シューマンと母の死に触発されて生まれたブラームスの管弦楽曲の出世作
Brahms "German requiem"
バッハ・コレギュウム・ジャパン等で歌手としても活躍した合唱指揮者・青木洋也が音楽監督を務めるエルビオ・ソーヌスの定期演奏会で、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家ブラームスの出世作となった傑作「ドイツ・レクイエム」(Ein Deutsches Requiem op.45)の演奏会が東京文化会館で開かれました。 管弦楽つき合唱曲管弦楽つき合唱曲をバロック的解釈で演奏するというコンセプトでの演奏会でした。
Brahmsstimulated "German requiem" when Roberto Schumann had died He was thebenefactor who made him the composer and took him out to the worldsuddenly itis also educated that the after Brahms's mother passed away, and Brahmscompleted music through the time for ten years.At this time, as for Brahms,Brahms established the status as a composer by success of 35 years old and thismusic
ブラームスは、20歳のときにシューマンのエッセイ『新しい道』で紹介され、脚光を浴びます。以降ブラームスは、室内楽作品では高い評価を得てゆきましたが、ブラームスは作曲家として音楽家として最高の表現の理想を創設する使命感を感じていました。ブラームスの母が亡くなったことも啓発されて、期待に正面から答ようと葛藤を重ねながら交響曲や優れた管弦楽曲の作曲に挑戦しようとしていました。
期待に正面から答えたのは、ブラームスは彼を作曲家として世に出してくれた恩人のロベルト・シューマンが急死したのが刺激となって着想が生まれ、10年の歳月を経てブラームスは35歳で完成させたのが「ドイツ・レクイエム」でした。この曲の成功でブラームスは作曲家としての地位を確立し、巨匠ベートーヴェンの後継者としての仕事を全うしようと決心としたと言われています。以後4つの交響曲を始めとする大規模な傑作を生み出してゆきました。
「ドイツ・レクイエム" Ein Deutsches Requiem"」というのは「私の書いたドイツ語のレクイエム」というような意味です。レクイエムはカトリック教会の死者の霊を慰めるための典礼音楽ですが、ブラームスはルターのドイツ語訳聖書の歌詞の各部分から自由に選択し、教会の典礼のためではなく演奏会用として作曲しました。シュルツやバッハの研究家だったブラームスは、死の悲劇に直面した人間をロマン主義的に描き、幸せとはとは何か、人間とは何かを問いかける普遍的意味を持った壮大な合唱カンタータとなっています。シューマンと母の死に刺激されて作曲したこともあり、ブラームス自身の心を鎮魂するための作品でもあったようです。
ブラームスの数少ない合唱曲ですが、ブラームスは合唱の指揮をしていたため合唱の扱いは素晴らしく、バッハの影響でポリフォニーが巧みに活かされ、バッハの音楽を彷彿されるものです。全曲は3楽章を中心にシンメトリーな構造の楽章から構成され、第1曲の旋律が全曲にわたり用いられており楽曲構成も統一されていて円熟した傑作に仕上がっています。
"Germanrequiem" ( Ein Deutsches Requiem) is a meaning, such as "requiem ofthe German written by me."Although requiem was the divine service musicfor comforting the soul of the dead of a Catholic church, Brahms chose it intoeach portion of the words Luther's German translation Bible freely, andcomposed it as not for the divine service of a church but an object forconcerts.Brahms who was an investigator of Shultz or Bach draws in romanticismthe human being who faced the tragedy of death, and has become happiness withgrand chorus cantata with the universal meaning which asks what and a humanbeing in what.Since it was stimulated by the death of Schumann and a mother andmusic was written, it also seemed to be the work for reposing Brahms's ownheart.
第1曲 聖書のマタイ伝「悲しんでいるものは幸いである・・」、詩篇の「涙を持って種まくものは・・」重低音の弦楽器について静かに合唱が始まります。時々合唱の美しいハーモニーがあります。ヴィオラとチェロの演奏、「涙を持って」男声合唱で悲痛な響き、ブラームス自身の姿でもあります。次の「喜びの声を持って」で明るさが戻ってきて、ハープの伴奏で静かに終ります。
第2曲 聖書のヤコブ伝 合唱「肉はみな、草のごとく」、ドラマティクな音楽で始まり、厳かな合唱。速度が速まり「前の雨と後の雨」、ハープとフルートが雨の描写で音楽が盛り上がります。再びオーケストラに先導され、初めの主題の合唱第1部の合唱、最後は歓喜を感動的に謳いあげ最高潮で終わります。
第3曲 詩篇 人間の命のはかなさを歌う、バリトン「主よ、知らしめたまえ、われに終わりが必ずあること、わが命に末あること・・」 続いてドラマティクな核心部分のフーガ、テノール、アルト、ソプラノ、バスの合唱の順で歌う。「望みをかけてよいのでしょうか」と高揚して終わります。
第4曲 詩篇 「いかに愛すべきかな、なんじのいますところは、万軍の主よ」 シンメトリーを形成する全曲の中心の優雅なトリオ 合唱「万軍の主よ」「わが魂は消え入るばかりに」挿入 最初の合唱の繰り返し、合唱の2重フーガ(クライマックス)「あなたを褒め讃える人は幸いです」次第に高揚が静まり穏やかに曲を終ります。
第5曲 ヨハネ伝「汝らも今は憂いあり」 亡き母の霊に捧げられたもので「ドイツ・エレクイエム」の核となる美しい曲です。「母」への愛と感謝の念を静謐な感動の内に謳い上げてゆく。弦楽器に導かれて、ソプラノ独唱が「このように、あなた方も」と美しく歌います。合唱「母がその子を慰めるように」母への感謝と追慕の気持ちを歌い音楽は高揚、最後は慰めに満ちた静かな音楽で終わります。
第6曲 黙示録「われらここには、とこしえの地なくして」、長大な楽章「怒りの日」ヴァイオリン伴奏の合唱「この地上には永遠の都はない」 バリトン独唱「神秘を告げよう」と高らかに歌い上げます。 「終焉のラッパ」合唱と管弦楽がフルオーケストラで神の怒りを歌います。ドラマティクに演奏され壮大な音楽です。黙示録「主よ、汝はふさわし」アレグロに、フガートで壮大な讃歌を歌います。
第7曲 黙示録「幸いなるかな、死人のうち、主にありて死ぬるものは」、ヴァイオリンとヴィオラ、ソプラノ「主にあって死ぬ者は」、バリトン、が合唱に引き継がれ、ソプラノとテノールの独唱と合唱が互いに掛け合い最後はハープのアルペジオで静かに安らかに全曲を閉ります。その苦労が解かれて、安らぎを得、その行いは報われます。
オーケストラの音色感、色彩感は、ブラームスが尊敬するバッハに決定的に欠けている要素でもありましたが、ベートーヴェンは、ティンパニー、ホルン、時にはクラリネットを使って音楽に音色感と色彩感を与えました。ブラームスは、トーヴェンのその技法を受け継いて、渋い音色感を作り出していきました。しかし、ブラームスの興味の中心は、主題とその有機的発展や、構築性にあり、オーケストラの色彩感は副次的要素でした。ブラームスは、色彩感という衣裳に頼らず、内面から湧き出るロマンチシズムを曲の構築性と相剋させることによって、緊張感に満ちた音楽が形作そうとしたのだと思います。
ドイツ・レクイエム」の魅力は、冒頭からの魅力的な旋律から魅了されていきます。若さと意気込みのある曲調が構築美も優れ、荘厳で古典的な美しさのある旋律も魅力的です。繊細に歌われる合唱の飛翔感は、聖なる弦を揺らすようです。哀悼の歌は人間の苦悩を描く短い短調の後、神話の中で亡くなった人たちを讃えるすばらしい合唱曲から、管弦楽だけの長調に移り安息の音楽で終わる音楽構成も見事で素晴らしいと感じました。
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今回、澤江さんと東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に持っていかれた感が強いですが、エルヴィオ・ソーヌスの今後の活躍を期待したいです。
オーケストラの音色感、色彩感は、ブラームスが尊敬するバッハに決定的に欠けている要素でもありましたが、ベートーヴェンは、ティンパニー、ホルン、時にはクラリネットを使って音楽に音色感と色彩感を与えました。ブラームスは、トーヴェンのその技法を受け継いて、渋い音色感を作り出していきました。しかし、ブラームスの興味の中心は、主題とその有機的発展や、構築性にあり、オーケストラの色彩感は副次的要素でした。ブラームスは、色彩感という衣裳に頼らず、内面から湧き出るロマンチシズムを曲の構築性と相剋させることによって、緊張感に満ちた音楽が形作そうとしました。
音楽の骨格がより際立って聞こえたことでしょうね!
いつか実演で聴いてみたいです。
ベートーヴェンやシューマンを超えて
新たな音楽を生まなくてはならかったブラームスは
大変だったろうといつも思います。
昨秋、第2曲(草のごとく)から短歌を作りました。
ひとはなぜ草をたをるや 朝は咲き夕べはしぼむ あはれ その草
Warum der Mensch das Gras pflückt ? Ach, das Gras ist verdorret und die Blume abgrfallen!