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芸術と自然の美を巡る旅  

最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作

モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ
Wolfgang Amadeus Mozart "Così fan tutte"

最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_03042024.jpg



  「コジ・ファン・トゥッテ」の題名は「女は誰でも浮気する」ことを意味です。2人の男が、自分の恋人の貞節を賭けて、変装して相手の恋人を口説いて成功するという、極めて道徳的でありえないような話が、モーツアルトの絶妙な音楽の力で、聞く人を納得させてしまう、私個人的には、モーツアルト音楽の最高峰に位置する作品だと思います。





The title of "Così fan tutte" is a meaning about what"a woman has an affair for anyone."me whom two men risk theirsweetheart's chastity, disguise myself and a talk called courting a partner'ssweetheart and succeeding which it is very moral and is not acquired convincesof those who hear it by the power of Mozart's exquisite music .I think that itis a work located in the highest peak of the Mozart music with it beingindividual.



 オペラを聴くまでは、正確に言えばこの「コジ・ファン・トゥッテ」の舞台を知るまでは、ベートーヴェンがクラシック音楽の頂点に位置すると思っていました。交響曲、協奏曲、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのソナタ、どれをとっても、最高傑作といわれる作品はベートーヴェンの作品で、モーツアルトの作品は、その最高峰に至る通過点のように理解していました。

最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_19584649.jpg  
 その考えを一変させたのがこの「コジ・ファン・トゥッテ」です。ありえない不道徳な話が、恋人通しの二重唱、お互いに相手を変えての二重唱などにより、その心理に説得力を持たせてしまう、この音楽の世界を知ってから、イタリアオペラの魅力にはまり、ベートーヴェン至上主義の音楽観から卒業してしまいました。



 振り返ってベートーヴェンの音楽をなぜ最高だと思っていたのかと考えると、その隙のない完成度と確信に満ちた説得力にあると思います。ベートーヴェンの音楽は、「運命」、「第9」、「皇帝」、「熱情」、とれをとっても、どこをとっても善、愛、叡智の勝利に対する確信に満ちています。途中で悩んで混沌とする部分もありますが、混沌と必死の格闘の末、善、愛、叡智、道徳が勝利しているのです。


最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_195691.jpg  しかし、人間社会の現実は理不尽に満ちて、そんな勧善懲悪の世界なんかじゃない。震災や原発事故で何の罪もない人が「天罰」を受ける。そんな世界で無力感に襲われるとき、ベートーヴェンの音楽は何の救いも与えてくれません。ベートーヴェンの音楽は、みんな既成の価値観、道徳家と同じ方向を向いていて、現実社会で成功している人はともかく、矛盾の中で悩む人、迷える人に何も答えてくれないのです


最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_2001954.jpg  「コジ・ファン・トゥッテ」の「女はみんなこんなもの」は、人はみんなこんなものであり、欠点だらけで、簡単に誘惑されてしまう弱い存在、はかし一時の浮気心でも、その時の気持ちは本物であり、確信をもって行動していなくても、との一瞬の時間は美しいことを教えてくれます。全体としてつまらない人生でも、生きている一瞬はすばらしいことを教えてくれます。今一瞬を生きていることに価値があり、喜びがあることを実感させてくれます。


 「コジ・ファン・トゥッテ」の世界を知ると、夫婦愛・勇気の賛歌であるベートーヴェンの唯一のオペラ「フィデリオ」が寒気のするほどつまらない作品に思えてくるのです。野卑、凡庸、無知、怠惰、不貞を軽蔑する道徳観の強いベートーヴェンには、「コシ・ファン・トツテ」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」のようなモーツアルトの傑作オペラの世界は思いもよらなかったのでしょう。



最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_2011018.jpg 「コジ・ファン・トゥッテ」の音楽としての最大の魅力は、主役6人による美しいアリアと二重唱、三重唱です。特に、3人の女声、3人の男声が、次々と相手を変えて歌う二重唱、三重唱が20曲近くあり、それぞれの心のゆれが見事に表現されております。フィオルディリージとドラベッラのソプラノ2人の二重唱も美しいですが、本来の相手でない、ドラベッラとグリエルモの愛の二重唱は極めてロマンチックで、フィオルディリージとフェランドのソプラノとテノールの愛の二重唱は、このオペラの音楽におけるクライマックスです



The biggest attraction of the music of "Cosi fan tutte"is a beautiful aria and duet, trio by six leading role. Inparticular, three female, three male voice is, duet singing by changing oneafter another opponent, trio There are close to 20 songs. These music has beautifully expressed the heart of swing of each ofthe Tokyo Stock Exchange figures.Fiordiligi and Doraberra of soprano two duet is also beautiful. However,not the original opponent, duet of love of Doraberra and Guglielmo is very romantic.Duet of Fiordiligi and Ferrand of the soprano and the tenor of love is themusical climax of this opera



最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_2061143.jpg 「コジ・ファン・トゥッテ」は明確な時代設定がないため、古典的な演出でも、現代的な演出でも違和感をもたない数少ない作品だと思います。今回の新国立劇場の公演では、イタリアの演出家、タミアーノ・ミキエレットが、舞台を現代イタリアの森林や湖など自然豊かなキャンプ場に設定して、現代ドラマとして演出していました。


 デスピーナとドン・アルフォンの扱いも現代的でした。特にデスピーナをフィオルディリージ、ドラベッラ姉妹と同世代の、遊び慣れした若い女性に設定したのは、デスピーナの存在感がまして、3人の女性の性格が対比されて面白かったと思います。お嬢様であったはずのドラベッラが、物語が進むにつれて、実はデスピーナと同様の軽い女性だった、という演出もいかにも現実にありうる話だと思いました。


最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_21123489.jpg

  ドラベッラが簡単に心変わりしてしまったことに、繊細で一途の性格のフェルランドが怒り、元の恋人にグリエルモ対する貞節と自分との新しい恋の間で真剣に悩むフィオルディリージに惹かれていくような演出になっています、真剣にフィオルディリージに愛を訴え、フィオルディリージもフェランドに惹かれていく心の動きが見事に表現されていました。この瞬間、本当に2人の間に愛が芽生えたことを予感させます


 最期は通常の演出のような元に鞘に戻るハッピーエンドではなく、このだましあいの茶番劇でそれぞれの本性が明らかになり、恋人同士も、友達、姉妹同士も相互不信に陥り、大喧嘩になると言う演出は、現実的であり現代ドラマとしては、理解しやすい演出だと思いました。こういう真面目に筋書きされた演出もたまには良いと葉思いましたが、「オペラは一夜の夢物語」と常々思っている私としては、現実的でなくても、このだましあいの茶番劇を笑い飛ばし、また元の鞘に戻るという方がモーツアルト的であるようにも思いました。



最もモーツアルトにふさわしい、アンサンブル・オペラの最高傑作_a0113718_21132293.jpg 今回の舞台は、震災と原発事故の影響のためか指揮者と主役級3人が降板し、急遽若手の室力派に出演交渉して、関係者の努力で成立した舞台でした。代役として出演したフィオルディリージ役のマリア・ルイジア・ホルジは、最近注目されだした若手イタリアソプラノ歌手で、透明感のある伸びのある美しい声で魅了してくれました。フェルランド役のグレゴリー・ウォーレンも代役でシタガ、最初こそやや声量不足を感じましたが、だんだん調子が出てきて、クライマックスのフィオルディリージとの愛の二重唱で舞台は最高潮に盛り上がりました、本来の配役であるドラベッラ役のダニエラ・ピーニ、グリエルモ役のアドリアン・エレート、ドン・アルフォンソ役のローマン・トレーケルは、世界の一流化劇場で実績のある歌手で、さすがに安定感がありました。歌手もう一人の代役であるデスピーナ役のタリア・オールは、演技もうまく歌も軽やかで狂言廻し役としてさんざ遺憾がありました。全体として当初の出演者が変わったことを全く感じさせない充実した舞台でした。

2011年5月29日、新国立劇場オペラパレス)










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by desire_san | 2011-07-07 21:08 | オペラ | Comments(40)
Commented by hirune-neko at 2011-06-14 02:04
大変感性の豊かなブログで
敬服しています。
今の時代。本当に貴重なのは
感性から発生するものだと思っています。

昼寝ネコ
Commented by elinor-marianne at 2011-06-14 09:05 x
 こんにちは。
いつ来ても、美しいブログですね。
オペラの筋や音楽にも詳しい解説があって、感心します。

 モーツァルトのオペラは楽しいですよね。
それに、新国立に通えて羨ましいです。
私も今度、東京に住むことになったら、調布あたりにして、
新国立の会員にでもなり、通い詰めたいと思っています。
いつかどこかで、ご一緒できたらいいですね。
拙ブログへのご訪問もありがとうございました。
Commented by つるりんこ at 2011-06-14 13:05 x
新国立劇場の「コジ・ファン・トゥッテ」はモーツァルトの素晴らしい音楽もさることながら、本当に楽しい舞台でした。
Commented by seiunzi at 2011-06-14 13:48 x
新国立劇場でもやはり震災の影響によるキャスト変更があったのですね。代役のレベルによっては公演を中止してくれた方がありがたい場合もありますけれど、今回のコジは良かったみたいですね。それにしても、お互いに人間不信になるという演出は珍しいですね。今度再演の機会があったら観に行ってみたいと思います。モーツアルトのオペラはメロディー自体が登場人物の心情をそのまま表していて、歌詞と旋律が一体化しているように感じられます。だからこそ、自然に体に入ってくるのでしょう。そのあたりが天才と言われるゆえんなのかもしれませんね。
Commented by Shushi at 2011-06-14 21:13 x
いつも拝見しております。私のブログにもコメントを頂きありがとうございました。

ベートーヴェン観を書かれておられるところ、特に興味深く拝読しました。私の感覚も似ております。ベートーヴェンは素晴らしいですが、皆がベートーヴェンのように生きられるわけもなく、現実も弁証法のような進歩史観に基づいたものではありません。残念ですが。だからこそ、曖昧で複雑で理不尽なものを受容するのだ、と思います。

コジの演出、最後の終わり方はとても残念で、おっしゃるとおり一夜の夢としてのオペラの機能を少しばかり逸脱しているかもしれません。ただ、ミキエレットはそこを狙っていたはずで、オペラトークで彼が語っていたところによれば、知っているはずのことをみるのではなく、当たり前でないオペラを観て考えることが大切だ、とのこと。ということ、ミキエレットの意図は伝わってきているのではないか、と思いました。いました。
Commented by 智子 at 2011-06-14 23:36 x
こんばんは。

 「コジ・ファン・トゥッテ」は女性を侮辱したようなご説明のように、「女は誰でも浮気する」というようなストーリーで、女性を侮辱したような話なので、好きでありませんでした。だって世の中で浮気する女性なんて、本の一部で、ほとんどの女性は一人の男性につくしているのですよ。世の中で浮気するのは、ほとんど男性の方じゃないですか。

でも、最近CDを借りて聴いたら、このオペラの中のモーツアルトの音楽は、すてきなものばかりで、少し考え方が変わりました。

今回鑑賞された舞台では、女性をだまして、心を試したことで、みんな怒って、恋人同士もも相互不信の大喧嘩になる演出だそうですか、当たり前ですよ。変装して恋人を交換して口説き、相手の心をもてあそぶなんて、許す女性なんていませんよ。(笑)

Commented by Ruiese at 2011-06-15 00:13 x
こんばんは。

 「コジ・ファン・トゥッテ」の、いろいろな登場人物の組み合わせによる二重唱は、すてきな音楽ばかりですね。

本来の相手でないフィオルディリージとフェランドがソプラノとテノール、、ドラベッラとグリエルモがメゾソプラノとバスで、こちらの方が声の相性がよい、というのもモーツアルトの心憎い音楽の演出だと思います。

ご指摘の二重唱のほかに、フィオルディリージの断固として貞節を貫くと歌うアリアやフィオルディリージ、ドラベッラ姉妹の「もし新しい男を選ぶとすれば」の二重唱など゛、女声の歌も大変魅力的な曲がありますね。 女性から見るとストーリーはあまりにも女性を馬鹿にしているような気もしますが、フィオルディリージは魅力的な女性に思えるような音楽を与えていると思います。書かれているように、モーツアルトのオペラは、あまり真面目に考えず、遊び心で音楽を楽しむものなのでしょうね。

Commented by laviekaeko at 2011-06-15 02:45
こんにちは、私もこの作品大好きです。
モーツァルトのオペラ、どれも素敵ですが、台本のハチャメチャなストーリーを超えて音楽の素晴らしさが伝わってきますね。
Commented at 2011-06-15 02:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 駒の小屋 at 2011-06-15 07:01 x
相変わらず、とっても素敵なブログですね。
私もこのようなブログがかけるように頑張りたいと思います。l

マリア・ルイジア・ボルジという方の名はなんどか聞いたことが、
まだその声を聞きに行ったことがありません。
いつか、行きたいと思います。

Commented by Haruna_Takahash at 2011-06-15 10:54 x
こんにちは。

 「コジ・ファン・トゥッテ」は、ムーティの指揮ウイーン国立化歌劇場の舞台をみたことがあります。

演出は、オーソドックスで、ナポリの街のような絵画的な背景に、時計をアレンジした円形の舞台で、装置が移動して次々に場面が転換しました。 アルバニア人に変装した男性二人が言い寄ると、女性二人がギリシア彫刻のように固まった姿勢をとり拒絶する場面は、笑える演出でした。二人がブドウを食べる場面で、ふたりの性欲が目覚めることを表現していたようです。ラストは、6人が正面を向いてフィナーレの重唱を歌いながら、照明が次第に暗くなっていき、単純に元の鞘にもどったのではないことを暗示していました。

懇意かご覧になつた演出は、それより少し奇抜でドラマティ久な演出だったようですね。

Commented by ゆりこ at 2011-06-15 14:06 x
モーツアルトの音楽は大好きです。モーツアルトとベートーヴェンの音楽についての記述は、説得力がある説明だと思いました。私もベートーヴェンの音楽は、音楽的にはすばらしいとは思いますが、なんとなくあまり聴いた見たいと思いませんでしたが、ご説明を読んで、納得できたように思います。

Commented by 山脇由美 at 2011-06-15 14:38 x
こんにちは。

実は、「コジ・ファン・トゥッテ」は私が参加しているアマチュアオペラのグループで上演したことがあります。フィオルディリージとドラベッラの役は、さすがに歌が高度でアマチュアでは歌えないようなアリアなどがあるので、音大の先生をしている人に客演してもらいました。

ほんとうにアンサンブルがすばらしてく、すてきなオペラだと思います。

Commented by やっくん at 2011-06-15 15:32 x
いつも丁寧でわかりやすい解説です。私はオペラには行ったことはありませんし、行ける環境にもありません。これからも情報発信をお願いします。
Commented by Aira at 2011-06-15 16:12 x
私は、ショパンとモーツアルト音楽が特に好きです。とにかく聴いていて楽しい、心地よい音楽ですね。

ベートーヴェンやブラームスの音楽は、正座して、あるいはしかめっ面をして聴くような重々しさがあり、あまり聴きませんね。何が違うのかと思っていましたが、dezireさんの ご説明を読んで、なんとなく分かったように思いました。

Commented by Nukaya at 2011-06-15 16:56 x
こんにちは。

モーツアルトは好きな曲がたくさんありますね。ピアノ協奏曲23番、27番など明るい曲が特に好きですね。オペラでは、やはり「フィガロの結婚」が、すばらしいアリアが詰まっていてCDで何度も聴いています。

Commented by SSQ_0875 at 2011-06-15 17:13 x
ベートーヴェンもモーツアルトの音楽に関するご意見を読ませていただきました。

私はベートーヴェンもモーツアルトもクラシック音楽の異なった最高峰だと思います。

ベートーヴェンもモーツアルトもも同じくらい聴いていますが、今は聴く割合はモーツアルトが多いですね。

モーツアルトは「コシ・ファン・トゥッテ」もいいですが、私が好きなのは「フィガロの結婚」、「魔笛」、「ドン・ジョバンニ」の順ですね、

ベートーヴェンの「フィデリオ」はあまりお好きではないようですが、私は傑作オペラだとおもいますよ。

Commented by museum at 2011-06-15 19:10 x
初めまして、ご訪問&コメントありがとうございました。

すっごく素敵なブログで観劇しました。
また遊びに来ますね!

今日は、蝶々夫人を観てきました~~~♪
Commented by tkomakusa1t at 2011-06-15 22:15
説明良く分かります。オペラは見たことがないので
一度行ってみたいのですが言葉が分からないので。。
Commented by めいすい at 2011-06-15 22:27 x
 いつもオペラを見た後の感想文は、見事に書かれていますね。読み応えがあります。

 ところで、モーツァルトとベートーヴェンのこと。
 モーツァルトは幼少の時に、イタリアに渡り、オペラの本場で、音楽の教育を受け、生活の中でオペラを体の染み込ませました。そして、才能を磨き上げていきました。
 ベートーヴェンは、そうした体験がモーツァルトに比べ少ないのでオペラは、見劣りしてしまいます。おそらく、ベートーヴェンもその辺のところは分かっていたでしょう。魔笛を絶賛しているところからも分かります。
 ただ、交響曲やピアノ曲を初めとするいろいろな分野の曲は、モーツァルトもベートーヴェンも、それぞれ個性豊かに作曲していて、ともに範囲が広く、奥深いものがあります。
 どちらが生きる喜びを与えるかなどというようなことは一概には言えないと思います。
 わたしは、その時々に応じて二人の音楽を聴きます。どちらも大きな感動を与えてくれます。やはり、二人とも偉大な音楽家だからだと思います。
Commented by camelstraycat at 2011-06-15 22:47
desire sanさま
拙ブログにお越しいただきありがとうございました。
ベートーベンのフィデリオはまだ見たことがありませんが、私も音楽性はモーツァルトの方が好きです。
おっしゃるように、ダ・ポンテ&モーツァルトコンビによるオペラは大変懐の深い、味わい深いものだと思います。
今回のミキエレットの演出はアイデアに溢れ、現代人にとって大変説得力あるものでしたが、私もダ・ポンテ&モーツァルトの本来の意図とは少し離れてしまったかもと思いました。
またレヴューなど楽しみに拝見させていただきますね。
Commented by アルチーナ at 2011-06-16 15:12 x
私もコジは大好きなオペラでモーツァルト作品の中で一番最初に好きになった作品です。
グリエルモとドラベッラの二重唱なんて聴いているだけでドキドキしてしまいますよね。

確かに今の日本の状況ですと、色々と心が揺れ動いている人が多いと思いますが、中にはベートーヴェン的一途さで邁進している人もいるみたいで、そんな単純な話かな~なんて思ってしまう事もあります。本当に「人はみんなこうしたもの」なんでしょうね・・
ドラベッラのタリア・オールも私は良かったと思います。演技も上手でしたね!
Commented by rollingwest at 2011-06-16 21:59
いつもこちらのHPを見て、こんな展示会やっていたんだと、足を向けることが多くなりました。機会があれば行って見ようかな・・。
Commented by MOMO at 2011-06-17 06:18 x
おはようございます。
毎日良く降ります(^_-)-☆ネッ
体調の維持管理には充分気を付けて下さい。
<(_ _*)>有り難うございました。
Commented by Satoshi at 2011-06-18 00:51 x
こんばんは。
ベートーヴェンの音楽は、善、愛、叡智、道徳の勝利を賛美しているというご意見は共感します。モーツアルトの音楽が、生きている一瞬はすばらしいことを教え、生きていることに価値があり、喜びがあることを実感させるという見方もなるほどと思いました。しかし、ベートーヴェンの音楽が、迷える人に何も答えてくれない、モーツアルトの音楽の方がすばらしいじゃないか、という問題提起をされているようですか、私はそんなことはないと思います。善、愛、叡智、道徳の勝利を賛美するベートーヴェンの音楽のどこが間違っているのでしょうか。 震災や原発事故で何の罪もない人がの理不尽な思いをしているのは、日本の政治が悪いからです。 ベートーヴェンのように善、愛、叡智、道徳の勝利を賛美する気持ちに、現代人がなれないとしたら、それはベートーヴェンの音楽に欠点があるからではなく、現代社会にひずみや格差、不公平があるからです。本来の姿は、ベートーヴェンのように、みんなが善、愛、叡智、道徳の勝利を喜べる社会を目指さなければならないのではないでしょうか。

Commented by kirafune at 2011-06-18 09:26
いつも文章と感受性がすごいなあと
感服しています。
desire_sanさんて、一体何者?
私は大学教授なのではと想像しています。
Commented by shushu at 2011-06-18 15:54 x
desire_san, 訪問&コメントありがとうございまいした。オペラの楽しみは重唱の美しさではないかと、舞台を見るたびに思います。
この作品のラストは、結婚や恋愛についての認識が制作当時と変わっているであろう現在、どうすると観客が納得できるのかなぁ、と思います。

Commented by ゆりこ at 2011-06-18 18:03 x
こんにちは。

重厚なベートーヴェンも時には良いと思いますが、心地よいモーツァルトの音楽の方が、私も良く聴きますね。

「アマティウス」という映画がありましたが、あの映画で描かれていたモーツァルトは、音楽の才能はあるが、低俗で下賎でキャラクターでしたね。モーツアルトの肖像画はすごく上品なので、あの映画のモーツアルトが真実とは思いませんが、「コジ・ファン・トゥッテ」ようなオペラを作ったということは、そういう一面もあるのでしょうね。

「フィガロの結婚」にしてもそうですが、決して品が良いと思えないストーリーを、音楽の魔力で一級の芸術作品にしてしまうモーツアルトの音楽の力はすばらしいと思います。


Commented by Satanaka at 2011-06-18 19:01 x
はじめまして。

「コジ・ファン・トゥッテ」は、市民オペラで合唱として参加した思い出があります。 歌うだけではなく、演技とまではいきませんが動きあるので、その他大勢でも、参加したという気持ちになります。歌うのは本の一部でしたが、どこから舞台へ入るのか、とこから歌い出すのか理解していないといけないので、オペラの全曲を何度も聴きました。その時はづいぶん熱を入れていたとおもいますが、貴重な経験で、心底モーツアルを体験できたように思いました。
Commented by QSS_775 at 2011-06-18 19:25 x
モーツアルトとベートーヴェンの音楽性の違いについての議論はおもしろいですね。
モーツアルトは天性から音楽を創造する作曲家であるのに対して、べートーヴェンは、人体体験の苦労,努力から築き上げた哲学や感情を音楽に表現する作曲家だと思います。
モーツアルトも晩年は、生活苦から、「レクイエム」のような暗い心の苦悩、死への恐れ、死後の天国への憧れを表現した曲を作っています。
晩年のモーツアルトは、初期の軽やかさや明るさが失われ、べートーヴェンの心境に少し近づいているようにも思います。

Commented by anoba at 2011-06-18 20:46 x
ベートーヴェンはモーツァルトの音楽について書かれておられますが、どうもベートーヴェンはモーツァルトのオペラをあまり評価していなかつたようです。特に、モーツァルトとダ・ポンテで作った浮気心をテーマとしたオペラは、真面目なベートーヴェンには、我慢できない世界だったようです。 ベートーヴェンが比較的評価していたモーツァルトのオペラは、「魔笛」のようですが、これは邪悪な者は滅び、試練を乗り超えた者のみが栄光を手にするというストーリーがお気に召したからだと言われています。 ベートーヴェンは偉大な作曲家ではありますが、遊び心というのが全く通じない人だったようです。
Commented by 平石悟 at 2011-06-18 21:54 x
こんばんは。 「コジ・ファン・トゥッテ」はウイーンで何度か聴きました。

ウイーン国立歌劇場のオペラは、私がドイツにいた当時からね現代演出が多く、私が見た「コジ・ファン・トゥッテ」はすべて現代演出でした。
 「コジ・ファン・トゥッテ」はたしかに、現代演出でも違和感がありませんね。今回は面白い演出だったようですね。

蛇足ですが、最近のウイーン国立歌劇場のオペラは、時代設定のあるヴェルデイのオペラまで、現代演出で行われることが多く、少し疑問を感じます。

Commented by Bentiben at 2011-06-18 22:02 x
こんにちは

ベートーヴェンとモーツアルトの音楽の違いについて興味を持ってよませてもらいました。
私は、ベートーヴェンの音楽は、作詞の意図や聴く人に与える影響なとを熟慮して設計したようなある種の完成された作品だと思います。それに対して、モーツアルトの音楽は、彼のあふれるばかりの才能から発生したもので、楽譜はそれを記録した結果ではないかと思います。
綿井は、ベートーヴェンの音楽を聴くときは、音楽や演奏と対峙するような関係になり、モーツァルトの音楽を聴くときは、勝手に音楽の方から私のところにやってきて、心の中に入り込んでくるような気がします。
Commented by Caravajio_05 at 2011-06-18 22:49 x
こんにちは。時々拝見していますが、初めてコメントを書かせていただきます。

今回の 「コジ・ファン・トゥッテ」は、現代ドラマのような演出だったようですね。

時代設定を現代にして公演するのは、かなりのチャレンジではないかと思います。 ブログ二も書いていらっしゃいますが、、あまりに現代ぽい演出にすると、観る人には生々しい話になって、オペラ本来の非日常のお夢の世界を楽しむ楽しさ”が損なわれ、オペラの楽しみが半減してしまうこともあるのではないでしょうか。

最近は、メトロポリタンオペラは時代設定をしっかりしたグランドオペラ風、ウイーン国立歌劇場オペラは、現代演出が多いように、ある程度チケットを買うときに予測できますから、人それぞれ好みにあったものをみればよいのでしょう。
Commented by Norapapa at 2011-06-22 16:45 x
面白く読ませてもらいました。舞台設定を現代版にしたのは面白いですね。でも、ベートーヴェンも、重厚ですから。私的には比較できません。てか、比較の対象にはできないのでは? 歌ってるとどちらも深いものがあるので・・・。
Commented by Erizavert at 2011-06-23 23:28 x
こんばんは。

時々遊びに来ています。いろいろ幅広いジャンルの記事や写真を楽しませてもらっています。

最近では、スイス・アルプスの女王、マッターホルンの美しい写真もがすてきでしたね。
私はスイスの鉄道の旅をしたことがあります。登山鉄道でご紹介のあったゴルナーグラードなど、色々なところに行きました。電車内でフランスやイギリスの若い人と知りあいになり、すばらしい景色について色々話をしたのが、楽しい思い出でした。

Commented by joycemann at 2011-06-25 11:53
せっかくコメントいただいたのに、なかなかお返事できず申し訳ありません。
先日五嶋みどりのリサイタルに行く機会があり、ベートーヴェンのクロイツェルソナタを聴いてきました。クロイツェルのピアノパート、第1楽章でヴァイオリンとの掛け合いでカデンツァ的な上昇音型を聴いたとき、なにか、耳になじむなあと感じました。
孤高の芸術家というイメージのあるベートーヴェンも、聴衆のことは少しは意識して作曲していたのではないか、とも感じ、さらにベートーヴェンのピアノソナタを聴いてみようと思った次第です。
モーツァルトは、貴族のために書いていながら、次第に、自分の、音楽の深みに到達していったと感じてさせますね。
私は、ピアノ協奏曲20番の、突き上げるようなシンコペーションが、暗い情熱といったものを表現していて、大変好きです。あと魔笛序曲の輝かしい開始も、好ましいと感じます。
いつも写真が満載でかつ分かりやすい文章で、楽しく読ませていただいております。このようなブログがかけたらと羨ましく感じます。
暑い季節となりましたが、お体に気をつけて。
Commented by Ayuura_157 at 2011-07-01 13:55 x
こんにちは。

モーツァルトは大好きでです。専門家によると、モーツァルトの音楽の自律神経や副交感神経を刺激して、聴く人をリラックス状態に誘うそうです。医学者の中には、免疫物質を作ったり、ガン細胞の発達を抑えたり、ウイルスに対抗するリンパ球が増やしてりする効果があるという人もいます。動物の飼育にも活用した実験もあるようですよ。話を聞いただけで、どこまで確かな話かは知りませんが、とにかく、モーツアルトの音楽は心地よいですね。

Commented by snowdrop-momo at 2015-03-21 16:21
モーツァルトとベートーヴェンについて、熱い議論が繰り広げられていたのですね。オペラからは外れますが、ピアノと木管のための五重奏曲も、モーツァルトの後でベートーヴェンを聴くと、気分によっては野暮に思えてしまいます。オペラはモーツァルトが断然よいですね♪楽器や声の使い分けが洗練されているのでしょうか。
ベートーヴェンからモーツァルトへ、というのは、戦後の日本の流れでもあるのかもしれません。ただ、ピアノに限れば、聴いたり弾いたりして癒されるのは私の場合はベートーヴェンです。モーツァルトは美しすぎてうまく弾けず、無力感を覚えてしまって…
つい個人的な感慨を述べてしまって済みません。リアルタイムで議論に参加できず残念です。
Commented at 2015-03-22 07:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。

by desire_san