ダ・ヴィンチはなぜ絵画作品が少ないのか
Leonardo da Vinci - Portrait of genius
東京都美術館で特別展、「ミラノアンブロジアーナ図書館・絵画館所蔵 レオナルド・ダ・ヴィンチ展—天才の肖像」が開催されていますので見てきました。個人的印象として、本展は美術展というより、むしろダ・ヴィンチの万能の天才としての至高の記録を主体に展示されていたように思いました。
イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチは、イタリア・フィレンツェ近郊のヴィンチ村で生まれ、フィレンツェのヴェロッキオの工房で絵画を学び、その後、「ミラノ→フレンツェ→ミラノ」と拠点を移しながら創作活動を行ないました。画家、彫刻、建築、舞台芸術、音楽、軍事、土木、人体、航空など、多岐に通じていた万能の天才とも言われています。
最初に入った地下1Fには、アンブロジアーナ図書館絵画館所蔵のダ・ヴィンチ周辺の画家による「貴婦人の仕様象」と「岩窟の聖母」の模写、「悔悛の聖ヒエロニムス」が展示されていました。ダ・ヴィンチとは少し画風が違いますが、質の高い作品でした。
1Fはダ・ヴィンチが万能の天才であったことを示す貴重な記録を主体に展示されていました。ダ・ヴィンチは偉大な画家であるとともに、建築家、科学者、軍事技術者など多方面において、当時としては最高レベルの才能を持っていたことが、今回の「ダ・ヴィンチ展」でもよくわかります。そのような万能の天才であることが、ダ・ヴィンチに絵画制作に専念することを許さなかったと思います。ダ・ヴィンチは、軍事技術、建築、科学などより実用的な仕事に重用されました。
I've found that the following of this in "The Da Vinci exhibition". Leonardo da Vinci is a great painter, but had also the highest level talent architect, scientist, military engineer at that time. I think for da Vinci was a versatile genius, and they did not allow that the da Vinci to concentrate on production of painting. Da Vinci was an important post in the practical work military technology, architecture, and from science.
本展で唯一のダ・ヴィンチの油彩画で、生涯唯一の男性の肖像画です。他の作品同様、一瞬の表情を鋭い観察力で描いています。暗い背景に浮かび上がる顔の肉付き、金髪の髪の一本一本が丁寧に描かれているようです。
"Portraitof musician" (1485)
Itis the oil paintings of da Vinci's only this exhibition. This paintingis a portrait of a man's life only. As with otherworks of da Vinci, da Vinci has been drawn with sharp powers of observation theexpression of the moment. Plump face emerge on a darkbackground, one book of blond hair is also drawn carefully.
ダ・ヴィンチの弟子たちは、ダ・ヴィンチの追随者が多く、「レオナルデスキ」と呼ばれていました。「音楽家の肖像」のある2Fには、ダ・ヴィンチの追随者たちの作品も展示されていました。
ルイ―二「聖家族と洗礼者ヨハネ」
今回展示されていたレオナルデスキの作品としては最もすぐれた作品だと思いました。聖母マリアの表情は、他のレオナルデスキの作品と比べて格段に美しく描かれています。ダ・ヴィンチが打ち出したピラミッド型の構図に対して、この作品の構図は水平方向に展開されているように見えます。
BernardinoLuini “John the Baptist and Holy Family"
Ithink the work which most excellent as a work of followers of Leonardo daVinci. Expression of the Virgin Mary, are beautifully drawn much. Da Vinci hasproposed the composition of the pyramid. However, I can see composition of thiswork as being deployed in the horizontal direction.
今まで来日したレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画
コメントありがとうございました。
ダ・ヴィンチは万能の天才だったのですね。それ故に絵画に専念できる期間が短かったというのはdesireさんのご指摘で初めて知りました。興味深いことです。公共の仕事が忙しく、私的な絵画にまで時間をさくことができなかったのでしょう。絵画ファンとしては残念なことです。
私の書いた内容はひとつの見方であり、ダ・ヴィンチ自身がいろいろなことに興味をもつ人で、絵画制作だけの人生を好まなかったという見方もできます。ただ、その当時の画家の社会的地位は高くなかったのも、影響しているかもしれません。ただ言えることは、今の時代でも、あまり斬新な芸術はお金にならないというこどと思います。
戯言のような私の記事にコメントいただきありがとうございました。
「美術史の観点でいえば大きな損失だった」というのは、確かにそうかもしれませんね。
逆に言えば、軍事や政治、経済にとってダ・ヴィンチの貢献は大きかったということなのかも。良し悪しの判断はなかなか難しいところですが、理系寄りの自分としては今回見れた手稿などはとても意義のあるものだと感じました。
あと、もしダ・ヴィンチが芸術一本でその才能を発揮していたら、同時代のミケランジェロやラファエロがどうなっていたのかと思うと、ちょっと興味深いです。
そうなったときに、はたしてラファエロが50人も弟子を持てたのかな?なんて考えると面白くもあり、複雑でもあります。
私も理科系の人間なのですが、私はちょつと違った見方をしています。
ダ・ヴィンチは、その当時最高レベルの軍事技術者であったことは間違いないのですが、かれに相当する軍事技術者がいなかつた訳ではないようです。
(続きです) もちろん、権力者の要請だけでなく、ダ・ヴィンチ自身いろいろな方面で才能があるため、いろいろな分野に興味を持って絵だけに専念しなかったのかもしれません。もしも?を考えても意味のなことかもしれませんね。
はじめまして私の拙いブログに遊びに来ていただきありがとうございました。コメントも大変感謝します。
東京に用事があって時間があったので足を運んだダ・ヴィンチ展
なんの先入観も勉強もせず行ったのですが
この偉大な先人が素晴らしい博学者であることに感動しました。
手稿というものに心奪われました。
探求心が才能を与えていると感銘しました。
やはり美術展いいですね
秋から東京に住むことになったので、いろいろ足繁く行ってみます
コメントいただきありがとうございました♪
ダ・ヴィンチは予言者でもあったのではという内容の本を読んでから、更に興味を持ちました。
もし彼は未来が見えていたとしたら、多才でいろんな分野に功績を残されることは容易い事だったのではと思ってしまいました。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します<(_ _)>
なかなか面白い美術展でしたね。私は特にレオナルデスキのところが面白かったです。ルイ―二「聖家族と洗礼者ヨハネ」はたしかに、一番レオナルドっぽい表情が出せていたと思います。「幼子イエスと子羊」も素敵でした。
それにしても、本当に本人作の絵画は少ないですね。もっと見ることができたら・・・と思ってしまいます。
記事興味深く拝見しました。確かに万能の天才はあちこち手を広げすぎて絵画に専念できなかったのは損失なのかもしれませんね。ダヴィンチが最初に世間でブレイクしたのは音楽家だそうですからもしも名刺が当時あったら肩書きには舞台監督とかリラ奏者とかもあったのかも、とか考える隙をくれる幅の広い人間像も合わせて魅力的ですね。
ブログまた寄らせて頂きます。
興味深い記事をありがとうございます。
メッセージありがとうございます。
ブログのほう興味深く拝見しました。
「最後の晩餐」ですが、
私は作品を見て、ダヴィンチは「神」だと思いました!
作品が痛まないように薄暗い部屋の中でほんのりとライティングされていて、
そのようなシチュエーションにも影響されてると思いますが、
作品のもつ独特の冷たさ、距離があると言いますか、
例えるなら宇宙に触れてるかのような感じ?でしょうか??
作品が偉大で、人ははかないものなんだなーという孤独感みたいな感情も立ち上がってきて、
涙が出そうになりました。
人はダヴィンチの作品の前を、ただただ通りすぎるだけで…
そしてそれら鑑賞者の視線に応えてきた「凄み」にゾクゾクしました。
なかなかうまく言葉では表現できてませんが。
「最後の晩餐」行かれる機会ありましたら、是非「体感」なさって下さい。
旅行や展覧会、たくさん行かれてますね。
また少しずつブログ拝見させて貰います。
ダ・ヴィンチの優れた才能に加えて、探求心のすごさはそれだけでも感動しますね。
9月は「ミケランジェロ展」ですね。
現代の東京にいるだけで、名画の方からやってきてくれて、日本で解説が読めるのは、有難いことです。
ただ、「絵」は来日できても、来日できない作品もあるんで、それはこちらから行かないと。
また、寄らせていただきます。
今回のも、そのような趣旨の展示会かと思われたのですけれど、ダ・ヴィンチの絵画が「音楽家の肖像」だけ、また、それに「受胎告知」程には惹かれなかったこともあって、見送りました。
でも、画家に専念していたらもっと傑作が生まれていたのでは、というのはありますけれど、こういう風なマルチ才能ぶりとセットで後々取り上げられうる、やはり稀有な人物、と改めて、ですね。
ダヴィンチは、ご指摘のように音楽家、演出家、芸術監、科学者、軍事戦略家、など幅の広さと奥の他さは計り知れないスケールの大きな人で、さぞ魅力的な人だったでしょうね。
「最後の晩餐」の本物は見たことがないので、一生の間に一度は見に行きたいと思います。
「ミケランジェロ展」も楽しみですね。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展のことは、初めて知りました。ブログ、読ませて抱きます。
ダ・ヴィンチが万能の天才であったゆえに、絵画制作に専念することを許されなかった、というご見解、説得力はあると思います。しかし、それだけではないと私は思います。ミケランジェロもブラマンクも万能の天才でしたが、たとえばミケランジェロには。美術に対して強烈な情熱があったため、たくさんの彫刻を残し、システナ礼拝堂の天井画のような、とてつもない仕事も自ら受けて、何年もかけてあのすごい対策を仕上げました。ミケランジェロが傑出した作品をローマにたくさん残したのは、彼の強烈な情熱があったからだと思います。
ダ・ヴィンチはなぜ絵画作品が少ないのかは、社会的要求もねちろんあると思いますが、ダ・ヴィンチの性格によるところもあると思います。ゴーギャンは、生活をすべてなげうって、生きている時代には理解されなかった絵画の制作に打ち込みました。それが彼の人生に正しいかは別として、やる気になればダ・ヴィンチにもそれはできたと思います。
Moriさんは、ダ・ヴィンチは、好奇心と完全主義的性格、およびダ・ヴィンチ自身の意志で絵画以外の事に力を分散して、結果として作品が少ないというご見解でしょうか。もしそうだとすると、少し違うのではないかと思います。ルネサンスとはいえ封建社会では、画家の社会的地位は職人より少し認められてきた程度で、自らの意志で生き方を選択できる時代ではなかったと思います。ゴーギャンの例を挙げておられますが、ゴーギャンは一官吏にすぎず、宮廷から指名されて軍事技術を命じられたダ・ヴィンチとは時代も違うし、比較にならないと思います。私はdezireさんのご見解に共感しました。
私もMoriさんが言われているように、ダ・ヴィンチの好奇心の旺盛さと絵画に対する完全主義の要因もあると思います。しかし、Kinoshitaさんがの、一画家が主君の意志に反して生きていけるほど自由な社会ではない、というご見解にも共感いたします。おそらくいろいろな要素が組み合わさり、結果が生れたのだと思います。ダ・ヴィンチはミケランジェロのように生きられなかったのかというのはダ・ヴィンチには気の毒な議論だと思います。ミケランジェロの精神的強靭さは美術史上でも稀有の存在だと思います。
おそらく、どれも一面真理だと思います。ただ私が思うに、ダ・ヴィンチは、ミケランジェロやブラマンクとともに、イタリアルネサンス時代の傑出した人物であり、制約はもちろんあるにしろ、自分の意志で自分の運命を切り開く才能もね人間手としての力もある人物だと思います。その意味では、Moriさんと全く同じではありませんが、一番共感できます。dezireさんの、才能がありすぎたから、絵画に集中することを許されなかった、というのは間違いとは思いませんが、その一面を強調しすぎているように、私には感じられました。
おもしろい問題提起に議論が盛り上がっているので、参加させてください。
ダ・ヴィンチの作品数が少ないことを問題にしておられますが、作品数が少ないことが、本当に重要な問題なのでしょうか。膨大な作品を残している画家はたくさんいますが、とれも類型的で2~3点みれば十分と言う画家がほとんどです。 ダ・ヴィンチは作品数は少なくても、「受胎告知」「岩窟の聖母」「モナリザ」「最後の晩際」など、比類ない作品を残し、ラファエロなど次世代の天才たちに絶大な影響を与えています。それで十分といえるのではないでしょうか。
Takahashiさんの議論が一面的というご意見やNukaya さんの作品が少ないことをそんなに問題視する必要がない、と言うご意見、説得力があり、冷静に考えればそうだと思いました。
私が「レオナルド・ダ・ヴィンチ展—天才の肖像」が、ダ・ヴィンチの建築家、科学者、軍事技術者の優秀さを強調する内容だったこともあり、多少感情的になって書いてしまったと少し反省しました。見識あるご指摘ありがとうございます。
先日は拙ブログにお越し頂きありがとうございました。
ダ・ヴィンチの色々な側面が解る美術展でしたね。
絵画に専念出来たのは晩年の2年間だけだったのですね。
私はあまり絵画に詳しくないので勉強になりました。
音楽にもお詳しいのですね。
実は私もクラシック音楽鑑賞が一番の趣味でして、
高校の頃からもう40年以上コンサートを聞いています。
最近の都響の躍進は素晴らしいもので、
マーラー演奏では世界に誇れるものだと思います。
マーラー演奏に限らず、演奏水準はもうN響すら凌いでいるかもしれません。
いやいや、ダ・ヴィンチから脱線してしまいました。
また、お伺いさせて頂きますね。
これからもよろしくお願い致します。。。
先日はブログにコメントいただきありがとうございました。
遅ればせながら、dezireさんのブログも拝見いたしました。詳細な解説ですごいです。記憶が蘇ってきましたw
この展示は、ダ・ヴィンチを人ではなく時代を切り口にして見せたのが面白かったですよね。
私もいろいろな美術展に行くので、また寄らせてください。
今回のような人間ダ・ヴィンチにスポットライトを当てた展示会はは初めてだったような気がします。
私も行った美術展の感想を全部書ききれませんが、日本にめったに来ないよう作品が見られる美術展については、自分の勉強にもなりますので記事を書いて行きたいと思います。よろしかったらまた観てください。