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芸術と自然の美を巡る旅  

ローマの神殿の柱を彩る5世紀からルネッサンスまで豪華絢爛なモザイク美術の世界

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂

The Basilica of Santa Maria Maggior

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テルミエ駅のから左側のカヴール通りを500mほど歩くと、階段を上がった高台にサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂が堂々と立っています。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、ローマの聖母マリアに捧げられた教会の中で最大のものと考えられている古代のカトリック大聖堂で、ローマ市内の4つの大聖堂の1つです。4世紀に建設されて以来何度も改築され各時代の芸術手法を見ることができます。





TheBasilica ofSanta Maria Maggiore, is a Papal major basilica and the largestCatholic Marian church in Rome, Italy.The basilica enshrines the veneratedimage of Salus Populi Romani, depicting the Blessed Virgin Mary as the help andprotectress of the Roman people.






女神シベレに捧げられた異教の寺院に建てられたサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、4世紀半ばにリベリア教皇の命令で建てられました。教皇リベリウスの夢の中で聖母から、夏の半ばに雪の降った場所に教会を建てたいお告げがあり、翌日、エスクイリーノの丘は雪に覆われたという伝説から、ローマのエスクイリーノの丘に、神の母聖マリアをたたえて「サンタ・マリア・マッジョーレ」と呼ばれる母聖マリアに捧げられた西方で最古の教会となりました。




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原始的な大聖堂は、初期キリスト教の建築様式からバロックまで、様々な建築様式がみられます。建物全体は18世紀に修復されたため、ファサードとインテリアの多くはその時代のものですが、教会にはロマネスク様式の鐘楼、中世のモザイクと大理石の床、内部は古代ローマの神殿から運ばれたイオニアの36本の柱があり、天井に輝く素晴らしい5世紀のモザイクが残り、後陣の天井の「マリアの戴冠」は13世紀、装飾はルネサンス時代から保存されています。2つのドームと2つのファサードと礼拝堂はバロック時代のものです。正面のファサードは、祭壇の天蓋のようなフェルディナンド・フーガの作品です。大きなチャペルも非常に興味深いものです。様々な時代の歴史に属する残骸で構成されているかのように見えるこの教会は、ローマのキリスト教芸術の最も重要な要素が集約されています。バジリカ様式の壮大な内部は豪華絢爛で、金色に輝く格子天井、柱は古代ローマの神殿から運ばれ、柱の上の壁に旧約聖書の36場面が描かれたモザイクは5世紀の作品です。



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初期キリスト教の教会は教皇シクストゥス3世(432-440)によって建てられ、身廊と後陣のモザイク装飾もこの時代のものです。初期キリスト教のアプスモザイクは失われましたが、教皇ニコラス4世は元のテーマを完全に変更せずに改修を依頼しました。



サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂で見つかった最も古いモザイクは、キリスト教後期の聖母マリアの最も古い表現で、凱旋門と身廊のモザイクは、聖母マリアのその後の表現のモデルとなりました。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の凱旋門と身廊のモザイクは、ヘブライ語聖書がキリスト教を予示するものとして、ヘブライ語聖書とキリスト教聖典、二重の画像で説明されている旧約聖書と新約聖書の関係を体系的かつ包括的に表現する意味がありました。旧約聖書の歴史の物語を表し、ローマのキリスト教徒に「新しい過去」を提供した身廊モザイクは、カラフルで印象派的で幻想的であり、場面は動き、感情で満たされ、ローマのキリスト教徒「新しい過去」について考えるように促しました。モーゼは英雄的に紅海の水をたたきます。




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Anave mosaic from the story of Moses.The nave of the basilica was covered inmosaics representing Old Testament events of Moses leading the Jews out ofEgypt across the Red Sea. "The nave mosaics are illusionistic in acolorful and impressionist manner"as this scholar puts it the scene wasfilled with movement, emotion, and it was to inspire thinking of Rome's"new" past; the past of the Old Testament. Moses strikes the watersof the Red Sea in a heroic gesture, his toga in light and dark grays and blues,but lined in black, the folds white lines, the tunic underneath light blue; theman next to him wears a deep blue toga over a gray and white tunic.





新しい後陣モザイクは、ヤコポ・トリッティに委任されました。モザイクの主な主題は聖母のマリアの汚れなき御心により聖母マリアが被昇天の恵みを受けた聖母の戴冠式と、聖母マリアの生活から受胎告知、キリスト降誕、王の礼拝、マリアの神殿奉献、及び生神女就寝の5つの場面があります。



ヤコポ・トリッティ、フィリッポ・ルスティとピエトロ・カヴァリーニと共に、ローマの13世紀のビザンチン時代の絵画の代表的な画家でした。ヤコポ・トリッティはおそらくシエナ周辺で生まれたフランシスコ会修道士であり、アッシジでフィリッポ・ルスティと協力して、聖フランシスコの上部大聖堂の身廊を飾るために、1295年頃、教皇ニコラス4世のためにリベリア大聖堂のモザイクも作成しました。ヤコポ・トリッティは、13世紀イタリア・ルネッサンスの巨匠チマブエと共にアシジで作業したことがあり、チマブエの影響を受けていると言われることから、このモザイクはルネッサンスの香りを漂わせているのです。この偉大な芸術家の代表的な傑作の1つがローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の後陣のモザイクです。もう1つの傑作は、同じくローマのサンジョバンニの後陣のモザイク画で、幸いにこの傑作も見ることができました。




ヤコポ・トリッティのモザイク画の連作は、「聖母の戴冠」と聖母マリアの生涯から「受胎告知」、「イエスの降誕」、「聖母の生神女の祈り」、「聖母の崇拝」「マギの礼拝」、「神殿への幼子イエスの奉献」などイエスの幼年時代の出来事と、聖母マリアが母としてイエスにどのように関わってきたかが描かれていました。





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「聖母の戴冠」は天において御子イエスによって冠を戴く聖母マリアが描かれています。これは古代キリスト教にはない主題ですが、西欧中世において好んで描かれ、この聖母戴冠のモザイクは実に優雅です。天上で御子イエスと聖母マリアが豪華な王座に座り、イエスが右手でその母に冠を載せている場面は、背景の濃紺の空には星が散りばめられており、太陽と月は王座の下に置かれています。座の左右に沢山の天使が小さく描かれ、王座の二人に注目し、手を会わせていて王座をいっそう高く浮き立たせています。これは、フィレンツェのウフィツィ博物館のチマブエの「天上の聖母子」と同じ手法です。丸い枠の外には左に、聖ペトロ、聖パウロ、アシジの聖フランシスコが、右に洗礼者聖ヨハネ、福音記者聖ヨハネ、パドヴァの聖アントニオが描かれています。聖ペトロの足下に小さく描かれているのはモザイクの作成を命じたニコラウス3世で、教皇はフランシスコ会士だったため、このモザイクにアシジのフランシスコとパドヴァの聖アントニオも入るようにしたと考えられます。洗礼者聖ヨハネの足下に小さく描かれているのはジャコモ・コロンナ枢機卿で、これは資金提供者です。下辺にヨルダン川が描かれ、その水は中央から左右に流れでており、その両端からアカンサスの木が生え出て成長し、その緑の枝が巻き蔓となってモザイク全体に広がっています。その枝の先には色とりどりの花が咲き、その間には大小の鳥が飛びかっています。背面は金色でこれは神の世界を象徴しています。



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最上段の左に「受胎告知」は、閉じられた扉家の前に立つ聖母マリアに天使たちが語りかけ、その上で聖霊を象徴する鳩、扉が開かれた家の前に立つヨセフに天使たちが語りかけています。右に「神殿への幼子イエスの奉献」では、天使とヨセフに導かれ聖母マリアは幼子イエスを抱いて神殿を訪れ、預言者アンナと老シメオンがその背後のユダヤ人と共にそれを迎えています。右端には、眠っているヨセフに語りかける天使が見えます。中段の左に御公現、右に「エジプトへの逃亡」が描かれています。「マギの礼拝」では、幼子イエスは聖母マリアと天使たちに守られ、東方の三博士の参拝を受けています。三博士を導いた星が幼子イエスの上に輝いています。古代キリスト教や東方キリスト教では、「マギの礼拝」がイエス誕生の祝いでした。 「エジプトへの逃亡」は、両親と天使たちに守られて幼子イエスがエジプトに到着した場面を描いています。王アフロディジウスは神殿の古い偶像が壊れたとの知らせを受け、真の神のもとに駆けつけ改宗したということです。



聖母マリアの戴冠の下、窓の間の壁にあるのは「マリアの眠り」は、聖母マリアのご逝去描かれました。聖母マリアが使徒たちに囲まれて亡くなる場面です。その霊魂は幼子として表現され、イエスによって受けとめられています。イエスと共に天使たちと先祖のダビデ王、聖女アグネス、チェチリア、ルチア、カタリナもその霊魂を迎えています。その背後に左にシオンの山、右にオリ-ブの山が見えます。



下段の左にヘロデ大王が王位を脅かすものを排除しようとしてベツレヘムの2歳以下の幼子たちすべてを殺す命令を出し、その母親たちが恐れ慄いている「罪なき幼子たちの殺害」、右にはヘロデ大王が新しい王の誕生を知って訪れた東方の三博士に詳しくその事情を聞きいている「ヘロデ大王を訪れた三博士」。その右にイエスが誕生した町ベツレヘム、下の左にイエスが十字架に架けられて死んだ町、エルサレムの町が描かれています。その両方の町の門に十字架が見え、外に集まる羊は、神の国の到来を待ち望む諸民族を示しているということです。



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中世の時代に極めて優れた技巧で福音書に福音書に忠実に純粋に生き生きと、尊敬と愛を込めて聖母マリアと御子イエスが美しいモザイク画に表現されているのは凄いと感じました。この凱旋アーチの下には、4本の深紅の木製の柱に支えられた天蓋があり、その下に中央祭壇があり、その下に光り輝く金銀細工で飾られた中に幼子イエスの使っていた木製の「ゆりかご」と聖遺物が納められています。天蓋の側廊と後陣は5世紀や13世紀のモザイクで飾られていました。凱旋アーチの他に、左右20本の石柱の上、窓の下の側壁に同時代のモザイクがあり、旧約聖書に従って左側には創世記のアブラハム、イサク、ヤコブ、右側には出エジプト記のモーセとヨシュアの物語が合計27描かれていました。その多くが作成されたときの状態で残っているそうです。聖書の物語を描いたモザイクにより聖書の物語が読まれ信徒に説明されていたのでしたのでしょうか。







参考文献:

芸術新潮 2007 08月号「ローマ」

FulvioRicci ”Chiesa di Santa Maria Maggiore, Tuscania” 1996

RenatoRusso ” Santa Maria Maggiore. La Cattedrale di Barletta 2001

BasilicaPapale - Santa Maria Maggiore - Interno – Vatican

Basilicadi Santa Maria Maggiore - Home - Fondazione MIA

和田 幹男「聖母マリアとローマ」

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by desire_san | 2020-03-18 15:18 | ローマ美術の旅 | Comments(2)
Commented by Frank_Joean at 2020-03-18 23:16
こんにちは。
ローマに5年いましたので、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は大好きな教会で何度も足をし運びました。ローマにはビザンチン様式のモザイクを視られる場所がいろいろ残っていますね、
5年前、クリスチャンの友達と旅をしていて、ミサに与りたいというので、サンタ・マリア・マッジョーレで日曜朝のラテン語ミサを体験しました。
Commented by Yumi_Yamawaki at 2020-05-29 15:47
こんにちは。イタリアの旅行記をいつも楽しみに拝見しています。
2015年12月8日から2016年11月20日までフランチェスコ教皇による「慈悲の聖年(Anno Santo della Misericordia)」となり、聖年には信者が特別の赦しを与えられるとし、この期間中には、救済のための特別な扉である、聖なる扉(Porta Santa)が開きます。聖なる扉は、ローマの4大聖堂である、サン・ピエトロSan Pietro、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノSan Giovanni in Laterano、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラSan Paolo fuori le Mura、サンタ・マリア・マッジョーレSanta Maria Maggiore聖堂にあり、通常は聖堂内側が塗り固められます。2015年の聖年は12月8日のサン・ピエトロ大聖堂の聖なる扉の開通の厳かなる儀式に始まりました。ローマの4大聖堂の他にも聖なる扉はあります。約1年間の期間限定の宗教行事である聖年、ローマやその他の町の教会巡りをして通常は閉まっている扉から入ることができたの信者でない私にも貴重な体験でした。