世界最高のドン・ジョヴァンニ・クヴィエチェンの最高の舞台とモーツアルトの魅力
Mozart "Don Giovanni"
オペラを聴かない音楽愛好家は、ベートーベンを史上最も偉大な作曲家と思っている人が多いようです。確かにさまざまなクラシック音楽のジャンルで最高傑作といえる作品を生み出してきました。モーツアルトの傑作オペラの舞台を経験したことのない音楽愛好家は、多分モーツアルトよりベートーベンの方が偉大な音楽家だと言うでしょう。しかし,オペラの世界では偉大なベートーベンもモーツアルトに遠く及びません。
Itseems that there are many people who regard Beethoven as the greatest composerin history among the music aficionados who do not hear opera.The work which canbe called crowning work in the genre of classical music various to be sure hasbeen produced.Probably the music aficionados who have not experienced the stageof Mozart's masterpiece opera will say that he is a musician in which Beethovenis greater than Mozart.However, in the world of opera, great Beethoven does notbecome precocious distantly Mozart.
ベートーベンの音楽は、善、愛、叡智の勝利に向かって・・・・途中で悩んで混沌とする部分もありますが、それはベートーベン自身が混沌と格闘しているだけで、決して彼が善、愛、叡智の勝利を疑っているわけではない、だから最後に待っているのは決まりきったように善、愛、叡智への賛歌です。だから夫婦愛・勇気の賛歌『フィデリオ』のような寒気のするような作品しか作れなかったのです。ベートーベンは、人類の善、愛、叡智の勝利を妨げるもの、野卑、凡庸、無知、怠惰、不貞といったものを蔑視する感覚があったのでないかと思います。
Beethoven'smusic heads for the victory of the good, love, and wisdom.... Although there isalso a portion which worries on the way and it makes confused,It is a song inpraise to the good, love, and wisdom that, as for, it is therefore waiting thatas for it Beethoven itself is not only fighting confusedly and he does notnecessarily suspect the victory of the good, love, and wisdom at the end, asdecided.Therefore, only a work which the cold like the song in praise"Fidelio" of conjugal love and courage carries out was able to bemade.Beethoven thinks whether there was any feeling which despises humanbeings' good, love, the thing that bars the victory of wisdom, vulgar,mediocrity, ignorance, idleness, and the thing of being unchaste
では、モーツアルトは何を考えて、こんな下劣?な題材を好んでオペラにしていたのでしょうか。これについても吉田秀和氏は興味深い論評をしていますので引用します。
モーツアルトのオペラの魅力は人間賛歌だと思います。オペラ『ドン・ジョヴァンニ』でも野卑で下賎なドン・ジョヴァンニをはじめ、主役、脇役など多くの登場人物に美しいアリアや愛の二重唱を歌わせています。モーツアルトの音楽の光が及ぶところ、野卑、高尚、凡庸、優秀、無知、有能など関係ない!子の世に生まれて愛を感じる者はみな美しいとモーツアルトの音楽は歌っているのです。
モーツアルトの音楽は本質的にコンチェルタントな音楽であり、各要素の個性化による美の拡散、鏡のような反射と分光の芸術なのだと思います。バッハの崇高な、無欠の和声的ポリフォニーに対し、モーツアルトは動いてやまず、七彩の色をこもごも放つポリフォニーコンチェルタントの様式における最高度の完成度を実現しました。
Ithink that the charm of Mozart's opera is a human song in praise.The opera"Don Giovanni" is also vulgar and is making the duet of beautifularia or love the bottom sing many characters, such as the leading role and asupporting player, including Don Giovanni.Vulgar, loftiness, mediocrity,superiority, ignorance, owner ability, etc. are not related! Mozart's music issung if those that are born in a child's world and feel love are beautiful.
今回の新国立劇場の『ドン・ジョヴァンニ』でも、ドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィーラ、ドン・オッターヴィオの長いアリアを始め、多くの登場人物の歌うアリアや重唱などアンサンブルがモーツァアルトのオペラの楽しさを満喫させてくれました。
特にタイトルロールのマリウシュ・クヴィエチェンは、期待にたがわず、甘い魅力的で、情熱的な表現や力強い表現は、まさにドン・ジョヴァンニそのもので、メチャクチャなキャラクターなのに女性が魅かれていく男という役柄に説得力がありました。他の配役もバランスのとれたもので、ドン・ジョヴァンニとのアンサンブルは絶妙でした。合唱も含めて軽妙でバランスがとれたものでした。これぞ「モーツアルトのオペラ」という感じで、楽しめる公演でした。
参考資料
アニー・パラディ (著), 武藤 剛史 (著)
エドワード・J・デント 著 /石井宏 訳 /春日秀道 訳
『モーツァルトのオペラ』草思社1985年
西本晃二 著『モーツァルトはオペラ』音楽之友社2006年
絹川文仁『モーツァルトのオペラ「ドンジョバンニ」の一分析』
千葉経済大学短期大学部 研究紀要 2008年
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先ほどは拙ブログにお越しいただきありがとうございました。
クヴィエチェンのジョバンニは本当に素晴らしかったですね。
私も大満足でした。
オペラ鑑賞も様々な見方、感じ方があって、身近な人以外のそれを知るのも楽しみのひとつです。こちらにはおもしろそうな記事や写真がたくさんありそうです。ゆっくり拝見します。
よろしくお願いします。
ブログへのご訪問&コメントありがとうございます!
クヴィエチェン、本当に素敵でした〜
ジョバンニは女の敵ですがあのセレナーデにはあらがえないかも。
モーツァルトのオペラが人間賛歌であるというのはとても共感できます。登場人物はみんな長所だけでなく欠点も含んでいて、それでいて魅力的。それはやはり彼が人間を愛していたからではないかと思います。