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芸術と自然の美を巡る旅  

東京音楽コンクール優勝者コンサート・バルトーク ヴァイオリン協奏曲

サン・サーンスとバルトークの協奏曲

Saint-Saens's Piano Concer andBartok's Violin Concerto



東京音楽コンクール優勝者コンサート・バルトーク ヴァイオリン協奏曲_a0113718_14495933.jpg


 打ち合わせの会合の帰りに、東京文化会館に立ち寄ったら、第8回東京音楽コンクール優勝者コンサートが行われており、演奏される演目が、サン・サーンスのピアノ協奏曲第5番とバルトークのヴァイオリン協奏曲 第2番という珍しい組み合わせだったので、聴いてきました。




サン・サーンス ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」

 第1楽章ピアノのロマンチックで哀愁的なな音楽で始まります。そのあと少し幻想的になり、人生の不安や悩みが表現されているように感じます、そのあとと技法を見出して頑張ろうという気持ちを荒らして様な音楽表現になります。音楽に変わり、次第にロマンチックなメロディを織り交まぜながら、思索に物思いにふけっている様な静かな音楽でおわります。


 第2楽章は、いきなりドラテティックなスペイン風の情熱的な音楽で始まり、ロマンチックな音楽になります。その後エチドツックな楽しいメロディと思索的なメロディが交互します。このあたりの繊細な美しさは「ナイル河畔の夜をイメージさせ「エジプト風」と名づけたとも言われています。


 第3楽章は、一転して躍動感ある音楽になり、情熱的に高揚したいって,全曲を明るく結んでいます。聴いていて元気付けられる音楽でした。


ピアノを演奏した安部まりあさんの演奏は、前半はほとんどオーケストラにリードされて、オーケストラの一員として弾いている感じで、表現力も弱かったですが、第3楽章になってエンジンがかかってきたのか、ピアノのソロの自己表現が出始め、最後はぐんと盛り上がって終了しました。

 



バルトーク ヴァイオリン協奏曲 第2番
 バルトークは、ハンガリー王国に生まれ、パリのルビンシュタイン音楽コンクールにピアノ部門と作曲部門で出場、作曲部門では入賞せず奨励賞の第2席、ピアノ部門ではヴィルヘルム・バックハウスに次いで2位の実力でした。美の理想はベートーヴェンだった」と回想しているようにドイツ・オーストリア音楽の強い影響から出発ましたが、コダーイなどの研究者達と共にハンガリー各地の農民音楽、ハンガリー王国内の少数民族の民謡をはじめとした東ヨーロッパの民俗音楽の収集とそれらについての科学的分析から、チェコのヤナーチェクと同様に民俗音楽の側面と、同時期の音楽の影響を受けた側面のバランスの中で作品を生み出し独自の音楽の道を歩みました。民俗音楽の旋律やリズムだけではなく構造面も分析したうえで、ソナタ形式など西洋の音楽技法の発展系を同時に取り入れて過去の音楽に目を向けて新しい音楽を生み出そうとしました。




 ヴァイオリン協奏曲第2番は、長い間彼の唯一のヴァイオリン協奏曲だと思われてきた名曲です。ヴェルブンコシュというハンガリーの民族舞曲が基になって、民族色もあり、調性感が強かったり弱かったり、かなり忙しく色が変わる変化にとんだ音楽と言えます。明らかな盛り上がりどころには黄金比率が巧みに用いられています。一見理解しがたい不可解な旋律や和声やリズムが満ち満ちているところはバルトークの魅力です。



バルトークの第2協奏曲は、バルトークの中でも比較的人気のある曲で、たくさんの録音があり、民族風を生かした土着な・粗野な雰囲気を強く表現するもの、歌を美しく表現するもの、鋭さや緊張感をフルに活かしたものなど、その方向性は様々でが、先鋭的な演奏をするのが演奏効果としては最も良いようなに感じます。


この曲の作曲された時代とバルトークの作風の変化は変化が見られます。

初期はブラームスやR・シュトラウスの影響が強く、後期ロマン派的な作風でした。ハンガリーへの意識は多少あったが、それが強くなったのは、コダーイとともにハンガリーの民族音楽を研究しだしてからで、民謡のイディオム抽出や、ドビュッシー、ストラヴィンスキー、新ウィーン楽派らの影響も受け始めます。そのようにバルトーク独自の語法が確立し出し、非常に荒々しい音楽を作るようになる一方、新古典的な傾向も見られるようになる。和声も明快になり、古典と前衛的技法の融和を得た名曲を生み出すようになります。後期はさらに旋律を重視するようになり一層古典寄りになってきます。


 ヴァイオリン協奏曲第2番が作曲された時代は、バルトークが自身の民謡的要素を完全に消化し巧みに操るようになるとともに、バロックや古典の影響を受け、新古典的なスタイルを打ち出していった時代でした。バルトークの弦楽四重奏曲がベートーヴェン以来の快挙と言われるように、やはりこの協奏曲も、非常に美しい旋律がこの作品には散りばめられており、ベートーヴェンやメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の系譜に位置する作品といえます。鋭い緊張感の中にも聴き惚れるような旋律があります。クラシック音楽史に歴然と輝くヴァイオリン協奏曲としての価値を真の意味で見出します。演奏するのも難しそうですか、鑑賞するほうから見ても難曲といえます。



第Ⅰ楽章は、冒頭から、ヴァイオリンな、時には物悲しい魂の叫びのように鳴り、時には急に元気に叫び出し、オーケストラもそれに呼応するように。時には壮絶に響き、時には地響きのようです。


第2楽章は、弱々しく悲しいヴァイオリンの旋律から始まり、オーケストラの演奏は斬新な響きで追いかけます。ティンパニが鳴り少し気分を変えますが、ヴァイオリンは終始、悲しく儚げな旋律で歌い続けます。


3楽章は、冒頭からいきなり元気な心が高揚したような激しく斬新な音楽から始まります。しかしだんだん、ヴァイオリンが悲しげな旋律になり、高揚したような激しい響きになったりします。感情の起伏を繰り返します。オーケストラは終始高揚し時には地響きのような響きを鳴らし、むせび泣くような旋律になったり、時には哀愁的なメロディーを歌うヴァイオリンとせめぎあいを展開します。自分とは関係なく動く世の中で、感情が激しく揺れ動く様子を表現もあり、非常に斬新的で芸術的な音楽に感じました。



 ヴァイオリンを演奏した二瓶真悠さんは、まだ東京芸大1年生で福島県の郡山から芸第に新幹線通学しているそうです。年齢はまだ19歳ですが、小学校のとは、日本クラシック音楽コンクールの小学生の部で第1位、高校生のとき横浜国債音楽コンクールの高校の部第1位など数々の受賞歴があります。この東京文化会館の初舞台で、この難曲を選ぶだけあって、表情豊かで情感とメリハリのある演奏で、この日の演奏会の中で存在感が際立っていました。 将来が楽しみです。

(2011年1月8日 東京文化会館)












by desire_san | 2011-01-24 23:03 | 音楽・オーディオ | Comments(30)
Commented by Masayuki_Mori at 2011-02-14 11:25
こんにちは。 バルトークの音楽は大好きです。あの心を揺さぶる躍動感はたまらないですね。バルトークの音楽は演奏の良し悪しが明確にてる難しい音楽ですね。まだ東京芸大1年生で受賞コンクールでバルトークの協奏曲のソロを弾いたというのは驚きですね。自分の才能むに自信があるからこそなのでしょうね。
Commented by ゆりこ at 2011-02-14 12:35
こんにちは。クラシック音楽の演奏会の話題と、どんどんジャンルかせ広かるところ、留まることを知らずですね!(笑)
私はサンサーンスの音楽が好きです。いかにもフランス的なおしゃれで上品な雰囲気がいいですね。ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」は、CDで良く聴いています。
Commented by Satoshi at 2011-02-14 12:51
バルトークの協奏曲はいいですね。ポルリーニがソロパートを弾いたピアノ協奏曲が好きです。 ヴァイオリン協奏曲はCDを持っていますので、desierさんの説明を読みながら、じっくり聴いてみたいと思います。
Commented by Kouchan_7785 at 2011-02-14 13:38
こんにちは。藝大教員のKouchanと申します。よろしくお願いします。二瓶真悠さんは藝大でもよく知られた存在で、私も良く知っています。藝大に入学前にたくさんのヴァイオリン協奏曲に挑戦とは、彼女らしいと思いました。今後が期待される演奏家ですので、これを機会に一層の成長を注目していただければと思います。
Commented by 山脇由美 at 2011-02-14 14:20
こんにちは、サン・サーンスもバルトークも協奏曲を作曲しているとは知りませんでした。desireさんの解説を読みますともどちらの曲も、かなり傑作のようですね。ぜひ聴いてみたいと思います。ご紹介ありがとうございました。
Commented by Haruna_Takahash at 2011-02-15 12:35
こんにちは。珍しい曲の組み合わせのコンサートですね。
私は、どちらの曲も聴いたことがないので、こんど聞いて見ますね。
また、時々訪問させていただきます。バラエティに富んだ記事の内容でこんどはどんな内容かと楽しみにしています。
Commented by Musica at 2011-02-16 00:04
こんばんは。わたしも趣味でヴァイオリンを弾いていますが、バルトークのヴァイオリン協奏曲 第2番は私のようなアマチュアが手に負えるような曲ではありませんね。プロからみても難曲だと思いますが、コンクールの優勝者とはいえ、芸大1年生で晴れの舞台てこの曲を選ぶとはいい度胸ですね。そのくらいの気合がないと、この世界プロで通用しないのかも知れませんね。
Commented by Rueise at 2011-02-17 09:19
おはようございます。音楽コンサートは時々行きます。私が゛好きなのはショパンとモーツアルトです。バルトークの協奏曲というのは聴いたことがありませんでしたが、ブログを読ませていただき、面白そうなので。こんど聴いてみます。いつも新鮮な話題をありがとうございます。
Commented by Montenegro at 2011-02-17 12:38
こんにちは。 時々訪問させていただいていますが、素敵な写真や旅行記、幅広い芸術に関する記事など中身の濃い内容に、いつも感服しています。クラシック億学はすきですが、知識がないので、このような記事は大変参考になります。また、オペラがメインのようですが、またいろいろな作曲家の作品にらついて書いていただくことを期待しています。
Commented by 智子 at 2011-02-18 11:59
こんにちは。サンサーンスの曲は好きです。フランスに何回か行ったのもあり、フランス的におしゃれな雰囲気を感じます。
Commented by Nukaya at 2011-02-18 12:28
バルトークはオーケストラに打楽器などを使った心を揺さぶるような衝撃のある音楽をイメージします。ブログを読ませていただき、ご紹介のヴァイオリン協奏曲もヴァイオリンにより、心の抑鬱を表現したような衝撃的な音楽なのだと思いました。一度聴いてみることにします。ご紹介ありがとうございました。
Commented by Nukaya at 2011-02-18 12:28
バルトークはオーケストラに打楽器などを使った心を揺さぶるような衝撃のある音楽をイメージします。ブログを読ませていただき、ご紹介のヴァイオリン協奏曲もヴァイオリンにより、心の抑鬱を表現したような衝撃的な音楽なのだと思いました。一度聴いてみることにします。ご紹介ありがとうございました。
Commented by 慶子_kinoshita at 2011-02-18 17:06
こんにちは。私はバルトークの躍動感のある音楽が好きです。
ただ、コンサートでは限られた数少ない音楽しか演奏されませんね。
バルトークの協奏曲を生演奏するコンサートはめったに無いですね。
できれば、ピアノでもヴァイオリンでもいいですが、一流のソリストで、
バルトークの協奏曲を生演奏するコンサートはめったに無いですね。
できれば、ピアノでもヴァイオリンでも良いので、一流のソリストの演奏で
バルトークの協奏曲の生演奏を聴いてみたいですね。
Commented by Aira at 2011-02-18 23:50
こんばんは。趣味が広くて、どんな渡井でもOKですね。(笑)
ブログのトピックに関係ない話で恐縮ですが、「B'z」のギタリスト松本孝弘さんがグラミー賞をとりましたね。desireさんが、以前「B'z」の松本孝弘さんのギターは世界に通用すると言っていましたが、グラミー賞を受賞したと聴き、desireさんの音楽の鑑賞力はすごいと改めて知りました。またまた関係ない話ですが、深津絵里さんが今日日本アカデミー賞の主演女優賞をとりましたね。これもdesireさんが演技力で選ぶ女優のNo1iに挙げていましたね。優れたものが理解できる力は凄いと思います。やはり、大切なのは感性なんですね。
Commented by 平石悟 at 2011-02-19 17:08
こんにちは。上野の文化会館もしばらく言っていませんが、写真を拝見し、懐かしく思いました。以前上野の近くに勤務していたときは、よく夜のコンサートに行ったものです。最近はもっぱら自宅のオーディオで聴いていますが、やはり、演奏は生がいいでしょうね。
Commented by mUsoicasio at 2011-02-19 23:51
バルトークのピアノ協奏曲(3曲)は非常に重要です。妻のために書き残した点は留意して演奏されなければなりません。
サンサーンスのピアノ協奏曲は5曲ありますがいずれも興味ある曲ですピアノ協奏曲第5番ヘ長調 作品103「エジプト風」はある程度スエズ運河と関係が見られます
Commented by Kayabuki at 2011-02-20 12:38
こういう コンサートに 足をむけて 欲しいですね~
光る演奏家を 見つけると うれしいです~
Commented by Eri at 2011-02-20 12:44
サンサーンスで好きな曲は、「瀕死の白鳥」です。曲も印象深いのですが、この映像は、悩み多き男性の苦悩と、母のような温かさを持つ女性との物語が、感じ良くまとめられています。最後、雪の中から出てくるシーンは、コミカルではありますが、微笑ましく、ようこそ!といった感情で見てしまいます。
Commented by Seiohuugarou at 2011-02-20 12:45
サン・サーンスの音楽では、オペラの「サムソンとデリラ」がいいですね。とにかく美しい音楽。メトロポリタン・オペラの引越し公演で初めて聴いたんですが、始まりからオーケストラの前奏に加わって溶け込むコーラスは、全身が音楽の真っ只中に隙間なく包まれる至福の時間でした。
Commented by Garou at 2011-02-20 12:48
バルトークの音楽はいいですね。「管弦楽のための協奏曲」「管弦楽と打楽器とチェレスタのための音楽」などオーケストラの力量を問われる作品ばかりですね。
Commented by 霧山 at 2011-02-20 13:31
バルトークの名曲で、音色がバラエティに広がる点も魅力です。二瓶さんにはオーケストラと合わせるいいチャンスでしたね。次のステップでも頑張ってほしいと思います。
Commented by たまゆら at 2011-02-20 18:14
霧山さんがご指摘のように、バルトークの名曲は、多彩な音色が音楽の中に広がっていくのが魅力ですね。これが、バルトークのを演奏する難しさでもあるではないかと思います。
Commented by tkomakusa1t at 2011-02-22 15:21
今はコンサ-トを聞くチャンスがほとんどありません。
説明を読ませていただきました。
ヴァイオリンの音で悲しさ 喜びなどが
分かるのですね。
Commented by bernardbuffet at 2011-02-23 00:00
Bartokは素朴ですが密度の高いコンチェルトですね。私はMullovaの演奏でStravinskyのコンチェルトとカップリングされたCDを愛聴しています。実はStravinskyの方が好きですが(笑)
Commented by 駒の小屋 at 2011-03-06 18:50
二瓶さんは郡山ではすでに有名人。彼女の演奏は聞いたことがまだないのですが、ぜひ機会を作って聞きに行きたいです。
Commented by 利休 at 2011-03-12 18:08
サンサーンスで好きな曲は、白鳥と死の舞踏です。曲も印象深いのですが、この映像は、悩み多き男性の苦悩と、母のような温かさを持つ女性との物語が、感じ良くまとめられています。最後、雪の中から出てくるシーンは、コミカルではありますが、微笑ましく、ようこそ!といった感情で見てしまいます。

Commented by 霜雪 at 2011-03-12 18:09
サン・サーンスは、私の場合、オペラの「サムソンとデリラ」です。とにかく美しい音楽。メトロポリタン・オペラの引越し公演で初めて聴いたんですが、始まりからオーケストラの前奏に加わって溶け込むコーラスは、全身が音楽の真っ只中に隙間なく包まれる至福の時間でした。これだけでもサン・サーンスに感謝です。
Commented by 鉄幹 at 2011-03-12 18:10
バルトーク・ベーラ・ヴィクトル・ヤーノシュ(Bartók Béla Viktor János, 1881年3月25日 - 1945年9月26日)はハンガリー領トランシルヴァニア(正確にはバナート)のナジセントミクローシュに生まれ、ニューヨークで没したクラシック音楽の作曲家、ピアノ演奏家、民俗音楽研究家。作曲以外にも、学問分野としての民俗音楽学の祖の1人として、東ヨーロッパの民俗音楽を収集・分析し、アフリカのアルジェリアまで足を伸ばすなどの精力的な活動を行った。またフランツ・リストの弟子トマーン・イシュトバーン(1862年11月4日 - 1940年9月22日)から教えを受けた、ドイツ・オーストリア音楽の伝統を受け継ぐピアニストでもあり、コンサートピアニストやピアノ教師として活動した。ドメニコ・スカルラッティ、J・S・バッハらの作品の校訂なども行っている。
Commented by Tomas at 2011-03-12 18:19
バルトークで、民族音楽の研究者として特筆すべきは、よって作品も多くは楽器編成や変拍子に特徴が見られるフィボナッチ数列より黄金比のほうが当てはまるという指摘(Chapter 7 of Larry Solomon's Symmetry as a Compositional Determinant (an analysis of some formal aspects of the piece) もある。それによれば、これらの小節数は演奏時間を黄金比で分割していくことにより得られる。また、第1楽章冒頭主題が38の8分音符から成り、最も高い音が23個目に現れるのも黄金比であることも指摘している。第3楽章、第4楽章にも黄金比の使用が見られることです。
Commented by 岸本信二 at 2011-03-12 18:22
面白い記事がありました。「バルトークに関するバトルトーク」
http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/~data/BOOK..