韓国女性にとって美しさとは

韓国では美人が多いと言われる。その理由は、作者によると韓国の女性は、凄まじい美人への執着があるためだと言う、韓国の女性にとって美容は決死の覚悟なのだそうである。 どんなにおいしくても、たとえ健康に良くても美容に悪いものは決して口にしない。太ることを気にしながら、冷蔵庫のアイスクリームに手を出してしまい、後になって愚痴を言って家族に迷惑やストレスをかけている私などとは、始めから心構えが違うのだろう。
日本の女性は、周りの人とのバランスを大切にし、パランスを崩してまで自分を目立たせようとしない傾向にある。それに対して、韓国の女性は自分の優位さをより強調して他人との差別化をはっきり示そうとする。何がなんでも目立とうとすると作者は指摘する。
美に対する感覚も日本人の女性と韓国女性は大きな違いがあると指摘する。日本女性は品の良い淡い中間色を好むのに対し、韓国女性は派手な原色を好む。原色系の明るい服地に大胆なデザインの韓国女性に日本女性は色を失う、と作者は言う。
しかも、韓国女性が求める美の方向性は「セクシーであること」だと言う。それは韓国の男性が肉体的な性の関心として女性を見ることで、「直接的にセクシーであること」を大きな喜びとする韓国男性の目であるからだと言う。
韓国の化粧では何よりも目を強調し、アイシャドーを濃くひくことはもちろん、彫りの他さ深さを強調し、二重まぶたを作るためリスクのある整形手術をすることも厭わない。そして、そのようにして美しさを強調された目で、相手の男性の目を見つめて、「自分がセクシーな女であること」を主張するのだろう。
美人を目指す女は、政治と文化の中心であり韓国民の憧れの都であるソウルに集まってくる。ソウルに集まった自称美人の女たちは、そこで激しく競い合い闘う。彼女らにとって最も大切なことは他者との関係で「どちらが上でどちらが下か」ということであると韓国に育った作者は言う。
韓国で女性に「美しさ」として魅力があるのは20代からせいぜい30代始めまでである。韓国の男たちは日本と違って年齢が40歳に近づこうとする女性を決して美しいとは言わない。韓国の男たちの浮気が始まるのは、妻の肉体的美しさの衰えからであることが圧倒的に多い。
従って韓国の女性たちが執念を燃やす美人たることとは、若々しい肉体を保持しセクシーであることとであり、その執念はあくまで結婚までに限られる。韓国の女性の美しくあるための磨きは、結婚とともに終了する。韓国の女性の美への執念は、男の欲望に答えて裕福な男と結婚するため、「玉の輿」に乗り貴婦人と呼ばれる女になるためのものであると作者は指摘する。
韓国の女性が、男の欲望に答えて凄まじい美人への執着を燃やしている理由として、作者は韓国の父権的な文化の強固な伝統によると指摘している。それも事実かも知れないが、日本にもかつて父権的な強固な伝統はあった。原因はそれだけではないように思う。
作者は「韓国の社会」の項で、韓国人の多くが、誰が誰より権力、知識、財産、金遣いの点で上なのか下なのかを最大の関心事としており、見栄っ張りで自己顕示浴が強い。それは、韓国人の意識の底流に上級志向が流れているからであると指摘している。
これに加えてグローバル化する経済の下で社会の競争が激化し、所得格差、生活格差が拡大し、勝ち組に成らなければ豊かな生活が出来ないという社会の仕組みが競争をあおり、美人への執着の凄まじさもそのひとつの現れではないかと思う。作者が指摘子する様に、日本の女性が周りの人とのバランスを大切にし、パランスを崩してまで自分を目立たせようとしない傾向があるすれば、それは競争社会と言ってもまだ日本人に心の余裕があるためで、韓国の競争社会の厳しさは日本とは比較にならないものかも知れない。韓国社会で生きていくためには相当の覚悟が必要かもしれない。そこでは「凄まじい美人への執着」に象徴される「生きていくための執念」も必要かも知れない。辛いこと、嫌いなことを「辛い」、「嫌いだ」と言っていられないだろう。ちょっと苦しいと愚痴ばかりこぼしている私がこのままで韓国で生きていけるだろうか、とさえ思った。
韓国ではは1997年に経済危機に陥った後、大幅な構造改革を行ない、経済の体質が強化され、競争原理に基づく非常に効率的な社会になっていると言われている。 日本でも首相が「改革」を強く叫んでおり、近い将来日本も韓国並み、あるいはそれ以上の厳しい社会になる可能性が高い。その時日本の女性たちは、ここに描かれた韓国女性の様に、「裕福な男の欲望に媚びを売って貴婦人となるための結婚を目指すか」、「社会の厳しさに負けてしまわない覚悟を持って自立していく努力していくか」の選択を迫られるかもしれない。そのときの選択の基準は「どちらが上でどちらが下か」ではなく、「どちらが幸せか」だと思う。
本の内容以上に、desireさんがこのような本も読まれることが一番不思議に思いました。(笑)

