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心に残った旅・芸術とアートとの出会い   

ヒットラーが愛した、ワーグナー音楽が凝集された唯一の喜劇的なオペラ

ワ-グナー『ニュルベンベルグのマイスタ-ジンガ-』

DieMeistersinger von Nürnberg From Richard Wagner


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 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、初期の習作的な作品を除いて、ワーグナーのオペラの中で唯一の喜劇的なオペラとなっています。また、神話や伝説の話を題材にしているワーグナーの作品あって、歴史的時代の特定できる実話を題材とした作品で、前作の『トリスタンとイゾルデ』が半音階的な手法の滑らかな流れの中で淡い感じの音楽になっているのに対し、『マイスタージンガー』は全音階的な手法によりはっきりとした明るい音楽を持ち味にしています。イタリアオペラのような滑稽な喜劇ではなく、演奏時間も4時間半に及び、第3幕の歌合戦に向けて、ワーグナーの重厚な音楽による壮大なドラマとして、ザックスの諦念な話が軸となっており、まさにドイツオペラらしい作品と言えます。






DieMeistersinger von Nürnberg is a music drama in three acts, written and composedby Richard Wagner. It is among the longest operas still commonly performedtoday, usually taking around four and a half hours.



 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の第1幕への前奏曲では、本編で使われる主要なライトモティーフを次々と提示することで、巨大な楽劇の全体像を映画の予告編のようにわずか10分間に凝縮して聴かせる点もワーグナーならではの卓越した手法といえるでしょう。


【第1幕】

a0113718_22463212.jpg 時は16世紀中頃、舞台はドイツのニュルンベルク。この街にやって来た騎士ヴァルターは、聖カタリナ教会でエファと出会います。音楽は、「トリスタンとイゾルデ」のように、2人の互いに対する想いが音楽で示され、合唱の合い間にオーボエの「愛の動機」が演奏され、2人に恋愛感情が芽生え、二人は互いに惹かれ合うことを示します。しかし、エファの父で金細工の親方ポーグナーは、明日、聖ヨハネ祭で行う歌合戦の優勝者に全財産とエファを与えることとしていました。ヴァルターは歌の世界は未知の領域ではあるが、必ずマイスタージンガーとなりエファと結婚することを宣言し、これにエファとマクダレーネが「愛の動機」の旋律で加わり、美しい三重唱が展開されます。ヴァルターは歌合戦に出場するための資格試験を受け、堂々と自分の歌を歌い始めました。しかし、試験の記録係をしていた市の書記官ベックメッサーもエファとの結婚を望んでいたいため、彼はヴァルターというライバルの出現を快く思わず、厳格に採点して失格にさせてしまいます。しかし靴屋の親方ザックスは、ヴァルターの歌に新しい可能性を感じていました。



【第2幕】

 聖カタリナ教会における礼拝の合唱(コラール)は、斬新な幕開けです。ヴァルターが試験の結果を知ったエファは、親方ザックスに相談しようとしますが、実はこのザックスも、遠い昔に妻を亡くし、エファに愛情を持っていた一人でした。しかし、彼は若いヴァルターとエファのことを考え、自分の想いを諦めることとします。深夜に繰り広げられた大乱闘の喧騒の中、ヴァルターはザックスの自宅に引き入れられ翌朝を迎えた。ザックスはヴァルターが見た夢をもとに歌作りの極意を教えていきます。

 翌朝、自らの家にヴァルターを招き入れたザックスは、ヴァルターが見た夢を歌にするように勧め、「歌の規則」に従って一つの歌を完成させます。

 

 エファは魔法にかけられたようにヴァルターを見詰め続け、ついに泣き出しザックスの胸に顔を埋める。ヴァルターはそんな2人に歩み寄り、万感の思いを込めてザックスの手を握ります。しばらくの沈黙の後、ザックスは意を決したようにエファを引き離し、その身をヴァルターに預けます。オーケストラは「靴作りの歌」の旋律をベースにした音楽を奏で、ザックスは突然、怒りを爆発させます。すべてを悟った賢人のように振舞っていたザックスもやはり、ひとりの男性でした。密かに思いを寄せていたエファを事もあろうに自分の手で若き騎士と結び付けたことにやるせない気持ちを爆発させたのです。ワーグナーにより掘り下げられた人間の心理描写を象徴的なシーンです。


 ダフィトを探しに行くふりをして部屋を出て行こうとするザックスをエファが必死に引き止める。彼女はザックスの心中を理解して再び彼に身を寄せて、心からの感謝の言葉をます。場合によっては自分の夫になるべき人はザックスだったのかもしれない。しかし、何の巡り会わせか、このような事態になったこと、そしてザックスの存在によって自分も成長できたことを切々と訴えます。


a0113718_22472476.jpg エファの胸の躍動感が弦楽器を中心とした美しいフォルティシモの響きを奏でて表現します。エファの視線はヴァルターにクギ付けになり、ヴァルターも着飾ったエファの美しさに圧倒され、扉の前に立ち尽くす。ザックスはそんな2人の様子に気付いているのかいないのか、靴を直す作業に取り掛かります。靴職人としての境遇を嘆き、エファへの想いを諦めたような"独り言"を呟きながら、「せめて仕事に合わせて、誰か歌でも歌ってくれれば。今朝、美しい歌を聴いたけれども、3番目のバールは出来たのかな?」とヴァルターに第3バールの披露を促す。ヴァルターは3つ目のバールを歌い始め、歌をついに完成させる。ザックスは「よくお聴き、これこそマイスターの歌だよ」と仕事を続けながらエファにささやく。2人にとって運命の歌合戦を前にザックスの"お墨付き"を受けます。


 ベックメッサーが現れ、歌が書かれた紙を見つけると、ザックスはほしいなら進呈しようと言うと、ザックスの歌と勘違いしたベックメッサーは喜んでもらい受けます。

 


 第3幕の前奏曲もザックスの心情を音楽で凝集し、ワーグナーの作曲の力量を見せつけます。チェロが奏でる旋律は「諦念の動機」、この旋律は、第2幕にザックスが靴を作りながら、駆け落ちをしようとするヴァルターとエファを牽制し、ベックメッサーの求愛を邪魔するために大声で歌った「靴作りの歌」の背後でオーケストラによる対旋律の形でさり気なく提示されていた音楽です。この「諦念の動機」次にホルンとファゴットで演奏されるのが、歌合戦の場面で歌われるコラール「目覚めよ、朝は近付いた」の旋律です。ワーグナー自身による注釈によると、この歌の歌詞は実在したハンス・ザックスがマルティン・ルターの宗教改革を讃えて書いたもので、ザックスの詩人としての名声を不動のものにした音楽だそうです。この旋律も他の楽器に受け渡されたていき、弦楽器が第2幕、ザックスの「靴作りの歌」の一部を優美に演奏します。前夜の出来事を回想させるとともに、ザックスの眼差しの先に日常を超越した"高み"があることを表現し、ザックスの人間としての成熟を表現しているようです。再び「目覚めよ」の旋律がホルンで力強く回想された後、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トロンボーン、弦楽器の強奏で「諦念の動機」に回帰しザックスの穏やかな心境を感じさせて、幕が開きます。


【第3幕】

a0113718_22481000.jpg 遠くにニュルンベルクの街並みが見えるペグニッツ川のほとりにある平原。舞台上で演奏されるファンファーレとともに同業組合の人々が入場します。「マイスタージンガーの動機」「タヴィデ王の動機」(とともにマイスタージンガーたちが威風堂々と行進。先頭には旗を掲げたコートナーの姿が見える。徒弟たちは整列して出迎え、民衆は道を空けて歓迎する。殿しんがりにザックスが現われると、人々は第3幕への前奏曲にも使われたコラール「目覚めよ、朝は近付いた」を合唱し、敬意を表します。


 ザックスは人々の尊敬の念に対して謝辞を述べ、歌合戦の意義などについて語ります。優勝者が獲得する賞についてエファへの配慮と思いやりに溢れた言葉に父親のポークナーは感激します。


 ベックメッサーはザックスからもらった歌を歌いますが大失敗。ザックスはこの歌の真の作者としてヴァルターを迎え入れます。


 ヴァルターは朝作った応募曲「朝はばら色の光に輝き」を歌い始めます。完成形で披露されるこの歌、実際、マイスターによる歌合戦の優勝歌にふさわしい説得力に富んだ素晴らしいもので、オーケストラが重層的に伴奏をつけながら徐々に盛り上げていく。ヴァルターの感情の高まりと、それを聴く人々の興奮が実に生き生きと伝わってきます。


 人々はヴァルターの歌を絶賛彼はめでたく歌合戦の優勝者と認められ、エファが月桂樹とミルテで編んだ冠をヴァルターの頭上に載せます。ポークナーはザックスに感謝し、マイスタージンガーたちからの「ユンカー殿(ヴァルター)にマイスターの称号を」との声に促されて、3つの記念メダルの付いた黄金の鎖をヴァルターに渡そうとします。ところが、この若い騎士は毅然として「マイスターなんかまっぴらゴメンだ」と受け取りを拒否。一同、唖然とし言葉を失います


 おもむろに歩み寄ったザックスは「マイスターをないがしろにせず、その芸術を敬ってもらわなければいけない」と説き始めます。ザックスはマイスターたちが培ってきたドイツ芸術の精神の尊さ、価値の高さを静かに語ります。「たとえ神聖ローマ帝国が煙のように消えてもドイツの神聖な芸術はいつまでも残るであろう」とのザックスの言葉は、当時のワーグナー自身が思い描いていた芸術に対する理想でもあります。


a0113718_22491028.jpg エファはこの演説の間にヴァルターの頭上から冠を取りさり、ザックスに被せる。一方、演説を終えたザックスはポークナーからメダルの付いた鎖を受け取り、ヴァルターの首にかける。人々は大合唱で「ドイツのマイスターを敬え」とザックスの演説の言葉を繰り返し、「ニュルンベルクの宝、ザックス万歳!」と讃えて、この巨大な人間劇は幕となる。民衆を感動させ、優勝しました。ヴァルターは、エファとの結婚を実現させます。彼女の父ポーグナーからマイスタージンガーの称号を譲ろうと言われますが拒否しようとすすると、ザックスは彼に伝統芸術を継承する大切さを説きます。人々はザックスの徳を讃えたのでした。


Thestory takes place in Nuremberg during the middle of the 16th century. At thetime, Nuremberg was a free imperial city, and one of the centers of theRenaissance in Northern Europe. The story revolves around the real-life guildof Meistersinger (Master Singers), an association of amateur poets andmusicians, mostly from the middle class and often master craftsmen in theirmain professions. The mastersingers developed a craftsmanlike approach tomusic-making, with an intricate system of rules for composing and performingsongs. The work draws much of its charm from its faithful depiction of theNuremberg of the era and the traditions of the mastersinger guild. One of themain characters, the cobbler-poet Hans Sachs, is based on an actual historicalfigure: Hans Sachs (1494–1576), the most famous of the historicalmastersingers.



 中世ドイツでは職業分野において同職組合が組織されていきます。職人として研鑽を積み、試験に合格することで、晴れて親方の地位を得ました。マイスタージンガー(職匠歌人)もその組合の一つで、例えば、靴工、板金工、理髪師などの職人が入っていて、コンテストでその歌の技術を競い合っていました。ザックスは実在したマイスタージンガーで、6000を超える作品があります。 


 ベックメッサーは、ワーグナーを批判・攻撃していたハンスリックという音楽批評家がモデルと言われています。ヴァルターという新しい芸術の体現により自らの芸術を賛美しています。従って、ヴァルターにはとても見事なアリアを歌わせています。ザックスに最後にドイツの伝統芸術のすばらしさをも主張させ、ワーグナー自身の芸術、そしてドイツの芸術のすばらしさを、歌い上げたオペラとなっています。


 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』には対位法やバツハのコラールなども含めワーグナーのあらゆる音楽技法が詰め込まれ、重厚で深みのある音楽を味わうことができました。それとともに興味俯瞰感じたのは、この曲を作曲した時、ワーグナーは50歳を超えており。人間的にも成長し「芸術はいつまでも残るであろう」と語るザックスは、ワーグナー自身の投影のように感じました。事実、ワーグナーの音楽は21世紀になった現代でも人々の心を揺さぶり感動させる力を失っていません。


DieMeistersinger von Nürnberg occupies a unique place in Wagner's oeuvre. It isthe only comedy among his mature operas , and is also unusual in being set in ahistorically well-defined time and place rather than a mythical or legendarysetting. It is the only mature Wagner opera to be based on an entirely originalstory, devised by Wagner himself. It is also the only one of Wagner's matureoperas in which there are no supernatural or magical powers or events. Itincorporates many of the operatic conventions that Wagner had railed against inhis essays on the theory of opera: rhymed verse, arias, choruses, a quintet,and even a ballet. Die Meistersinger is, like L'Orfeo, Capriccio, and Wagner'sown earlier Tannhäuser, a musical composition in which the composition of musicis a pivotal part of the story.


a0113718_22495755.jpg 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、ヴェルディが晩年の人生の総決算として『ファルスタッフ』に相当する作品かもしれません。しかし、『ファルスタッフ』は天上の世界に誘われる様な清澄で幻想的で、夢を見ているような人間喜劇に仕上がっています。ヴェルディのような大作曲家が「世の中すべて冗談」と笑い飛ばす人間的なスケールの大きさは心憎いばかりです。


Verdimasterpiece of his later years "Falstaff" is a fantastic in such afining be invited to the heavenly world, is the human comedy like watching adream.Human magnitude of scale that laugh as a "world all joke" isgreat. "Nuremberg Meistersinger" preached the "importance ofinheriting the traditional arts", there is indeed Germany specific and fullof theory, I can not laugh by watching "Nuremberg Meistersinger".


 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は音楽的な中身の濃さ、完成度という点ではすばらしくも「オペラの価値は音楽にある」という方には最高のオペラかも知れません。しかし、最後まで「伝統芸術を継承する大切さ」を説く理屈っぽさはいかにもドイツオペラらしいといえます。


 また、これはこのブログを読んでいただいた方から教えて頂いたことですが、ヒットラーはワーグナーの音楽を熱愛していましたが、そのなかでも特に『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を絶賛していました。『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の第三幕フィナーレでザックスによって「・・・・、たとえドイツが、外国からの圧迫に屈し・・・、聖なるドイツの芸術だけが、われわれの手に残ることになるのです」と歌われる雄大なスケールの名アリアが、戦前ナチスのドイツ精神の高揚をたたえるものであり、民衆の合唱がナチ・ドイツの精神と重なるとして、ナチスの時代上演が繰り返されたようです。ナチスの党大会でも演奏させ、国民に国威を発揚させるプロパガンダとして使われたそうです。1943年のフルトヴェングラー指揮によって上演された『ニュンベルクのマイスタージンガー』では、ヒットラーの側近ゲッペルスの挨拶のあと、第1幕の前奏曲で始まり途中から第3幕の後半、歌合戦の場面に変わるという映像も残されていいます。



 この楽劇上演でザックスを演じた歌手ルドルフ・ボッケルマンは、ヒットラーお気に入りの当時最高のワーグナー歌手だったそうで、敗戦後引退に追い込まれることになったそうです。ヒットラーの庇護を受けたバイロイト音楽祭も、戦後6年間も開かれず、1951年に再開され、戦中ドイツに留まったフルトヴェングラーも、ベルリン・フィルに復帰したのは1947年でした。もちろん、これはこの楽劇を制作したワーグナーの責任ではありませんが、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』にはそのような要素が潜在していることも事実だと思います。反ユダヤ主義を掲げたヒットラーに利用されたため、現在でもイスラエルではタブー視される音楽です。


 いずれにしても、ドイツオペラの代表作ベートーヴェンの『フィデリオ』やウェーバーの『魔弾の射手』は真面目すぎて面白くないと感じます。そういう意味では『ニュルンベルクのマイスタージンガー』も私の趣味としてはも何度も観たいオペラとはいえません。異次元の陶酔の世界に誘い込んでしまうほど音楽に力のあるワーグナーも、この作品では一人のドイツ人の枠に入ってしまい、イタリアオペラのような生きる喜び、人生賛歌を歌い上げる『ファルスタッフ』のような作品は作れなかったように感じました。

2015.8.METライブブューイング)





















by desire_san | 2015-09-24 22:55 | オペラ | Trackback(2) | Comments(13)
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Commented at 2015-09-26 20:33
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by desire_san at 2015-09-27 12:38
恵keiさん、コメントむありがとうございました。
「風のめぐみ」のブログもすてきな花の写真などすばらしく、「恥ずかしい」なんてとんでもない!
私もお気に入りに登録させていただきました。
これを機会に、よろしくお願い致します。
Commented by rollingwest at 2015-09-28 06:11
芸術の秋ですが、貴殿の場合は一年中ですね。小生は芸能番組が1年中かな・・(苦笑)
Commented by Haruma_Takahssh at 2015-09-28 09:25 x
こんにちは。
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は何年か前にザルツブルクで観ました。ワーグナー自信を投影したようなハンス・ザックスの机の上や工房を舞台に繰り広げられる世界、ワーグナーの創造力の世界での登場人物たちがおもちゃのようで面白さが詰まったワーグナーの音楽でした。マイスタージンガーから芸術を愛するひたむきな心や音楽的博愛心や美しいドイツの魅力を見せていました。ワーグナー作品の登場人物のすべてはワーグナー自身の投影のようなかんじもしました。
Commented by Keiko_Kinoshita at 2015-09-28 09:33 x
こんにちは。
ご指摘のように、「ファルスタッフ」は「ニュルンベルクのマイスタージンガー」をうわまわる素晴らしい「人間讃歌」の喜劇オペラと言えますね。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」はドイツ芸術もの栄光を歌っていて、ドイツ芸術に関係ない人にはドイツ民族礼賛のような面があり、それがナチに利用される様な要素になったような気がします。喜劇として楽しめるのはモーツアルトも含めてイタリアオペラですね。たしかに、ドイツ人とイタリア人の気質の違いからくるものかもしれません。
Commented by Ruiese at 2015-09-28 09:49 x
私もMETライブブューイングで『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を観ました。『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、 中世貴族が没落し、政治や文化に市民が影響力を持つようになった改革の時代。 古い習慣を打破する新しい才能は、伝統の下地があってこそ花開くというメッセージが込められているドイツ芸術の素晴らしさを讃える楽劇ですね。 特に明るく壮大な前奏曲はすばらしかったです。舞台装置や演出から当時の民衆の生活や職人の仕事ぶりが伝わってきて、良かったと思いました。
Commented by Masayuki_Mori at 2015-09-28 12:01 x
こんにちは。興味深く拝読させていただきました。以前新国立劇場の舞台で観た『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を思い出して、考えさせられました。
 ヴァルターは世に受け入れられない芸術家で職人の町ニュルンベルクのアウトサイダーだが、陰りがない。エファと結婚としたいとひたすら生きでいる若者です。エファと駆け落ちすると言ったって食べて行けるのでしょうか。それに対してザックスは人生の達人。みんなから尊敬され、ベックメッサーを衆人の笑い者にする意地の悪さも持ち合わせています。びっきりの「イイ男」なのに年寄りで貧しく過去の人間でと過小評価し自分が出る幕ではないと感じているのです。この二人の男から愛されるエファは、若く美しいヴァルターに一目惚れしますが、、ザックスへの愛も捨てがたい。私たちから見ると彼女はマイスターの娘だし、ザックスにエーファ自分と再婚しないのと感じます、その後のヴァルターの駆け落ち計画を瞬時に了解するのは、ザックスにやんわりと振られたことへの当てつけの意味もあります。それに対してザックスは彼女を諌めますが、エファは「浮世には煩わしい掟もあるし、思い通りってわけにもいかない、きれいじゃないけど、それが楽園なのさ」というザックスの言葉の真に意味を、頭ではなく心で受け止めます。ヴァルターの歌がマイスターの歌となった時、靴屋の愚痴の形でザックスが吐露する心の痛みをエファはやっと理解します、過去がそっと身を引き、自分を未来に引き渡すのだと。その未来は輝かしい過去に相応しいものになるべきなのだと。
 未来を求めるヴァルターと静かに過去を身にまとうザックス、その間で過去と未来の間で揺れ動き、結局、過去に背中を押されて未来へ踏み出すエファ。未来はどうにでもなりますが、過去はもうどうにもなりません。過去の結果であり、未来の足場であると考え前に一歩踏み出す決意をするのです。
 舞台ではザックスの方がヴァルターより魅力的で、なぜザックスが身を引いてしまうのか、エファはザックスを選んだ方が幸せになれるのに、という気持ちが最後まで残ってしまいました。
Commented by desire_san at 2015-09-28 13:31
Takahsshi さん、いつもブログを読んでいただいてありがとうございます。
「ワーグナー作品の登場人物のすべてはワーグナー自身の投影」という見方はそう意識してみるとそうかもしれませんね。
Commented by desire_san at 2015-09-28 13:34
Kinoshitaさん、いつもありが゜とうございます。
「ファルスタッフ」はイタリアオペラ、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」はドイツオペラなんですね。生きる喜びを感じさせるのは、やはりイタリアオペラのせかいなんですね。
Commented by desire_san at 2015-09-28 13:36
Ruieseさん、コメントありがとうございます。
『ニュルンベルクのマイスタージンガーは、ドイツ芸術の素晴らしさを讃える楽劇というお考え、私も同感です。
Commented by desire_san at 2015-09-28 13:42
Moriさん、いつも私の記事を丁寧に読んでくださりありがとうございます。
舞台では、ザックスは非常に魅力的な人物に描かれているのに対して、ヴァルターは体格の良いオペラ歌手が演じているのでそんなに若くハンサムなではないいので、ザックスがエファと結婚した方がよいのに、私も思いました。
Commented by snowdrop-momo at 2015-10-02 18:31
「マイスタージンガー」はずっと見たいと思っていたオペラで、この春、画質と音質のよさそうなDVDを入手しました。今回の詳細な記事を拝読して、また鑑賞したくなってきました。

個人的にはワーグナーの作品でより好きな方に入ります。おそらく、音楽の美に陶酔するより、民族色に興味をもつ質だからかもしれません。初めて独墺を旅した時、ドイツの作曲家たちを生んだ風土を肌で感じ、感激したのを思い出します。
Commented by desire_san at 2015-10-11 09:01
snowdrop-momoさん、いつもブログを読んでいただいてありがとうございます。ご返事が遅れてすみません。
「マイスタージンガー」は他のワーグナーの楽劇と同様、あるいはそれ以上に音楽が緻密にできていて、音楽としての完成度が極めて高い作品だと感じました。 ただ、ドイツ民族の誇りを歌い上げるフィナーレは、ヒットラーにも好まれ、ドイツ人を鼓舞するのにも利用されたという説もあり、個人的には、そういう性格のないイタリアオペラモーツアルトのオペラの方が好きです。もちろん、「マイスタージンガー」が偉大な傑作オペラであることには異論はありません。