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全米有数の印象派、ポスト印象派・ドイツ絵画の奇跡のコレクション

デトロイト美術館展

Detroit Institute of Arts

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 デトロイト美術館は、1885年に創立して以来、自動車業界の有力者らの資金援助を通じて、ゴッホやマティスの作品を初めて購入したアメリカの公共美術館で、古代エジプト美術から現代美術まで65千点以上の作品を所蔵する全米でも上位6館に入る世界屈指のコレクションを誇る美術館でした。特別設計されたボザール・ルネサンス様式の施設は、デトロイトで最も瀟洒な建物のひとつです。美術館の中心には、メキシコの画家ディエゴ・リベラの自動車産業を始め、デトロイトの代表的な産業の労働風景を四方の壁に描いた傑作フレスコ画『デトロイトの産業』で装飾されているそうです。今回美術館のコレクションの中核を成である印象派、ポスト印象派、20世紀のフランス、ドイツの数々の傑作52点が、上野の森美術館に展示されました。その中から代表的な作品について鑑賞レポートを書いてみました。






a0113718_17212065.jpgクールベ『川辺でまどろむ浴女』

 クールベは、キリスト教や古代神話の聖女ではなく、生身の現実に生きる女性を写実的に描きました。泉に足を浸して寝ているような安らかな顔にふくよかで健康的な肉体は、ルノワールのようなひとつの美意識でまとめられた裸体画と比べるとリアルでで、女性の魅力とエロスを放っているようです。




モネ『グラジオラス』

a0113718_17165725.jpg 色彩をパレットの上ではなく資格の中で混合する表現方法で、太陽の光が揺れ動くような光の表現を生み出しました。







ピサロ『小道』

 点描のような作品で、モネの作品のように光が揺れ動くような効果を生んでいます。



ルノワール『明るい肘掛け椅子の女』

 明るい色彩のた印象派らしい肖像画ですが、細部の正確さや緻密な描写により、デッサンのようにモデルを捉え素早いタッチで表現しています。



ルノワール『座る浴女』

a0113718_17174609.jpg ルノワールが南仏に移住した後に描かれた、ルノワール晩年の方向性を明確に示しています、腰より下の下半身が豊満でふくよかに描かれ、ルノワールの理想の裸婦像を追求した作品の一つといえます。温かな色彩と軽やかなタッチは肉体の存在感を見事に表現し、奥に帽子を描くことにより、同時代に生きる女性であることを感じさせます。クールベの裸婦と比べると、ビーナスのような印象を受けました、



ドガ『ヴァイオリニストと若い女性』

 楽器と冊子をしっかりとした輪郭で示し、それ以外は最小限の描写にとどめ、一瞬の表情を切り取ったスナップショットな表現に成功しています。精密に表現している顔と衣服の一部と省略して表現した部分とのコントラストが絶妙なバランスで美しい作品です。



ドガ『楽屋の踊り子たち』


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 踊り子の着替えの様子を描いています。右に置かれた大きなコントラバスと踊り子たちの動きがジクザグをなし、大胆な構図と相まって、画面に躍動感を与えています、踊り子は大事な楽器のはずのコントラバスに無造作に足をかけて靴を脱いでいます。生活のために踊っている踊り子の生活感を鋭い観察力で描いているといえます。 



ドガ『女性の肖像』

 パリ・オペラ座のマドマゼル・マロがモデルと言われています。物思いにふける姿を抒情的に描いていますが、メリハリのあるタッチはドガの持ち味で、美しい作品に仕上がっています。



ゴッホ『オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて』

a0113718_17240443.jpg ゴーギャンと別れて静養中の郊外で描いた作品です。左から手前にかけて色鮮やかなボートが並び、奥にも白い帆、白服の男性と青服の女性、ボートに不悪白服の女性が描かれています。岸辺の葉は刺刺しく、力強いタッチで描かれています。全面全体が寒色系で、ヒステリックと感じるような強い筆圧で塗られたキャンバスからは狂気が臭ってきます。観る人に不安をあおるような、おもいつめたごゴッホの心を描いたような心象風景です、刺刺しいタッチは狂気を感じ、ゴッホの不安定な心が伝わってきます。ゴッホには豊かな才能で計算しつくされた見事な画面をいた作品と、狂気を感じ、狂気が描かせ他のではないかと思わせる作品の両方又は入り混じった作品があるように、この絵を見ると感じます。この作品を描いて数週間後、ゴッホはこの世を去りました。




a0113718_17254832.jpgセザンヌ『サント=ヴィクトワール山』

木々と空の風景の境目がわからないくらい溶け込んでいます。画面を色面で構成し、独特の幾何学的でリズムカルなタッチはセザンヌの特色です。セザンヌの作品としてはメリハリに乏しく、平凡な作品に思いました。





セザンヌ『水浴する人々』

草木が均質なタッチで描き込まれ、背景とモチーフが同党の存在感で観る人に迫ってきます。



ゴーギャンの絵画は、ボナールの乾いた筆使いや、モーリス。ドニのような平面性の装飾聖のある絵画に発展しました、


a0113718_17265281.jpgドニ『トゥールーズ速報』」

 優美な装飾性と平面性に目を奪われます。新聞「トゥールーズ速報」の広告の絵画版として描かれたため、図案的な美しさが印象的な絵画です。足が浮いて、軽やかに飛んでいきそうな女性の優雅さが魅力的です。.




カンディンスキー『白いフォルムのある習作』

a0113718_17273708.jpg 完全な抽象画へ移行する直前のカンディンスキーの絵画です。かろうじて何か具象物を描いていますが、色彩の鮮やかさとにぎやかさ、躍動感はカンディンスキーの個性が洗われています。




a0113718_17281020.jpgキルヒナー『月下の冬景色』」

 ドイツの表現主義は、ゴッホの影響受けています。キルヒナーの心情をキャンバスに叩きつけたかのような、圧倒的な原色で覆われた絵画です、ピンク色に光る木々と絵の具をチューブから出して塗りたくったような水色で覆われた険しい雪山、オレンジ色の空は、非現実的なある種の夢の世界のです。



ノルデ『ひまわり』

a0113718_17442764.jpg ゴッホのひまわりがオマージュとなっています。日暮れの残光で枯れようとしながらたくさんの葉をつけて、次代の生命を繋ごうとするつかの間の光景を描いています。深刻な病に侵されていたノルデの心象風景を映した作品と言えます、鮮烈な原色のギラギラした凄い色彩感覚は鮮烈な色彩感もゴッホの影響ですが、強い色彩は遠ざかってみると調和がとれています。



オスカー・ココシュカ 『エルベ川、ドレスデン近郊』」 

a0113718_17450184.jpg ココシュカはエゴン・シーレと並び称されオーストリアの世紀末画家の代表のひとりで、シーレが神経症的な線描によって、人の内的不安を描こうとした野に対して、コシュカは大胆な線描と、圧迫するほどの色合いで、その内面を描きだそうとしました。シーレが内向的な狂気とするなら、ココシュカは外向的な狂気でしょう。



モディリアーニ『女の肖像』

a0113718_17461958.jpg モディリアーニが一緒に暮らしていたジャンヌの肖像です。首をわずかに傾けても憂いを感じさせます、ジャンヌを描いた他の肖像画も同じような雰囲気があります。音声ガイドでは、モディリアーニは「最小限のディテールで、最大限の人物表現した20世紀最大の肖像画家」と説明していたようですが、20世紀最大の肖像画家は言い過ぎではないかと思います。モディリアーニは独特の哀愁と人物の捉え方に特色がありますが、絵のうまさという点では、モディリアーニより技量の高い画家はたくさん、筆のタッチを見るとあまり器用な画家ではないのではと思っています、ただ、絵のうまさだけが画家のすべてではないので、20世紀を代表する画家というなら、全く論ありません。



モディリアーニ『男の肖像』

 モディリアーニはアフリカの彫刻に興味を持ち、一時彫刻も制作していました。仮面のように見える丘の表現で、プリミティブな力強さと知性と脆さを秘めた複雑な人格を表現しています。



マティス『コーヒータイム』

 マティスは、モロッコ旅行でオリエンタルな風俗をモチーフとした作品が生まれました、エチドチックな二人の女性の衣装とコーヒーセットが呼応しています。



a0113718_17471350.jpgマティス『窓』

 マティスがキュビスムに最も作風を近づいた1916年の作品です。あらゆる空間に自然に溶け込んでいそうな平和で美しいな雰囲気は安らぎを感じさせます。しっくり落ち着いた画面構成と白と緑を基調として赤をアクセントに加えた絶妙な色彩感覚は見事です。




ピカソ『読書する女性』

a0113718_17475520.jpg この作品のモデルは写真家のドラ・マールで、ドイツ空軍によって無差別爆撃された都市ゲルニカの悲惨な光景を描いた大作「ゲルニカ」をピカソの制作をピカソのそばでつぶさに撮影した女性なのです。ドラ・マールはピカソの恋人でもありました。この作品では、時空がゆがんだようにデフォルメを加えることで、画家がドラ・マールに注ぐ親密な視線や眼差しと距離の近さを感じさせる作品です。






参考文献:デトロイト美術館展・公式ガイドブック







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by desire_san | 2017-01-13 18:02 | 美術展 & アート | Trackback(4)
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