ピエロ・デッラ・フランチェスカ『ミゼリコルディア祭壇画』
Sansepolcro

サンセポルクロの市立美術館には『キリストの復活』に匹敵するピエロ・デッラ・フランチェスカの現存する祭壇画の最高傑作『ミゼリコルディア祭壇画』があります。
The Polyptych ofthe Misericordia is one of the earliest works of the Italian Renaissance masterPiero della Francesca's, located in the Pinacoteca Comunale of Sansepolcro. Thecentral panel is of the common motif of the Virgin of Mercy or Madonna dellaMisericordia in Italian. The Madonna della Misericordia or Virgin of Mercy is atraditional motif in Christian art which displays the Virgin Mary with anoutstretched mantle. In the image, she uses her mantle to protect herworshippers.
ジョットに始まるルネサンス美術のリアリズムを飛躍的に発展させたのはマザッチォだと思います。マザッチォの無骨なまでの写実的な絵画は、劇的で躍動感があります。裸体画像は記憶に生き生きと焼き付く力があります。その躍動感は、絶妙に劇的で不調和なものを絵画画面に潜ませているさえも感じます。

聖セルバンテスは、超越的な金色の奥行きのない空間に肉体と骨とでてきた現実空間を作り出しています。秩序だった左右対称の構図のうちに、典礼を思わせる荘厳な身振りが納まっています。
ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵画は、激しい苦痛に満ちた感情さえもが、あらかじめ定められた法則と全体をまとめる均衡のなかにまとまっています。秩序の感覚は、人体の動きの完全な欠如を感じさせることもあり、彼の作品の特徴に由来するのかもしれません。
どんな激しい動きであっても、その絶頂の瞬間の頂点に封じ込められ、統一空間に厳密にはめ込まれてしまって、偶然に動き回るものが入り込む余地が無いように感じさせます。
聖告を受ける聖母は、大きなマントでクープラのような身体を包み、現実では日常的と言える程度の驚きの表情を見せています。断食でやせた老人も、ピエロ・デッラ・フランチェスカにかかると、背筋を伸ばしたたくましい身体をもつ自らの理想像として描いてしまうのです。
この動きの欠如とも思える画法が、長い間ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵画を古い様式に感じさせ、ルネサンス美術史から忘れられた存在になっていたのかもしれません。しかし、他の画家では決して描かないような大胆な構図と、優れた画面構成力による絶妙な絵画空間の緊張感が、ピエロ・デッラ・フランチェスカの作品を生で観ると、大変斬新で魅力的に感じられ、一度その魅力を感じることができると、彼の作品と恋に落ちてしまうほど、魅せられてしまうのです。
《参考文献》
嘉門 安雄 (監修), Michael Michael (原著), 遠藤 みさ (訳)
「ピエロ・デッラ・フランチェスカ―アレッツォの壁画」 1998/6
マリリン・アロンバーグ レーヴィン (著) , 諸川春樹(訳)
「ピエロ・デッラ・フランチェスカ」 (岩波 世界の美術)
(PS)200名山でも屈指の恐怖ルート蟻の戸渡り(戸隠山)を歩いてきました~

