心に響くマリンバの音楽の魅力
Inspirational music for marimba
「門前仲町55席の音楽会」という音楽会が開催され、牧野美沙さんのマリンバの生演奏を鑑賞する機会を得ることができました。
I enjoyed playing Misa Makino, the marimba player from Tokyo National University of Fine Arts and Music. I was impressed by the expression of her inspirational music.
Her tone of the marimba was stuck into my heart.
牧野美沙さんは、東京芸術大学音楽学部器楽科打楽器専攻卒業後、同大学院修了され、マリンバのソリストとして、アンサンブルの打楽器奏者として活躍されている方です。
マリンバの生演奏を聴くのは全く初めてで、打楽器の生演奏を聴くのも10年以上前に、和太鼓の林英哲さんとピアノの山下洋輔さんのライブの共演を聞いて以来でした。期待に少し心が熱くなる思いで会場に入りました。
「祈り - pray for 3.11,2011-」<世界初演>
世界初公演で、山下祐加さんが震災後半年後に宮城県の松島を訪れた時の体験をもとに作曲し、打楽器奏者・牧野美沙さんに捧げた曲です。
最初不気味な重低音が会場に響き渡り、続いて演奏される幻想的な響きが心に強く突き刺さってきます。地震と津波を描写したものなのでしょうか。そこに日本の故郷を感じさせる「斎太郎節」が心優しく少し哀愁を帯びて心に迫ってきます。最後は余韻を残して静かに清く全体を終えます。
「イリヤーシュ」 (ILIJAS)
ユーゴスラビア出身の作曲者、ネボシャ・ヨハン・ジヴコヴィッチガ作曲した曲。
親しみやすい東欧の民族的音とリズムをマリンバにより演奏されると、マリンバの打音が心につき刺さってきて、前衛的とも感じられる現代的な響きを音楽にもたらし、音楽に強いエネルギーが加わってくるようで、音楽から斬新なエネルギーをもらったような気がしました。
「ランド」 (Land)
雄大なモニュメントバレーの景色から生まれた曲で、雄大な大地を感じさせる温かい響きが心地よい曲ですが、音域が広いマリンバの打音が心に響いてきて、能動的に大地の自然を体現できたような気がしました。
牧野美沙さんのマリンバの演奏の後、古川かりんさんピアノ演奏で、R.シューマンの歌曲を F.リスト編曲がピアノ曲に編曲した「愛の歌」とギリシァ神話をモチーフにした激しさと詩情が共存するダイナミックな音楽が演奏されました。今回演奏されたピアノ曲は決して静かな曲ではないのですが、マリンバの演奏を聴いた後のせいか、ピアノの音楽が非常におとなしい音楽に感じられました。
おそらくマリンバの特質と牧野美沙さんの演奏が、演奏を終わった後も、私の心に強く刺激的に響いていたのだと思いました。今回のマリンバの音楽は人の感性を強烈に刺激する力をもっているようです。 最近、ラファエロ、エル・グレコ、ルーベンスの絵画展が東京で開かれていますが、絵画でいえば、今日聞いたマリンバの音楽は、さしずめ鮮烈な色彩と切れ味の良い大胆な画面構成が合体して鑑賞者の心を揺さぶるエル・グレコの絵画でしょうか。 心に突き刺して気持ちを高揚させられる、こんなところがマリンバの音楽の一つの魅力のように感じました。
久しぶりに新鮮な精神の刺激を音楽から受けることができた演奏会でした。演奏が終わった後、マリンバを持ち運べるように解体していった「解体ショー」を見ることができました。マリンバの構造を分かり易く学ぶことができ、今まで知らなかったマリンバを十分体験することができました。
(2013年6月10日(水)19:30~ 門前仲町のシンフォニービル・2F「カナディア」)
参考: エル・グレコの絵画 文字をクリックするとリンクします。
El Greco's art Click here to you, you can see about El Greco's art.
dezireさんは、マリンバの演奏は初めてですか。
マリンバの音楽とエル・グレコの絵画、普通の人には結びつかない発想ですね。(笑)
ボタンの花とマリンバの音とエル・グレコ、なんでも結び付けてしまうところがユニークですね。
楽しまれたお話が嬉しかったです。有難うございました。
マリンバの音楽を聴いてエル・グレコを思い出したのは全くの直感的なものです。
ボタンの花とコラボしたのも思い付きですが、エル・グレコとボタンは全く共通点がありませんね。
私の感性もかなりいい加減なものと言われても反論できませんね。(笑)