中で様々なストレスを受け、歪んでしまっている私たちの無意識が適度の刺激を受け脳がより健やかになっているかも知れません。








新国立劇場の『ローエングリン』の感想

 ローエングリン役のクラウス・フロリアン・フォークトは、「現代最高のローエングリン」ともいわれるだけあって、まさに孤高の存在で魅力的でした。天から白鳥に乗って降りてくるローエングリンの最初の白鳥へのねぎらいの第一声から、男声とは思えないほど甘味で優しさに満ちています。気品のある白い衣装に身を包む騎士は、甘く透き通るような、明るく強く時には繊細な美しい声は声量豊かで、終始余裕がありました。他の人物が現実の世界に生きるのに対し、ローエングリンは聖杯の騎士という孤独な存在であることもクラウス・フロリアン・フォークトの群を抜いたような歌唱で説得力を持っていました。世俗の人間の心の脆さや揺れとそれを超越した世界に住む白鳥の騎士・ローエングリンの対比が音楽で見事に表現されていたように思います。


現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_1913374.jpg エルザのメルベートは、王女の気品を保ちながら、禁問の誓いを求めるローエングリンと愛ゆえに相手のすべてを知りたいという女心の間で揺れる心を激しく繊細に表現していました。

 オルトルート役のスサネ・レースマークは、激動する声を多彩な表現を筑紫して表現し存在感がありました。オルトルートの復讐のアリアは古代ゲルマンの神々のキリスト教支配に対する怒りを内蔵し。聴く人を弾きました。



 その他のキャスト・貴族テルラムントを演じるゲルト・グロホフスキーやドイツ国王ハインリヒのギュンター・グロイスベックも存在感がありました。新国立劇場合唱団はいつもながら整然として厚みのある合唱で、ドイツオペラの第一人者・ペーター・シュナイダー指揮の演奏とともに、迫力ある壮大なドラマに仕上げていました。



現代最高のローエングリン・フォークト、待望の舞台  オペラから楽劇へ_a0113718_1925652.jpg

 シュテークマンの演出も斬新でした。光を使ったドラマティックなの効果から、宙から白鳥に乗って降りてくるローエングリン登場、フォークトの白鳥へのねぎらいの甘い歌声の第一声は、聖杯の騎士ローエングリンの登場にふさわしいものでした。第2幕、第3幕も抽象的な表現でしたが違和感なく、衝撃的で斬新さを感じました。


2012.6.4 新国立劇場オペラパレス)












参考文献:

ワーグナー (作),日本ワーグナー協会(監修),三宅 幸夫,池上 純一 (訳)

『ローエングリン』2010.五柳書院

アッティラ・チャンパイ他(),宇野道義他()『ワーグナー ローエングリン』

音楽の友社編・スタンダードオペラ鑑賞ブック「ドイツオペラ」

三宅新二「ヴァーグナーのオペラ女性像」鳥影社







このブログを満たす方は下記のマークをクリックしていただくよう、お願いします

にほんブログ村 クラシックブログ オペラへ
にほんブログ村







by desire_san | 2012-06-18 19:21 | オペラ | Comments(24)
Commented by メロディ at 2012-06-17 22:10 x
ブログに訪問していただきありがとうございました。こちらのブログは美しい写真と文章で公演日の感激が素直に思いだされとてもステキですね。
Commented by camelstraycat at 2012-06-17 23:52
こんにちは。
先程は拙ブログにコメントありがとうございました。
本当に至福のひと時でした。
日本でこの水準でこのお値段で・・全く有り難い事だなぁと思います。
フォークトのローエングリンで今季のシーズンが締めくくれた事はまさに望外の幸せでした。
Commented by Masayuki_Mori at 2012-06-18 07:23 x
こんにちは、ブログを読ませました。ローエングリンとエルザの愛しあう二人が禁問はを発しただけで簡単に分かれなけれならないのはら見ていて非常に違和感を感じました、この当あたりの時的背景を教えていただけると、もう少し理解しやすくなります。お時間名があるときにお願い致します
Commented by desire_san at 2012-06-18 07:28
この音楽の重要なポイントである正椎の騎士について書き加えてみたいと思います
Commented by seiunzi at 2012-06-18 10:29 x
当ブログに訪問いただきましてありがとうござます。
ローエングリン良かったですね。これだけの水準のものが日本で当たり前に観られるようになったことに感謝です。
Commented by らぴすらずり at 2012-06-18 20:56 x
ブログへのコメントありがとうございました。
初めて見たワーグナーのオペラが今回のローエングリンだったのは
とても幸せだったと思います。
素敵なブログで、これからも読ませていただきますね。
Commented at 2012-06-19 11:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 慶子_Kinoshita at 2012-06-19 13:59 x
ワーグナーの「ローエングリン」について整理されて描かれていて、一気に読ませていただきました。「ローエングリン」は、ワーグナーの妄想をオペラにしたものという説があります。現在の荒廃の源を告発する高潔の騎士・ローエングリンはワーグナー自身の姿に重ね合わせ、ワーグナーは自分こそが現代の荒廃の犠牲者だと思っていたようです。数々の愛のために死を選ぶオペラを作っていましたが、ワーグナー自身はこの「ローエングリン」を最大の悲劇と呼んでいます。生涯自己中心的な考え方を貫いたワーグナーらしいと思いました。
Commented by 山脇由美 at 2012-06-19 14:11 x
「ローエングリン」はワーグナーのオペラでも初回の上演が大成功しためずらしい作品のようです。声楽的には音域の対照的な配置が聴く人には分かり易いのだと思います。高貴な人物国王(バス)をはさんで、英雄、ヒロイン役(テノールとソプラノ)と悪人役(バリトンとメゾソプラノ)を配して、音楽は複雑ですが、物語や役柄は善玉、悪玉が明確で、安心して見られたのだと思います。
Commented by 智子 at 2012-06-19 15:02 x
こんにちは。ブログのご紹介ありがとうございました。
ワーグナーのオペラというと上演時間が長く内容も難しく、ヒキイが高いように思っていましたが、「ローエングリン」は白鳥の騎士がとうじょうしたり、おとぎ話のようなところがあり親しみやすそうですね。
Commented by 平石悟 at 2012-06-19 17:49 x
「ローエングリン」は高貴な白鳥の騎士の登場、伝統的なオペラに近い筋書きなど、ワーグナーのオペラの中では最も人気のあったおぺらのようですね。、バイエルン国王、ルードビッヒ2世は白鳥の騎士の衣装をまとって自分が夢の世界に浸るほど夢中になったオペラだそうですね。このころは、リスト、ニーチェなどもワーグナーを熱烈に支持していたようです。 リストやニーチェがワーグナーから離れていったのは、「「トリスタンとイゾルデ」 の異様な世界からでしょうか?
Commented at 2012-06-20 12:07
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by つるりんこ at 2012-06-20 12:36 x
「ローエングリン」は上演時間の長い作品ですが、その素晴らしい音楽は時間を忘れるほどでした。
Commented by 失われたアウラを求めて at 2012-06-21 00:14 x
こんばんは。鑑賞から2週間が過ぎて、かなり印象的な舞台でも、記憶から次第に薄れそうな昨今ですが、写真付きの美しいブログのおかげで、いろいろと思い起こすことができました。
Commented by ゆりこ at 2012-06-21 01:18 x
こんばんは。
ワーグナーの「ローエングリン」のご紹介ありがとうございます。
ワーグナーのオペラは、死をテーマとしたものが多く敬遠していましたが、この「ローエングリン」は、現代最高の歌手が出演しているようで、行けばよかったと少し後悔しました。(笑)
Commented by rollingwest at 2012-06-23 20:58
ワーグナーというと、メンデルスゾーンと並んで 2大結婚式定番クラシック曲しかしらないRWですが、数々の有名な曲をつくりあげた方なのでしょうね。でも結構聴いたことのある曲が多いのかもしれません。
Commented by 5-saturn at 2012-06-25 10:19
ブログを訪問していただきありがとうございます。昨年のバイロイト音楽祭でフォークトの「ローエングリーン」をBSで見ましたが今回新国立での「ローエングリーン」のほうがよかった。ライブの臨場感もさることながらシュテークマンの演出はとても好感が持てました。バイロイト級ヘルデン歌手の得意演目を東京で堪能できるなんて夢のようです。
Commented by desire_san at 2012-06-25 23:51
コメントありがとうございます。
今回の舞台は、バイロイト級ヘルデン歌手、クラウス・フロリアン・フォークトの出演の存在なくして、この舞台はこれだけ成功しなかったので気いでしょうか。他の歌手も合唱も現世界の存在に対して、フォークトのローエングリーンだけが聖杯の騎士という別世界の存在という対立構図で圧倒的な存在感を示す歌唱力は巣後と思いました。新国立劇場の公演は海外から強力な歌手を呼んでいますが、これだけの存在感があったのは、、ロッシーニの「チェネレントラ」のシラグーザ以来だったように思います。
Commented by Thomas Kunz at 2022-08-23 13:38 x
こんにちは。Tthanks for your comment. "Parsifal" is what Wagner calls a "music drama". "Lohengrin" is recognized as "the last opera" because it was the last work that Werner composed as an opera.
Commented by Wiebke Göetjes at 2022-08-24 01:12 x
I don't think Lohengrin is Wagner' last opera! Parsifal is. Lohengrin is one of tge early operas. copied from : www.wagneroperas.com
RICHARD WAGNER'S OPERATIC WORKS
TITLE - LIBRETTO COMPLETED - MUSIC COMPLETED - FIRST PERFORMED
Die Feen January 1833 January 1834 29 June 1888 Munich
Das Liebesverbot October 1834 Spring 1836 29 March 1836 Magdeburg
Rienzi, der Letzte der Tribunen August 1838 November 1840 20 October 1842 Dresden
Der fliegende Holländer May 1841 November 1841 02 January 1843 Dresden
Tannhäuser April 1843 April 1845 19 October 1845 Dresden
Lohengrin November 1845 August 1847 28 August 1850 Weimar
Commented by Wiebke Göetjes at 2022-08-24 01:15 x
Lohengrin  November 1845 August 1847 28 August 1850 Weimar
Das Rheingold November 1852 September 1854 22 September 1869 Munich
Die Walküre July 1852 March 1856 26 June 1870 Munich
Siegfried June 1851 February 1871 16 August 1876 Bayreuth
Götterdämmerung November 1848 November 1874 17 August 1876 Bayreuth
Tristan und Isolde September 1857 August 1859 10 June 1865 Munich
Die Meistersinger von Nürnberg January 1862 October 1867 21 June 1868 Munich
Parsifal April 1877 January 1882

Commented by dezire-san at 2022-08-24 01:16 x
"Parsifall" is what Wagner calls a "music drama".  "Lohengrin" is recognized as "the last opera" because it was the last work that Werner composed as an opera. Wagner himself calls Lohengrin a "romantic opera in three acts". Wagner calls the Ring of the Nibelungen, Tristan and Isolde, and Parsifal musical dramas. The word “musical drama” was coined by Wagner, but Wagner believed that conventional opera was not enough to create a “comprehensive work of art,” and ideally integrated music, theater, art, and literature (librett). These works were classified as 'musical plays' to distinguish them from 'operas'.

Commented by Thomas Kunz at 2022-08-24 09:43 x
It is not called a “music drama”, it is called A Festival Play for the Consecration of the Stage. That said, basically everyone refers to "Parsifall" as his last opera.


Commented by Alexander Julius at 2022-08-24 09:47 x
I can agree that Parsifal doesn’t count like an opera because it’s official a „Bühnenweihfestspiel“.




by desire_san