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芸術と自然の美を巡る旅  

機能主義的建築の父・オットー・ワーグナーの建造物を巡る

ウィーン   Ⅱ

Vienna


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 ウィーンの歴史的中心部には、リング通りに沿ってオーストリアで最も美しく重要な歴史的建造物が並んでいます。歴史的様々な建築様式が見られるとともにファザードの背後には様々な都市の歴史の変化が秘められています。バロック様式の城や庭園、壮大な建物、モニュメント、公園が並んでいます。ウィーンではヨーロッパ史における全ての建築スタイルを見ることができます。ゴシックのシュテファン寺院やバロックのシェーンブルン宮殿には、全世界から多くの旅行者が訪れます。





Apartfrom being regarded as the City of Music[15] because of its musical legacy,Vienna is also said to be "The City of Dreams" because it was home tothe world's first psycho-analyst – Sigmund Freud.[16] The city's roots lie inearly Celtic and Roman settlements that transformed into a Medieval and Baroquecity, and then the capital of the Austro-Hungarian Empire. The historic centre of Vienna is rich inarchitectural ensembles, including Baroque castles and gardens, and thelate-19th-century Ringstraße lined with grand buildings, monuments and parks. Vienna isknown for its high quality of life. In a 2005 study of 127 world cities, theEconomist Intelligence Unit ranked the city first for the world's most liveable cities.





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 ウィーンの建築名所は王朝時代の歴史的建築ばかりではありません。オットー・ワーグナーが制作した歴史的なシュタットバーン・アーチ、建築のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞したハンス・ホライン、シュテファン寺院の向かい側で、ゴシック寺院を壁面ガラスに映し出しているのは、建築界最高の栄誉であるプリツカー賞を受賞したハンス・ホライン設計のハース・ハウスなど、近代、現代建築でも見どころ限りなくあり、豊かな建築のアンサンブルを楽しむことができました。その中で、新しい造形をめざしたウィーン分離派の中心人物の1であり、機能性・合理性を重視した機能主義的建築の父・オットー・ワーグナーのウィーンで見られる建造物のいくつかを紹介します。


カールスプラッツ駅

 1899年に、ウィーン環状鉄道の駅舎、「カールスプラッツ駅」が完成ししました。アール・ヌーヴォー様式の建物であるが、彼は1984年に「新しい建築は、平板状の平坦面を材料の素地のままでの使用によって支配されるであろう」と予想して、その外壁に薄い大理石を使用して、それを見えるようにむき出しにしたアングル金物で取り付けていて、予想を実現した。この駅舎は、1981年に、地下鉄路線の開通のために、記念館と記念館の向い側にあるカフェとして使用しています。




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シュタインホーフ教会

 上の文字をクリックすると、写真と解説に゜りんくします。


 しかし、オットー・ワーグナーがその後『近代建築』(1895)で「芸術を支配するものは必要のみ」という理論で主張する様式合理化の思想に傾倒し始め。過渡期の作品を経て、ウィーン郵便貯金局で近代建築の純粋な空間表現の近代的なスタイル到達しました。


郵便貯金局

 「機能主義的建築の父」と呼ばれるワーグナーの代表作です。郵便貯金局ホーを外装から見ると、貯金局の外壁は大理石の板で隙間なく覆われ、細かいアルミの鋲が装飾を兼ねて大理石の板をその下の鉄筋コンクリートに留めています。さらに屋根には二体の巨大なアルミニウムの天使像が立ち、下界を見下ろしています。




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 正面玄関に足を踏み入れ階段を上がると、郵便貯金局の心臓部とも言うべき郵便窓口ホールを見ることができます。半透明のガラスがアーチに沿ってはめられた二重のガラス屋根。自然光が屋根を通して内部空間に取り入れられ、ガラスブロックの床により明るく透明度の高い内部空間は、白を基調にし、天井と床はガラスで、明るく光にあふれています。天井はアーチを描き、その天井を教会建築のような列柱が支えていて、息を飲む美しさを実現しています。




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 建築家ヴァーグナーの基本理念である実用性と芸術性、古典と現代が混在し、それでいて一体感のある不思議な空間が作り出されています。ヴァーグナーは郵便貯金局の内部装飾も担当し、机、椅子等の細部に至るまで自ら設計したため、ホール以外にも螺旋階段や会議室といった小さな空間に至るまで雰囲気が統一され、独特の実用的な美しさが保たれています。





参考文献

川向 正人 (), 『オットー・ワーグナー建築作品集』2015







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by desire_san | 2017-10-03 08:10 | オーストリア | Comments(0)

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