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心に残った自然とアート   

ピエロ・デラ・フランチェスカ『キリストの鞭打ち』『セニガリアの聖母』

ウルビーノ    マルケ美術館
Piero della Francesca in Urbino
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 ラファエロが生まれたウルビーノに意外とラファエロの作品がありません。ドゥカーレ宮殿内にマルケ美術館が入っていますが、マルケ美術館にはラファエロの作品は昨年のラファエロ展で来日した「耳の聞こえない女」のみです。むしろマルケ美術館は、ピエロ・デラ・フランチェスカの傑作が2点所蔵されていることで注目されています。



ピエロ・デラ・フランチェスカ 「セニガリアの聖母」 1470年代
a0113718_22514232.jpg 厳粛な面持ちの聖母マリアと祝福のポーズを取る幼子イエスを中心に、左右へ2天使を配した聖母子です。通常より高いところに消失点を設定しほぼ人物の手のところにあり、楕円形に並ぶ聖人たちがモニメンタルな印象を与えます。部屋へと射し込む柔らかい光の表現や、柱や壁、小物などに見られる細密な描写にネーデルランド絵画の影響が指摘されています。 光と空間の有機的な結合により再現された明確な画面構成、人体の構造的表現、ピエロに典型的な細密描写、敬虔を意味する穏やかな聖母子の表情などは、極めてピエロ・デラ・フランチェスカの特徴をよく示しており、屈指の良作としても知られています。

The Flagellation is generally considered Piero's oldest work in Urbino. It is one of the most famous and controversial pictures of the early Renaissance. As discussed in its own entry, it is marked by an air of geometric sobriety, in addition to presenting a perplexing enigma as to the nature of the three men standing at the foreground.


ピエロ・デラ・フランチェスカ 「キリストの鞭打ち」
 この作品は構図遠近法を用いかなり考え抜かれて描かれた作品と推定されます。画面は神殿を支える円柱により二つの場面に分割され、左の神殿の中でキリストが鞭打たれています。左側の場面では、柱に立つ洗礼者ヨハネが描かれています。右側半分の屋外の三人の人物は大きな部分を占めているのは当時はよく知られた人物でと考えられ、中央の赤い服を着た裸足の若い男がフェデリーコ・デ・モンテフェルトロの異母弟オッダントニオ公だとの説があります。

a0113718_22524761.jpg ピエロ・デラ・フランチェスカはアルベルティの研究を学んで立体測定法の理論を学んでいたといわれています。乳白色の光を浴びる古典風の神殿の描き方はその成果かも知れません。絵の空間は緊張感を持って統一されており、唯一の消失点を設定することでこの統一が達成されています。見る者は画面中央に設定された一つの視点から絵を見ることになります。普通の画家ならあり得ないような構図で画面をまとめ上げるピエロ・デラ・フランチェスカの卓越した画面構成力を感じます。


 人物との間にはまばゆいまでに澄み切った朝の空気が表現されていて、キリストの鞭打ちに立ち会う人々を包み込む透明な空気感の効果が、この絵に独特の静けさと神聖な雰囲気を与えています。

In Urbino Piero met the painters Melozzo da Forlì, Fra Carnevale and the Flemish Justus van Gent (or Joos van Wassenhove or Giusto di Gant), the mathematician Fra Luca Pacioli, the architect Francesco di Giorgio Martini and probably also Leon Battista Alberti.


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by desire_san | 2014-10-31 23:00 | イタリア・ルネサンス美術の旅 | Trackback(2) | Comments(4)
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Tracked from dezire_photo.. at 2014-11-02 21:04
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Commented by Keiko_Kinoshita at 2014-11-01 15:23 x
ピエロ・デッラ・フランチェスカは「キリストの復活」をサンセポクロで見て感動しました。キリストは理想化して描かれておらず、脇腹からは血がしたたり落ち、上げた左足によって腹部にはしわが寄っていましたが、右手には、死に打ち勝ったことを象徴する白地に赤の十字架が描かれた旗を持って、じっと見つめる目の下にできたたるみすえていました。作家のオルダス・ハクスリーが「世界で最も素晴らしい絵」と評したのは、キリストの「肉体的、知性的な力」を感じて良く分かりました。
Commented by desire_san at 2014-11-01 15:29
Kinoshitaさん、コメントありがとうございます。
私もピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの復活」をみました。サンセポクロのところで詳しくレポートしようと思いますが、Kinoshitaさんが書かれているようにすばらしい作品で、感激しました。
Commented by Ruiese at 2014-11-01 20:37 x
ラファエロはウルビーノに生まれたとういうのは初めて知りました。
若きラファエロの師でもあったペルジーノペルージャ近郊に生まれ、フィレンツェのヴェロッキオの工房にて油彩を習得したことから、ラファエロもウルビーノではほとんど絵をかいていなくて、フィレンツェでペルジーノと出会ったのですね。ペルジーノはイタリア中から高い評価を受けていましたが、宗教改革の影響での祭壇画が散逸して残っていないようですね。
Commented by Haruna_Takahashi at 2014-11-02 08:58 x
「キリストの鞭打ち」は分かりにくいえですね。ピエロ・デッラ・フランチェスは当時一流の数学学者でもあり、数学理論に基づく正確無比な構図にに従っているようです。屋内の「キリストの鞭打ち」と右側の屋外の三人が描かれた二つの場面から構成されています。
左側の場面の解釈は簡単ですが、それでもギリシャ風の柱に立つ洗礼者ヨハネが描かれているのには少し驚きます。中央の赤い服を着た裸足の若い男がフェデリーコ・デ・モンテフェルトロの異母弟オッダントニオ公だとの説があります。?外で何をしているのは良く分かりません。
しかしなんとも魅力のある絵ですね。

by desire_san