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マティスの代表作「赤い部屋(赤のハーモニー)」来日

エルミタージュ美術館展
Matisse-The-Dessert-Harmony-in-Red-Henri

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 ロシアのエルミタージュ美術館は昨年行きましたが、なにしろ膨大なコレクションだったのでみたい作品に狙いを決めてみてきました。今回国立新美術館でエルミタージュ美術館展に行ってみると、記憶に会ったのはマティスの代表作「赤い部屋(赤のハーモニー)」のほかは数点で、それ以外は見落としていました。エルミタージュ美術館のコレクションの大きさを改めて感じました。以下気になった作品について書いてみました。




This exhibition showcases 89 masterpieces of European art from the collection of the State Hermitage Museum of St. Petersburg, one of the world’s largest museums of art.



a0113718_1801937.jpgティツィアーノ・ヴェチェリオ「祝福するキリスト」
 ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノの晩年の作品で、この人間味あふれる温かみののある作品です。ティツィアーノの作品には大上段に振りかぶったような仰々しい作品もあり、作品に波のある画家という印象をもっていますが。この作品はティツィアーノの作品では最も愛に満ちた温かみのある作品ではないでしょうか。キリストの右手は祝福を、左手のクリスタルガラスは、万物の支配者の象徴とのことですが、この作品からティツィアーノが伝えたかったのはキリストの「愛」の教えだったように感じました。



Theexhibition includes paintings from the 16th through 20th Centuries,demonstrating the breadth and the glory of European art.



ロレンツォ・ロット 「エジプト逃避途上の休息と聖ユスティナ」
a0113718_181284.jpg 聖家族と聖ユスティナの衣服などに色彩感が豊かで躍動感のある作品でした。身体描写は演出されたマニエリスム的傾向が見られますが、保存状態が良く、ヴェネツィア派の色彩の美しさは魅力的でした。



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ヴェロネーゼ「聖会話」
 この作品も保存状態が良く、一際色彩が美しい作品でした。使っている色は意外に少ないのですが、赤と緑の補色を見事に配し、少ない数の色で上品に華やかな色彩美を演出しています。ティツィアーノ、ロレンツォ・ロットと合わせて、ヴェネツィア派の色彩美を楽しめました。


ルーベンスの作品としては珍しい画風の作品もありました。



ペーテル・パウル・ルーベンス 「虹のある風景」
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 中央に笛を吹く羊飼いの男女、大自然のパノラマに美しい虹と牧歌的で古典的な田園風景ですが、生活感もあり味わいのある作品です。ルーベンスの故郷のフランドルの自然をイメージして描いた作品という説もあります。ルーベンスの絵画というと、仰々しいモチーフを画面に強引におさめ、そこに緊迫した統一感のある作品が多いように思いますが、こんなのどかな作品も書いていたのだと思いました。



ペーテル・パウル・ルーベンス「ローマの慈悲」
 蛾死する寸前のキシンに娘ペペが父を与えている。イタリアルネサンス的安定感のある構図の作品でした。

ナルシストという説もあるヴアン・ダイクの自信あふれる自画像。ライスダールの風景画も味わいがありました。



a0113718_186338.jpgレンブラント「老婦人の肖像」
 エルミタージュ美術館には「ダナエ」「放蕩息子の帰還」などレンブラントの傑作が多く、その中では地味な作品ですが、改めてこの作品だけを見ると、光と影の表現が卓越していることに気づきます。人間の心の内面が表現されているように感じました。

 ブーシェに代表される柔らかな曲線にパステル調の色彩のロココ様式の作品もいくつか展示されていました。幸福感と優美さは多少人工的なところがあり、享楽的な貴族趣味を感じました。そんな中で、ニコラ・ランクレの「踊るカマルゴ嬢」は、エルミタージュ美術館を訪問したときのレポートでも触れましたが、純粋な幸福感にあふれた気持ちの良い作品でした。

シャルダン、グルーズ、ヤン・スーチンの風俗画、強い自意識を感ずるル・ブランの肖像画、ものすごく官能的な作品、ルファーブル「マグダナのマリア」も展示されていました。



ライト・オブ・ダービー「外から見た鍛冶屋の光景」

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 夜景を得意とし、産業革命時代の工場など珍しいモチーフを取り上げているイギリスの画家です。廃墟のような建物ですが、鋳造に使う器械類は正確に再現された鍛冶屋で、人工的な光の明暗により浮き彫りにされた人物の生活感と、光に映し出される川の詩的な自然の光の風景が面白い対比をみせ、ロマンチックな雰囲気を醸し出したいまする。




ウジェーヌ・ドラクロワ 「馬に鞍をおくアラブ人」

鮮やかな色彩とドラマティックな構図はいかにもロマン派の作品です。


a0113718_1884622.jpgピエール=オーギュスト・ルノワール
「黒い服を着た婦人」
 青や黒を白と対比させ、上品で温かみのある都会的な雰囲気で、安らぎを感ずる作品でした。




Theworks include Henri Matisse’s timeless masterpiece Red Room (Harmony in Red),which will be shown Along with Matisse, the exhibition will display works byTitian, Rubens, Rembrandt, Reynolds, Renoir, Monet, Cezanne and Picasso.



アンリ・マティス「赤い部屋(赤のハーモニー)」

a0113718_1891460.jpg マティスがフォービズムを離れ、独自の道を進み始めました。遠近法によらない、奥行きのまったくない平面的な画面構成の不思議な空間、主役の赤に青、黄、緑の原色系の色彩が華です。補色の赤と緑の対比が際立っています。画面が装飾性だけでなくリズムがあり
マティスの新しい絵画表現、独自の絵画空間が生まれています。





参考;
エルミタージュ美術館の主要なコレクションについては、昨年訪問した時の鑑賞記をトラックバックしましたので参照ください。







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by desire_san | 2012-07-17 22:46 | 美術展 & アート | Trackback(3) | Comments(16)
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Commented by 加代子 at 2012-07-17 18:40 x
先日は 私のブログにコメントを有難うございました。
遅くなりましたが やっとお邪魔です(笑)
ロシアのエルミタージュ美術館には行かれたのですね。
華麗な館に 凄い絵のコレクション・・・
エカテリーナ女帝の執念?を感じさせます(笑)
私は音楽にも絵にも疎いので 感想は苦手です。
自分の好きなものだけ 見て聴いてそれでお終い。
コメントは難しいですねェ
Commented by masako_texas at 2012-07-17 19:26
desire_sanさん
こんにちは。
この展覧会は、宮殿にあるわけではなかったので一枚ずつをのんびり眺められたかなと思いました。
レンブラント「老婦人の肖像」とても印象的でした。
レンブラント、大好きな画家で、見ていると嬉しくなりますが。よく考えると暗い絵ですよね。

いくつか見に行きたい展覧会に行っておられるので、参考にしたいと思います。
Commented by yokotomochi2323 at 2012-07-17 20:53
素晴らしいブログ見せていただきました!!
とてもお詳しいのですね。
私は絵画、芸術には疎いので、お恥ずかしい限りです。
本物を見ることによって、少しづつ見る目が養われるとよいのですが。。。
ありがとうございました。
Commented by desire_san at 2012-07-17 23:44
加代子さん、masako_texasさん、yokotomochi2323 さん
コメントいただき、ありがとうございます。
エルミタージュ美術館には、レンブラントの傑作がたくさんあり、今回展
示された「老婦人の肖像」もそのひとつです。レンブラントのコレンションとしては、質、量ともに世界でも最高レベルではないかと思います。

エルミタージュ美術館は広い上に、中が迷路のようです。館内の案内図を持っていても、途中で自分がどこにいるか分からなくなることが何度もありました。そのたびに美術館の人に今どこにいるのか、この部屋に行くにはどの方向に行けばよいのか、聞きまくっていました。4時間かけて、なんとか見たいと思っていた作品は全部見てきましたが、かなり大変でした。エルミタージュ美術館に行かれるのでしたら、じ事前に何を見るか、それはどの部屋にあるのか調べておくことをお勧めします。

Commented by chainesetea at 2012-07-18 00:30
本場にも行かれた事があると言うこと、とても羨ましいです。海外についてお詳しいのですね。ほかのページもじっくりと読ませて頂きたいと思います。
今回のマティスの作品はマティスの中でもとりわけ暖かくフォークロアな雰囲気でしあわせ感が溢れる作品だと思いました。表面的ながら奥行きも感じる、特に広さを感じる作品だと思いました。
Commented by desire_san at 2012-07-18 00:38
chaineseteaさん、コメントありがとうございます。
もちろん人それぞれ好みはあると思いますが、「赤い部屋(赤のハーモニー)」はマティスの最高傑作のひとつではないかと思っています。
Commented by desire_san at 2012-07-18 00:38
chaineseteaさん、コメントありがとうございます。
もちろん人それぞれ好みはあると思いますが、「赤い部屋(赤のハーモニー)」はマティスの最高傑作のひとつではないかと思っています。
Commented by gumigawara at 2012-07-18 08:44
こんにちは!
説明と一緒に読ませていただくと、もう一度美術館を訪れたような気持ちになり感激がよみがえりました。
私もエルミタージュの豪華な建物にいつかいってみるつもりでいます。
他の記事も後でゆっくり読ませていただきますね。(*^_^*)
Commented by tkomakusa1t at 2012-07-18 11:19
絵のことは疎くて見るのが好きだけで小さな美術館に
行くだけですので世界的な絵を学ばせていただいています。
レンブラントは川村美術館で見たことがあります。
desire_san さんの文章が分かりやすくまとまっていて
楽しんで読ませていただいています。
Commented by 小夏 at 2012-07-18 18:50 x
先日はブログにコメントありがとうございました。
ロシアのエルミタージュ美術館にも行かれたのですね。
絵画だけではなく、バレエや写真など専門的な知識を持っていらっしゃって読み応えあるブログだと思いました。
Commented by tomahawk_attack at 2012-07-18 19:54
ご訪問有難うございます。。
私としてはロシアまでは、とても行けそうにありませんので、この様な形で日本での展示が実現したのは・・・・まことに有り難かったです。。
今回の展示の中では、ルーベンス作、「ローマの慈愛」というのにショックを覚えました。。
作品の素晴らしさは、あえて言うまでもありませんが、エキセントリックなテーマに、今日的な考えで眺めると、些かショックを受ける内容であります。。
見学した日、館内では密やかながらもザワめきが巻き起こっていました。絵画展では比較的珍しいことです。。。\_(-_- 彡
Commented by メグパパ at 2012-07-19 07:34 x
こんにちは。
先日は私のブログにコメントをいただきまして、ありがとうございます。
遅くなりましたが、訪問させていただきました。
完成度の高い素晴らしいブログに出会えて感謝しています。
今後もいろいろと勉強させていただきます。
ありがとうございます。
Commented by fuxokkun at 2012-07-20 17:46
先日は拙ブログにご訪問頂き、ありがとうございました。レンブラントの「老婦人の肖像」は表情や手の(血脈からしわの浮いた)描き込みが素晴らしく、表現の最高峰の一端と言えると思います。マティスの「赤い部屋(赤のハーモニー)」はマティスが10年ほど前に描いた、よりリアリスティックな食卓の絵の延長線上にあるもので(そこには、水差しや婦人(メイドさん)も登場しています)、あとに描いたこの作品が装飾的であるにもかかわらず、水差しや婦人が現実にある(いる)感を強く持たせます。10年前の作品も食卓が画面(キャンバス)の途中で切れて描かれ、この作品でも、窓や椅子や食卓などが途中で切れ、さらなる広がりを(見る人に)感じさせていると思います。婦人(メイドさん)の首の青い色はマティスしか塗れなかったでしょう、(漫画では目の青いのがありますがレベルが違います(笑))、全体のバランスとハーモニーですね。セザンヌの再構成法を色でも前進させたのですね。ここでのリズム感は、後の傑作「ダンス」に繋がって行ったと思います。
Commented by desire_san at 2012-07-20 22:48
皆様、いろいろな視点からコメントをいただき、ありがとうございました。
レンブラントとルーベンスはさすがに魅力ある作品でしたね。
マティスの「赤い部屋(赤のハーモニー)」は何度見ても素晴らしいと思う作品でした。
Commented by ディック at 2012-07-22 13:33 x
5月30日に心臓のカテーテル手術などしたので、4月〜6月の稼働可能日数が少なくなり、行きそびれた美術展が出てきてしまいました。これもそのひとつ。ちょっと残念ですが仕方ないですね。
マティスは何年か前マティス展というのがあって、それで大ファンになりました。
Commented by Lyrica at 2012-07-24 21:31 x
はじめまして。先日はブログのほうにコメントいただきましてありがとうございました。お返事が大変遅くなってしまい失礼いたしました。
ブログ拝見させていただきました。読ませていただいているうちに、エルミタージュ展に行った時の感覚が蘇りました。とても素晴らしい記事をありがとうございます。

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