美術史に新境地を開拓し「琳派芸術の祖」と讃えられる天才画家の魅力
日本美術の中で、西洋の芸術家の高い評価を受け最も影響を与えたのは、浮世絵と琳派で、その要因は西洋美術とは一味違った繊細な美意識と考えられます。琳派は、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一を軸に、主題表現やスタイルを発展的に継承した一連の芸術家たちの一派とされています。宗達は町絵師、光琳は高級呉服商の子息、抱一は大名家出身で血縁や師弟関係と長い年月を超えて、先代の画法に惚れ込んで自らの絵画に取り入れ発展させ、抱一が宗達から光琳までを系譜化し琳派の歴史的な水脈を世に広めました。
Tawaraya Sōtatsupursued the classical Yamato-e genre as Kōetsu, but pioneered a new techniquewith bold outlines and striking color schemes. One of his most famous works arethe folding screens ”Wind and Thunder Gods" at Kennin-ji temple in Kyoto.
昨年東京国立博物館で開催された特別展「栄西と建仁寺」で京都・建仁寺が所蔵する俵屋宗達の最高傑作「風神雷神図屏風」を初めて目にすることができました。大きな金地の空白を介して風神雷神を配した大胆な画面構成力と風神雷神が画面から溢れるような生命力と躍動感とスケールの大きさに圧倒されました。宗達は人物像の記録が殆ど残っていない絵師ですが、この「風神雷神図屏風」を一目見て、尾形光琳が琳派を代表する芸術家だと思い込んでいた先入観が覆され、俵屋宗達という画家をもっと知りたくなりました。
おりしも2015年京都国立博物館で琳派400年特別展が開催され、また、琳派の創始者とされる本阿弥光悦が京都に芸術村を開いて400年になるのを記念して特別展「琳派 京を彩る」が開催さました。また、東京世田谷区の静嘉堂文庫美術館で、俵屋宗達の源氏物語を描いた美術の芸術的最高峰の一つ、『源氏物語関屋澪標図屏風』が一般公開され、俵屋宗達の個性的な傑作を生で鑑賞することができました。
Tawaraya Sōtatsuwas highly influenced by Kyoto’s courtly culture. Sōtatsu met the greatdesigner and calligrapher Hon'ami Koetsu, and painted under-designs in gold andsilver for his writing. Sōtatsu excelled in projects that needed carefulplacing of decorative screens and fans, and took this to its highest level. Hepioneered a new boldness of color and line. He popularized a technique calledtarashikomi, which was carried out by dropping one color onto another while thefirst was still wet.
俵屋宗達(生没年不詳)は、京都の富裕な町衆階層に属して、「俵屋」と号とする絵屋を主催しましたが、資料が極めて少なく作品の全貌も把握し切れていません。宗達について謎が多いのは、自分の絵に署名を残さない当時の風習と宗達自身の考え方にも起因していると思われます。宗達にとって自分の名前などどうでもよく、自分の作品を自由に描き、人に見てもらえばよいと考えていたようです。
本阿弥光悦、俵屋宗達『鶴図下絵和歌巻』
俵屋宗達の下絵に、本阿弥光悦が和歌を書き綴った本阿弥光悦の書蹟の代表作とで、装飾芸術家としての俵屋宗達の神髄を最高度に発揮した作品といえます。モチーフはただ鶴のみ、長大な巻物の冒頭から繰り広げられる鶴の群れは、一様に金と銀の泥で表現され、飛翔し、あるいは羽を休めて寄りつどう鶴の姿態を簡潔な筆使いで捉えています。宗達の下絵に光悦が文字を入れたのではなく、
二人の偉大な芸術家が共同で捜索したという説があるほど、鶴と美しい文字がリズムカルな世界を形成し、シルエットの美しさも比類がありません。下料紙装飾の域を超えて、宗達の個性が発揮されています。琳派の精神と美意識を感動的に表現した美術史上に残る傑作に心が震えました。Tawaraya Sōtatsuwas the anthology with Crane Design. This famous anthology combines some of thefinest calligraphy of Hon'ami Koetsu with the brilliant painting of TawarayaSotatsu The central design motif is of cranes, painted in gold and silver.Alone and in flocks, at rest and in flight, these cranes fill the entire lengthof the scroll. The brush-strokes are simple but the shape of the cranes iselegant. The superb handling of the limited design motif used in this anthologyreveals the cutting-edge originality of Tawaraya Sotatsu.
俵屋宗達の絵画に、モチーフを独自に創造したものより、他の作品からモチーフや造形だけを引用し、独自に画面構成した作品が多く見られます。これは菱川師宣ら浮世絵の創始者たちが、室町自体の集団風俗画の屏風絵などからモチーフを取り出し、美人画という新しい領域を開拓したのに似ています。
俵屋宗達筆・国宝『源氏物語関屋澪標図屏風』
この屏風には、『源氏物語』の二帖より、光源氏と女性との再会の場面が描かれる。「北野天神絵巻」など古絵巻類から多くの図様を踏襲しながら、大胆な画面構成と色遣いによって、新しい源氏絵が作り出されています。京都の名刹、醍醐寺に伝来したのち、明治中頃、岩﨑彌之助(静嘉堂初代)が同寺へ寄進した返礼として贈られた屏風で、源氏物語を描いた美術の芸術的意味での非常な傑作として、世田谷区の静嘉堂文庫美術館に保管されています。
この屏風には、「源氏物語」の二帖より、光源氏と女性との再会の場面が描かれています。古絵巻類の図様を踏襲し平安時代を描いた絵巻などからモチーフを引用して絶妙に配し、空間美を生かした斬新な琳派の絵画空間を創立しています。今年秋静嘉堂文庫美術館で一般公開され、大胆な画面構成と色遣いる琳派流の新しい源氏物語が世界に魅了されました。
俵屋宗達『風神雷神図屏風』
『風神雷神図屏風』は俵屋宗達の名を歴史に刻み込んだ日本美術史上の最高傑作のひとつといえます。この作品の斬新さは、屏風の大画面をたっぷりに使いこなした大胆な画面構成です。風神と雷神を対角線の上側に配し、背景を金色だけの無地一色で中央に安定した三角形の空間広い空間をとり、風神と雷神が浮かび上がってくるに絶妙に配置しています。これによって遠近法を使わずに奥行き感が生まれ、遠近感を感じさせるのです。この迫力あふれる絶妙の構図で、風神と雷神は生き生きとした生命感と躍動感与えています。
もう一つの従来の絵画にはない存在感は、「たらしこみ」という斬新な技法の開発によります。「たらしこみ」は、薄い色の絵の具を塗ってまだ乾かないうちに他の濃い色をたらし,にじみによって独特の色彩効果を表現する技法です。紙に独特の処理をすると墨が浸み込まず綺麗ににじます。風神雷神図屏風では雲の表現などに「たらしこみ」の技法が使われています。濃い墨に薄い墨を誑し込み、墨が水を伝わって広がっていくのを生かして、水の質感や雲の表現に活かしました、俵屋宗達は水墨画の名手で、墨を自由に使いこなし、雲の臨場感、筋肉の躍動感などを見事に表現しました。
雲の見事な表現により、風神と雷神は空に浮かび、白い雷神と追いかける緑色の風神が自由に空を飛びまわっているように見えます。風神と雷神のモチーフは、三十三間堂の風神像と雷神像といわれ、宗達はこの2つの傑作彫刻を空に浮かせて遊ばせたかったのかも知れません。
Fujin Raijin-zu isa masterpiece of two panels drawn in early Edo period, it has been designated aNational Treasure. We it was can be seen in the Kyoto National Museum.
京都国立博物館で琳派400年特別展では、「琳派」を代表する絵師、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の3人が描いた「風神雷神図屏風」3対が一堂に揃って展示されました。宗達の作品を模写したそうですが、3人の画家の気質の微妙な違いが感じられて面白いと思います。光琳、抱一の『風神雷神図屏風』と比べ、宗達だけは風神と雷神が画面から飛び出してきそうな動きと躍動感の迫力があります。宗達のモチーフは画面空間を断ち切る力を感じ、それは西洋のバロック絵画のような動きを狙っているようにも感じます。
それに対して尾形光琳と酒井抱一の「風神雷神図屏風」は平面性と装飾性を感じます。尾形光琳以降 “琳派”は大和絵の要素を取り入れた独自の華やかで装飾感覚に富んだ世界で、美意識の根底には、豊かな自然に恵まれた日本で四季折々の季節の自然の美しさを重視し愛でる感性にあり、草花、動物などの風物を多彩な技法で描き出すことにあるといえます。
宗達は画面から抜け出してくるような動的で動きを狙いっているところがあり、光琳と紺林の静的で繊細な美意識と装飾的美しさが琳派の基本だとすると、宗達が光琳に影響を受けたことは事実としても、宗達と光琳の美意識は本質的に違うところがあるとも感じられます。そのような観点から俵屋宗達は琳派ではないという議論もあるようです。
Korin Ogata whoreceived a strong influence on Tawaraya Sotatsu, we call the "Rimpa"and Hoitsu Sakai who had a strong influence on Ogata Korin. "Rimpa"is a world rich in its own decorative sense that incorporating the elements ofthe Yamato-e. Aesthetics of "Rimpa" is, love the natural beauty ofthe four seasons of the season was blessed with rich natural Japan, painter of"Rimpa" was portrays the scenery of the four seasons in a variety oftechniques.
しかしそもそも、琳派は狩野派や土佐派のような当主や家元のいる御用絵師の流派とは全く性格が異なります。 俵屋宗達に強い影響を受けた尾形光琳、尾形光琳に強い影響をうけた酒井抱一などを「琳派」と呼んでいますが、宗達と光琳、抱一は約100年ずつ活動時期がずれていて、師弟関係はおろか面識もありません。美術史へ変革し当時としては前衛的といえる傑作『風神雷神図屏風』等との作品を体験して、俵屋宗達は「琳派」という枠を超えた美術史に輝く巨星と見るのが妥当のように感じました。
Rimpa is differentand the schools of the family head and Iemoto. Tawaraya Sotatsu is a giant starthat shines in art history that goes beyond the framework of "Rimpa".
参考文献:
泉谷淑夫『琳派をめぐる三つの旅 宗達・光琳・抱一』2006(博雅堂出版)
古田 亮『俵屋宗達 琳派の祖の真実』2010 (平凡社新書)
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工芸は用の美に通じ、そしてそれはインダストリアルデザイン、ひいてはポップアートにつながりそうです。美意識を格式ではなく様式化したところに日本の感性があるのではとふと思いました。。。
おもしろい考え方ですね。そんな観点で考えてみるのもおもしろいかもしれませんね。
琳派400年記念展と静嘉堂文庫美術館の俵屋宗達筆の国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」特別展示をあわせて、俵屋宗達の絵画について自分なりに整理してみようとしてみました。
ローマ在住のmayumiです。
トラックバックの申請にdesireさんのブログがあったので訪問してみました。
美術ブロガーさんだったのですね♪
きちんと記事を書かれていますね。
これからも寄らせていただきます♪
美術に詳しいとは程遠い私ですが
良いものは見たいと言う好奇心で美術館やギャラリーへ行っております。
これからこちらに訪問させていただきいろいろと勉強させていただき
頂きたいと思いますのでよろしくお願いします。
ブログへのコメントありがとうございました。
京都国立博物館では「鶴図下絵和歌巻」を観るのを断念したので、解説してくださっててありがたいです。(人が多すぎて)
昔から「コラボ」というのはあったのですね。現在とは違った美しさを感じます。
宗達が自身の情報を残すよりも作品を残していることは、画家として本当に格好いいと思います。後世の人間には謎として残るので、情報を得るためにさらに多くの人が作品を観ることになる。純粋なのか、計算づくなのか気になるところでもあります^^
コメントありがとうございました。
とても興味深く、読ませていただきました。
私も琳派=尾形光琳ぐらいのイメージだったのですが
俵屋宗達を知り、技術、構図のセンス、全てにおいて
天才だと思いました。
光琳が模写するのもわかる!と、
勝手に素人意見で申しておりました(笑)
今回、展覧会で『風神雷神図屏風』を比べて見ることができて
よかったなぁって思います。
この作品に関しては、宗達が一番です!
抱一は、どうも漫画チックに見えてしかたありませんでした(笑)
色がキレイに残っているのもあるかもしれませんが…(^^)
と、美術知識の乏しい、感覚だけの、感想でした♪
「風神雷神図屏風」 宗達・光琳・酒井抱一の三対同時展示は圧巻でした。
宗達は、絵師の出 素晴らしい作品が現存してみる事が出来ました。
ブログを拝見して 再度勉強させていただきました。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一どの作品も素晴らしかった展覧会でしたね。
美しい展示と大迫力が今も心に残っています。
やっぱり俵屋宗達が素晴らしかったですね。
本物は素晴らしいと改めて思いました。
とっても素敵なブログですね。
大好きな絵画の事もたくさん綴られていて素敵です。
京都でのお食事はただ美味しいだけでなく、その地の歴史や空気が反映されているお店でないと満足いたしません。それに叶うお店が最近少なくなってきているようで。日本食という文化の継承に少し不安もあります。
ミシュランや何も素養のない外国人の評価は気にすることなく京都の味を守っていって頂きたいと思います。あ、美術から逸れたお話でごめんなさい。
「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の画と書が立体感を持っているのを目で観て確かめてみたかったのと、「風神雷神図屏風」の美しさと迫力を体感してみたかったで行ってきました。
その後、養源院へ行って「宗達」ざんまいしてきました。
私のブログは美術ブログではありませんが、自身が美術史を学んだこともあって、時々、美術について書いています。
私も同じく、膨大な写真がたまるいっぽうです。
美術関係の記事を書くのは大変なので、最近は手抜きが多いかな(苦笑)。
ルネッサンスがお好きなら、来年、期待しておいてください。
今、とあるイタリアの美術の本を翻訳中なんです。
来年春には出版されます。
また遊びに来ま~す。
京都での「琳派400年記念展」、残念ながら行けませんでしたが先日、NHKのヒストリアで「緒方光琳」を見て、より都合で行けなかった事を
後悔しております。(汗) それにしても、素晴らしい美術ブログですね。また時々訪ねさせて頂きます。
ブログ拝読いたしました。
わたしも昔は宗達はそれほど思い入れはなかったのですが、宗達の作品を見れば見るほど興味を持つようになり、すごいなと思うようになりました。
静嘉堂文庫も良かったですね。
それではまた。
二人が楽しんでこの巻物の作成に興じていた様子が目に浮かびました。
私淑で継がれた琳派、直接に師弟関係では無かったゆえにそれぞれの個性がはっきり出てて、三者三様で面白いなぁと思います。
画風として好きなのは優美な抱一ですが、宗達のユーモラスな画風も好きです。
宗達の代表作をまとめてくださってとても面白かったです!
記事の中の、本阿弥光悦、俵屋宗達の『鶴図下絵和歌巻』について
>琳派の精神と美意識を感動的に表現した美術史上に残る傑作
との感想には同意です。大混雑の中、小生も繰り返し味わわせていただきました。また、次の感想
>「俵屋宗達は「琳派」という枠を超えた美術史に輝く巨星」
には言い得て妙ですが、ご指摘のとおりか、と。
琳派のわかりにくさは、一般的な師匠弟子関係の脈々たる流れもなく
100年も経ってから突如として継承していくそのスタイルにあるのか、と今回の京都の展覧会でしみじみとわかったつもりですが、こと俵屋宗達からのスタートだというのは、風神雷神図の模写が伝わったことによる「後付での証明」とも言えます(さすがにこれは皮肉がきついかも)。
それ故、スタートとされる俵屋宗達に関しては琳派に完全にくくられるには窮屈だろうな、とは思います。3名の画家による「風神雷神図」もインプレッションの強さは、ブログにも書いたとおりオリジナルの俵屋宗達でした。酒井抱一がオリジナルの俵屋宗達を見ないで模写の模写で終わっているとわかった時、「琳派」としてくくられてはいるが、脈々と師匠弟子関係で伝わってこなかった琳派ならではの「派」らしからぬ宿命を感じ取ったものです。
(ただし、これを否定している訳ではありません。)
迫力がという点ではやっぱり俵屋宗達が一番であると tezukurijamさんも感じられましたか。光琳や抱一は迫力やインパクトの強さより、繊細で装飾的な美しさを目指していると感じました。
私ももルネッサンスが一番好きですが、画家のスケ-ルが大きく、イタリアで見た名画は、やつとピエロ・デラ・フランチェスカだけ書い他とこです。イタリア美術はつい後回しになり、mayumi-romaさんのように、イタリアの膨大な写真はたまるいっぽうです。mayumi-romaさんの来年のイタリアの美術の本を翻訳を楽しみにしております。機会があったらお会いしたいですね。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一は師弟関係になく、時代も離れていて、狩野派や土佐派のような流派とは性質が全く違うようです。「琳派」は、宗尾形光琳が名付けたもので、俵屋宗達を師と仰いていますが、俵屋宗達が生きていたら、琳派の帰属それるのは横ばなかったような気がするほど、2人の美意識の違いを感じました。西洋美術界で一番評価されているのは、当時の西洋絵画にはない繊細さと装飾性豊かな尾形光琳のようです。狩野派や土佐派は当然かもしれませんが、あまり評価されてないようです。俵屋宗達は西洋人には微妙な存在かもしれませんね。
私も以前は光琳が好きだったのですが、この春、根津美術館で「紅白梅図」と「燕子花図」の同時展示を見ましたが、思ったほどには感動しませんでした。
やはり宗達は別格だと思います。
「源氏物語関屋澪標図屏風」はまだ見ていません。機会がありましたら、ぜひ見てみたいです。
また訪問させていただきます。
http://wawawanet.exblog.jp/)です。
私の個人的見方ですが、絵画や音楽、オペラ、場合よつては映画もドラマも、心にインパクトを与えて心に強く訴えてくる作品と、心に安らぎを与える作品があると思います。どちらもレベルが高ければ芸術的にも価値があると思います。乱暴に分けるなら、俵谷宗達は前者、尾形光琳は校舎に近いと感じています。宗達は琳派の技法を開拓しましたが、画風的には琳派ではないねという議論もそんなところから生まれたのかもしれません。
当ブログへの御訪問とコメントに深謝申し上げます。
さて京都に10年ほど住んでいた私は、鷹ヶ峯の光悦寺界隈がお気に入りの場所でしたし、紅白梅図のモデルといわれる下鴨神社は学校の裏でした。そして宗達の風神雷神図見たさに建仁寺にもよく通いました。
そんな断片的なものを全て整理できたのが今回の「琳派展」でありました。
さて、風神雷神図・・・例えば二条城の二の丸御殿の狩野派の絵に比べれば実寸で比べて小さいものです。しかし、しばらく見続けていると空間が無限に広がり、果てしない巨大な作品に感じるのはなんでだろう・・・と思っておりました。
そして貴殿のブログを拝読し、まさか「たらしこみ」なる技法が用いられていたとは、驚きです。
非常に勉強になりました。そして他の画家の記事にも俄然、興味が沸いてきました。また拝読させていただきます。ありがとうございます。
こんばんは!
いつもながら、その丁寧な解説に脱帽です。
desire_san講座を無料で受講させていただいて
得した気分です。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の「風神雷神図屏風」をこうして
並べて見せていただくと、似て非なる芸術作品の深い部分を
感じることができますね。
勉強になる記事を読ませていただきました。
ありがとうございます。
前回尾形光琳、今回俵屋宗達につて整理してみて、私も琳派というものがだいぶ理解でました。ブログを書くときは、画家であればできるだけ代表作を集約して、知識や感じたことを整理して、これを読めばある程度まとまった知識が得られるように努めています。これは自分の理解を深めるためにも有効ですので。 kirafuneさんの写真ブログは素晴らしいものですので、また時々訪問させていただきたいと思います。kirafuneもご興味がありましたらご訪問ください。前回いけませんでしたが、kirafuneさんの写真の個展がありましたら、ぜひ拝見したいと思いますので、ご案内いただければ幸いです。
琳派というくくりの中で、個々の作品を1度に見ることができ、国立博物館では楽しむことができました。そしてここに来てまたいろいろ思い出すことができました。鶴図下絵和歌巻素晴らしかったですね。
山や花のお写真も素敵なので またゆっくりと拝見させていただきます。
今年は琳派誕生400年記念ということで、
MOA美術館で光琳の「紅白梅図屏風」と「燕子花図屏風 」を見たのをきっかけでした。
この二つの屏風が一堂に展示されるのが天皇、皇后両陛下のご成婚 を祝して東京・根津美術館で同時公開されて以来、56年ぶり。
そして今回の琳派展で宗達・光琳・抱一の風神雷神図屏風が一堂に展示されたのが関西では75年ぶりということで、
今年は何か貴重な体験が出来たと思います。
忙しさの中にも、心にゆとりを持って
これからも許される限り琳派の美に触れていきたいと思います。
3枚並びの宗達、光琳、抱一の「風神雷神図」を見ると、その違いが
とてもよくわかります。
八戸にデジタル複製画専門の美術館(それも江戸美術に特化しあもの)が
あって、「鶴下図三十六歌仙和歌巻」を初めから最後まで観たことがあります。ブログにも書きましたのでご興味がありましたらどうぞ。
URLはhttp://pocchi8.exblog.jp/8889952/
じつは私も宗達が一番好きかもしれません。展覧会には出ていなかった象の杉戸絵の、若冲も顔負けのユーモラスさや、たらしこみで描かれた愛らしい小犬の水墨画など、画風の幅が広くて驚かされます。
拙ブログの酒井抱一の連載の冒頭をご覧くださり、ありがとうございました。私も従来の説から学びながら、自分の見方を織り込んでゆくつもりです。思っていたより光琳、宗達に言及することが増えそうです。小説仕立てですのでお好みに合わないかもしれませんが、たまにでも覗いてくださると嬉しいです。
書かれていたのでじっくり読ませていただきました。
琳派の事も良く知りませんでしたが読ませていただいて少しづつ
分かってきました。
京都のお寺が好きで前に何回も通いましたが絵が素敵。。ぐらいしか見ていなかったのですがこれからチャンスがあったら desire_san の
ブログを思い出しながらしっかりと見たいと思います。
光琳の「紅白梅図屏風」と「燕子花図屏風 」は琳派の美意識を象徴する傑作ですね。この二つの屏風が一堂に展示されるのは56年ぶりですか。日本を代表する国宝ですので、東京以外も含めてもっと多くの人の眼に触れる機会を作ってほしいですね。
俵屋宗達と尾形光琳の競作「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」、すばらしいですね。高度のジタル複製画技術を活用したこのような美術館を東京と離れた町につくるという発想は素晴らしいと思いました。
snowdrop-naraさんの酒井抱一の連載も大変読み応えがあり勉強になります。酒井抱一は、送達や光琳にない魅力を感じます。私もの酒井抱一の連載を参考に、酒井抱一の作品を積極的に見ていきたいと思います。
私も京都のお寺が好きで何回も行っていますが、仏像と庭が主体で絵画を見たことはほとんどありませんでした。今後は須古と違った京都の楽しみ方もしたいとおもいます。
ご紹介の『黄金のアデーレ 名画の帰還』は魅力的な作品のようですね。私もぜひ見たいと思いました。
NHK「歴史秘話ヒストリア」で尾形光琳が取り上げられ、京都の呉服店の
どら息子が絵画に目覚めていく過程が描かれていました。
これまで、中学校の美術の時間をはじめ、日曜美術館など「紅梅図屏風」、「燕子花図屏風」などの素晴らしさは、自分では理解していたつもりですが、
光琳が、宗達の「風神、雷神図」を見て、感動し、何度もその絵の前に立ち
模写を試みるのですが、自分の思うように模写出来ず、宗達の偉大さに
気がつくという話は、私にとっても驚きでした。三枚の絵が並べられた様子はテレビで見ましたが、実物をご覧になったdesireさんは、素晴らしい芸術に
出会えて幸運でしたね。
私は、最近、ニュージーランドに旅行して、素晴らしい自然に触れてきました。
そして、この旅を旅行記にするために、ずいぶん時間をかけました。
よろしかったら 「めいすいの海外旅日記」http://www.ne.jp/asahi/mizukawa/tomo/
をご覧になって下さい。
琳派は、ルネサンス同様、ワン&オンリーの美意識と思います。
琳派には繊細で優美な美意識があり、浮世絵には繊細な美意識と市民社会のエネルギーがうまく融合しているからではないかと思います。
むろん私は宗達大先生の風神雷神を見ておらぬ。だが、のちの人の目には、抱一は期せずして宗達へ先祖返りしたと感じるかもしれぬな。いやいや、あの大胆に外した二神の視線、屏風の外へ、外へ広がる無限の金地空間、底抜けの明るさと気宇の大きさ…(ふーもる!)とても及ぶところではない。(…)
「ももさへずり*寧楽編」(八橋ふたつ、二神三つ組*抱一の独白10)より、TB代わりにコメントさせて頂きました。
http://ramages3.exblog.jp/22264037/
私もメトロポリタン美術館所から「八橋図」が根津美術館に来たとき、この「八橋図」と根津美術館の「燕子花図」から尾形光琳の美意識と感性のすばらしさに感激しました。酒井抱一の「八橋図屏風」は見たことがありませんが、酒井抱一の他の作品をいろいろ見た経験から、尾形光琳の「八橋図」とは少し違った印象を持つのではないかと想像しています。3人の「風神雷神」を見たときも感じましたが、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一では、それそれレ完成度は高いですが、微妙に絵の本質が違うような気がします。それが何かを具体的にご説明をできないのが申し訳ありませんが、いつも、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の作品を見るとき感じてしまいます。絵は理屈で見るものでなく、本当は予備知識など全くなくても、素晴らしいものは素晴らしいと感じられるものだと信じています。
私などほんとに琳派といえどもさわり部分でしかわかりませんのでこちらでの説明を大変興味深く読ませていただきました。
先月辻邦生の嵯峨野明月記を読み終えて、こうして琳派の美に触れられた機会を持てたこと 嬉しく思いました。