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芸術と自然の美を巡る旅  

エル・グレコが愛した美しい古都

トレド 
 Toledo

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 トレドはスペイン中央部の都市、カスティーリャ=ラ・マンチャ州の州都で、「町全体が博物館」と言われ、タホ川がトレド西に横断して流れ、タホ川が大きく蛇行した高台にトレドの街があり、タホ川に囲まれた旧市街は世界遺産に登録されています。





Toledois a municipality located in central Spain, 70 km south of Madrid. and was declared a World Heritage Site by UNESCOin 1986 for its extensive cultural and monumental heritage and historicalco-existence of Christian, Muslim and Jewish cultures. Toledois the "City of the Three Cultures", having been influenced by ahistorical co-existence of Christians.




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 かつては西ゴート王国の首都であり、8世紀から400年イスラム教の支配下にあり、中世にはイスラム教・ユダヤ教・キリスト教の文化が交錯した街でした。そんな風土がギリシャ人画家のエル・グレコを画家として育てたのかもしれません。異邦人エル・グレコを支えたのは学者や司祭など異質の芸術に理解を示した教養人たちでした。タホ川の対岸から望めるトレドの風景を、エル・グレコは宗教画にも好んで描きました。神の神秘の世界と現実世界を結び付けようという意図だったようですが、トレドの街は、400年の時空を超えて、エル・グレコと現代の私たちを結び付けているのかもしれません。



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 タホ川に沿って走るカレッテッラ街道のサン・マルティン橋とアルカンタラ橋の間の高台から眺める対岸のトレドの姿が美しいトレドの街全体を眺められる写真スポットになっています。タホ川の対岸沿いにトレドの街を見るとアラカサル城、大聖堂など400年前にエル・グレコも見ていただろう街の姿が一望できます。エル・グレコは宗教画などにもトレドの風景を描きこみましたが、これが神の神秘の世界と現実の世界の人の距離を縮める役割を持っていたようです。約400年の時空を超えて、トレドの街はエル・グレコの世界に現代の私たち呼び込んでくれるような気持ちになります。




Wewent Santo Tome church is said to be the masterpiece of El Greco of"Orugasuhakunomaisou".This work is said to be the masterpiece of theportrait of the population of El Greco.






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 最初にエル・グレコの最高傑作といわれる「オルガス伯の埋葬」のあるサント・トメ教会行ききました。サント・トメ教会は荒廃していた教会をオルガス伯爵が私財を投じ14世紀に再建しました。建築された教会のシンボル「モサラベの塔」は現在トレドに残る最も素晴らしいムデハル様式といわれています。当時のイタリア画風をとり入れたエル・グレコの最高傑作のひとつ「オルガス伯爵の埋葬」をサント・トメ教会で見ると言葉では言い表せない感動を覚えました。このエル・グレコの集団の肖像画の傑作は、下半分は騎士達に見守られ聖セバスティアンと聖アウグスティンに埋葬されるオルガス伯、葬式に列席した有力者、エル・グレコ本人とお小姓役の息子も描かれています。下の葬式の状況に連なり中央に羽根と平行した黄色い衣の天使が描かれ、天使の腕の中にオルガス伯爵の魂を描いています。中世では死者の魂は透明な裸の子供の姿で描かれ、洗礼者ヨハネが、キリストに何か伝えているようです。マリアは下を向いてキリストには十字形の光輪がついています。左には天国の鍵を持って教会の権威を象徴しているペテロがおり、黄色い衣が右の聖人と下の天使の3つで3角形を作っています。背景にとけこんだ白っぽいキリストとたなびく雲も大きな3角形を作っています。すばらしい構造美だと思う。上半分はイエス・キリストと天界の様子が、描かれています。下部がドイツ北方風に対し、上部の色彩がイタリア風に描いているともいわれています。全く別世界のような天上の世界と地上の世界を見事な画面構成力により、違和感なく一つの絵画空間の中に納めてしまう力量は、ルネサンスやバロックという事態を超え、シャガールの絵画にも通ずる前衛的なものであり、それが他の追随を許さないエル・グレコ絵画の魅力と言えます。




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 トレドの旧市街の中心にトレド大聖堂、正式にはサンタ・マリア・デ・トレド大聖堂があります。この大聖堂は、トレド大司教座が置かれ、トレド大司教スペイン・カトリック教会の首位聖職者とされています。即ちスペインの主席大司教座、スペイン全国のカトリック寺院の最も権威のある大聖堂ということになります。1226年、カスティーリャ王の時代に建設が始まり、カトリック両王時代の1493年に完成しました。全長120mで幅が59mで、その構造は13世紀のフランスゴシック様式の影響を受け、ブールジュのサン=テチエンヌ大聖堂を模したと言われ、ムデハル様式などスペイン独自の特徴も加わっているそうです。



 ゴシック様式ですが、5つの身廊を持つバシリカ・スタイルで、ファサードには三つの扉があり、地獄の扉、免罪の扉、 裁きの扉と名づけられています。 正面ファサードの上部には最後の晩餐を描いた彫刻があり、ファサードの両端には2本の塔が立っており、 一つはフランボワイヤン・ゴシック様式、 もう一つはゴシック・ルネサンス様式のドーム型、他に大時計の扉、ライオンの扉など5つの扉があります。






 聖堂内部は薄暗く、主礼拝堂の祭壇はキリストの生涯を20場面で表し、 聖書をテーマとしたものの中で最良といわれています。着色した木彫で、枢機卿メンドーサの大理石の棺も美しいです。聖具室には、ジョヴァンニ・ベッリーニ、ティツィアーノ、ラファエロ、リベーラ、ルーベンス、スルバラン、ダイク、ヴェラスケス、ゴヤと10作の及ぶエル・グレコの作品が収められているそうですが、残念ながら見る時間がなく、エル・グレコの代表作「聖衣剥奪」しか見る時間がありませんでした。




Thecathedral of Toledo is one of the three 13th-century High Gothic cathedrals inSpain and is considered to be the magnum opus of the Gothic style in Spain. Ifelt the intense Venetian manner sense of color and vivid even more replicacolor came to Japan of Toledo Cathedral "Cloth deprivation".




 スペインのカトリックの総本山・トレド大聖堂は、1226年に建設を開始して、1493年一応の完成しましたが、細部の増改築は19世紀まで続きました。根幹はゴシック式ですが、それぞれの時代の建築様式や装飾技法が至る所に見て取れるのが特徴です。鐘楼の高さは約90メートルあります。



 『聖衣剥奪』はエル・グレコがスペイン移住後の初仕事としてトレド大聖堂から製作を依頼され、エル・グレコの傑作『聖衣剥奪』です。ゴルゴタの丘へと向かい十字架に架けられる直前のキリストが、ローマの兵士によって着衣を剥ぎ取られようとしている情景が描かれていて、直前に衣服を剥がれる姿を鮮やかな色彩で描いた大作です。この作品は、自身によるレプリカが昨年東京都美術館で開かれた「エル・グレコ展」で来日しましたが、本物は見上げるほど大きな大作で、色彩が来日したレプリカより一層鮮やかで激しいヴェネツィア派的色彩感を感じました。




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 エル・グレコ『聖衣剥奪』は、トレドの大聖堂の聖具室の祭壇のために1577年の夏に制作が行われました。この作品をトレド大聖堂へ納めたエル・グレコに対し、大聖堂側は「キリストの頭より群衆の位置が高い」「マリア様が3人もいる」とクレームを受けたそうですが、これがエル・グレコ絵画のりまさに本領というべき特色だと思います。キリストの頭を群衆の位置より高くしていないことで、場面に強い臨場感を与えています。3人の女性の視線は、イエスが磔にされる十字架に向けられていますが、3人のマリアは黄色い衣服を着た女性がマグダラのマリア、青い衣服聖母マリアを表し、この後のピエタを連想させます。



 エル・グレコは、この作品で16世紀中期および後期のマニエリストに共通する画面のスペースを限りなく少なくする手法と頭を重ね合わせて群衆を作る後期ビザンティン絵画の手法を用いました。「異常なまでのオリジナリティの傑作」と言われ、強力な色づかいと、力強いタッチ、ビザンティン美術でのイコンの崇高さを思わせ、西洋美術では珍しく、独創的な構成であったため大聖堂参事会側から非難されましたが、この苦情にも関わらず作品は話題になり大きな成功を収めました。



 「ミケランジェロを想起させるモニュメンタルなキリスト、画面左下の三人のマリアや浅い奥行きの画面構成に見られるマニエリスムの影響、激しいヴェネツィア的色彩など、イタリアでの研鑽がみごとに開花していることを示している。」と記されていますが、エル・グレコが目標としたのは、ミケランジェロに匹敵する新しい絵画の創造であったと言われています。



 





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 トレドは美しい町ですが細い石畳の路地網の目のように針組んだ迷路のような街でもあります。旧市街の中、ソコドベール広場は旧市街歩きの出発点で、アルカサルに寄り道しつつ、大聖堂を経由してエル・グレコの家まで行けます。エル・グレコが住んでいた場所に建っているのが「エル・グレコの家」は、アトリエから台所から家具調度類に至るまで16世紀の生活の様子が再現されています。エル・グレコの家は美術館になっていで、トレドの町を北側から描いた作品『トレド鳥瞰図』やキリストの12使徒の連作があります。アルカンタラ橋に近く「聖母マリアの昇天」、「受胎告知」やリベーラ、ゴヤの作品がなどかあるサンタ・クルス美術館、タベーラ病院などもあります。時間が少なくてゆっくり見ることができませんでしたが、ゆっくりトレドの魅力を味わうには、トレドに1日滞在する必要があるようです。




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 アルカサルは、11世紀にイスラム勢力からトレドを奪還したアルフォンソ6世が、この地に城塞を建てたのが最初でした。何度も破壊と修復が繰り返され、1936年のスペイン内戦時に、フランコ軍の72日間にも及ぶ籠城戦で崩壊。再建後は、甲冑や剣などが展示された「軍事博物館」となっています。




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 遠巻きから観たトレドは、古代ローマの町のようにも見えこの独特のトレドの地形が、多くの民族の天然の要衝の地となったのかもしれません。紀元前200年ごろはローマ帝国の支配下にあり、5世紀前半は 西ゴート族の都、8世紀前半のアラブの前ウマイア朝の支配下にあり、レコンキスタで、カスティーリャ王国のアルフォンス6世によりトレド奪回により王国の首都と定められ、フェリペ2世のマドリードへの首都移転までトレド繁栄の歴史が続きました。



エル・グレコの魅力  

文字をクリックすると、リンクしてエル・グレコ美術の詳しい総説を見ることができます。


Charm point of El Greco
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参考文献

神吉敬三ほか「カンヴァス世界の大画家 12 エル・グレコ」(中央公論社)

スペイン製 ガイドブックトレドのすべて TODO TOLEDO スペイン語版 写真集

トレド市オフィシャル観光局サイト










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by desire_san | 2014-10-15 23:52 | スペイン美術の旅 | Comments(14)
Commented by bernardbuffet at 2014-08-31 19:30
懐かしいですね。
トレドはまた行きたくなる街です。
イスラム支配下にあったスペインの中で中世の雰囲気を感じられるとても綺麗な街ですね。
Commented by bonjinan at 2014-09-01 07:46
エル・グレコへの理解が深まりました。ありがとうございます。
Commented by desire_san at 2014-09-01 08:29
トレドが今も観光客が集まるのは、エル・グレコの貢献が大きいですね。当時時代を先取りしすぎて当時の人には分かりにくかったエル・グレコを迎え入れたのは、この町にとっても幸運だったようですね。
Commented by Ich at 2014-09-05 12:17
こんにちは^^
トレド・・・、また来れると思ってマドリッドまで行っていますのに通り過ぎてしまいました。残念>< 『聖衣略奪』はそのような大作なのですね。色も鮮やかのようで観てみたかったです。エル・グレコの偉大さが更にアップしましたでしょうにシャーデ! 
Commented by rollingwest at 2014-09-07 08:58
トレド大聖堂は実に見事ですね!まさに神に向う祈りの塔だ。
Commented by tkomakusa1t at 2014-09-07 11:36
サンタ・マリア・デ・トレド大聖堂、素晴らしいですね。
歴史を感じます。中もすごいですね。
この日は快晴だったのですね。青空に似合います。
写真、素敵です。
Commented by desire_san at 2014-09-18 10:51
Ich そん、いつもコメントありがとう後妻゛ます。
ドリッドからトレドは車で役時間暗いです。私は忙しい日帰り旅行でしたが、できれば1泊してゆっくり味わってみたい町ですね。エル・グレコの作品は、私が見たほかにもたくさんあるようです。
Commented by desire_san at 2014-09-18 10:52
トレド大聖堂は、スペインを代表する大聖堂ですね。もっとゆっくり見たかったですね。
Commented by desire_san at 2014-09-18 10:57
トレドには、サンタ・マリア・デ・トレド大聖堂をはじめとした魅力的な教会がたくさんあるそうです。やはり1日滞在してゆっくり見たかったですね。路地が迷路のように走っていて、写真はすごく撮りにくいですね。膨大なひどい写真から選んで、お見せできるのはこれだけでした。
Commented by srack_erand_558 at 2018-09-24 17:07
旧市街の端っこに位置するエル・グレコ博物館。
「トレドの眺望と地図」は館内を歩いていて後半にあります。是非この作品を目に焼き付けて、トレドの実際の景色を見ると、印象に強く残ります。

Commented by Warkolmeit at 2018-09-24 17:10
ロイヤルオペラハウスシネマでデイヴィッド・マクヴィカー演出版やるの楽しみです。そして来年9月には同演出、豪華キャスト(グリゴーロ、ヨンチェヴァ、イルデブランド・ダルカンジェロの予定)で来日、楽しみすぎます!
Commented by ZVVbv_77 at 2018-09-24 17:11
 115年前、1894年(明治27)年11月24日に東京音楽学校(現東京藝術大学)宮内省式部職付属音楽学校奏音堂(上野奏楽堂)で、グノーの歌劇「ファウスト」の第1幕「書斎の場」が管弦楽伴奏で舞台上演され、これが日本で最初に上演されたオペラ音楽と言われ、11月24日はオペラの日になっているそうです。
Commented by Primadonna_55 at 2018-09-24 17:14
ファウストの中のバレエ音楽は、よくアマチュア楽団などで演奏される平易な曲ですが、これはオペラの初演後10年もたってからオペラ座で上演するために無理に追加した曲で、(オペラ座での上演はバレエつきのGrand Opera様式である必要があったため)、グノーの弟子の作との説もあります。確かに本編とは音楽の完成度がだいぶ違うし、また緊迫した悲劇的ストーリー展開の妨げにもなるため、少し前まではオペラ上演時にこのバレエはほとんど付加されていませんでした。今回の演出では、バレエは重視していなかったようですね。
Commented by Gouder_priskaya at 2018-09-24 17:18
2004年にマクヴィカーの演出で強烈な振付のバレエが挿入され、そのあまりに驚愕する天才的バレエで一躍ファウストの目玉にのしあがってしまいました。今も繰り返し上演されているプロダクションですが、あり得ない凄い演出で、これならバレエの入る必然性あると思いました。こんな風に、初演後150年以上もたってから、新しい息吹がふきこまれるって、オペラってすごいですね。