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芸術と自然の美を巡る旅  

アカデミズムの意義・画家や彫刻家の徒弟制度の近代化

美術史におけるアカデミズムの役割

The role of the academic in Art


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アレクサンドル・カバネル『ヴィーナスの誕生』(1863年)






 フランスでは、太陽王ルイ14世治世下では、当時アカデミーの会員となると、輝かしい未来がされました。アカデミーの美術学校は芸術家のエリートたちの集まりあでした。かつては画家や彫刻家になるためには徒弟制度に従うし道はありませんでしたが、アカデミーは解剖学・遠近法・美学・美術史などのきちんとした教育制度のカリキュラム持つ学校だったのです。


In France, under the reign the Sun KingLouis XIV, and at that time the Academy members, has been a bright future.Elite of artists got together in the School of Fine Arts Academy. In the past,in order to become a painter and sculptor was only road to follow to theapprenticeship system. Academy I was a school with curriculum of the educationalsystem, such as anatomy, perspective, aesthetics and art history.


 アカデミーの美術学校が模範とする美術様式は、歴史画、神話画が中心とした滑らかに仕上げられた絵画でという保守的な性格が強く、アカデミーの支柱は唯一の「理想美」を目指す、ラファエロの理想化された美術を引き継ぐ新古典主義新古典主義と共通しています。肖像画、静物画は格下という位置付けでした。当時のアカデミーを代表するブーグロー、ジェローム、カバネルらは印象派を徹底的に否定しました。一方、同時代に起こったロマン主義は、「多様な個性美」を追求し、後の印象派へと発展していったのは対照的と言えます


 英国ではロイヤル・アカデミーに代表される当時の正統的美意識は、均整のとれたラファエロ美術を理想美していました。画家を志す者は、ラファエロ的理想的タイプ、調和のとれたポーズ、人物配置、構図、色彩などの規則を守らされていました。特に、英国ロイヤル・アカデミーは疑いもせず17世紀イタリアの絵画様式を伝統として受け入れ通俗的歴史や風俗画が横行し、退嬰的な状態でした。


Orthodox aesthetics at the time representedby the Royal Academy in the UK, was the ideal beauty of the balanced Raphaelart. Those who aspire a painter, Raphael specific ideal type, pose harmonious,the person placement, composition, was forced to defend the rule, such ascolor. In particular, the UK Royal Academy is accepted as a traditionalpainting style of 17th-century Italy, popularly history and genre painting isrampant, was unadventurous state.


 それに対して反アカデミズムを掲げた運動が次々と起こりました。反アカデミズムを掲げた美術史上最初のグループは、1809年、ウィーンで6人の学生によって結成された「聖ルカ兄弟団」で、アカデミズムに反発し中世美術へと立ち返ろうとしました。聖ルカ兄弟団の画家たちはその後ローマへと移り住み、「ナザレ派」と呼ばれるようになりました。

 ナザレ派は、素朴な中世ドイツに対する懐古趣味から生じ、技術一辺倒のアカデミズムを否定して、自然の中に潜む真実の姿を描くことを目指しました。そのためには素朴な生活をして道徳感や良心などを培う必要があると考え、中世の生活をまねて廃墟となった修道院で共同生活を送りました。しかし、ローマで年月を重ねるうちに、ラファエロの影響を受け、形式主義に陥って折衷形式へと移行し、最終的にメンバーの多くがアカデミーの教授となってドイツに帰国し、ドイツ・アカデミズムの礎を築くこととなりました。


Movement that raised the anti-academic hasoccurred against academicism. Nazarene was born from nostalgia for the good olddays for the rustic medieval Germany, they were aiming to draw a figure oftruth in nature. However, under the influence of Raphael in Rome, it has movedto the eclectic format fallen into formalism. Returned to Germany with manyultimately members become a professor of the Academy, they became the thing tolay the foundation of the German academic.


 ラファエル前派より以前に形成された反アカデミズム・グループには、他に「古代人たち」あり、このグループは、ウィリアム・ブレイクに傾倒したサミュエル・パーマーを中心とする9人の若者たちが1820年代に結成したものでした。ウィリアム・ブレイクは、18世紀イギリスで活躍した「幻視」を描く鬼才です。「古代人」も中世美術の素朴さへの回帰を目指し、自然を正確に模倣するのではなく、極端な単純化や誇張によって魂の奥底にある原風景を描こうとしました。

 反アカデミズム・グループとして誕生したラファエル前派ですが、アカデミズムが規範とするラファエロという枠を破壊したかったのですが、共通した美学を持っていたわけはなく、キリスト教や文学、歴史上の逸話や出来事を扱い、主題として中世の伝説や文学、時には同時代の文学も題材として扱っていました。結局ラファエル前派は古くさい主題から離れることはほとんどできませんでした。ラファエロ以前のフランドル絵画名との表現を引き継ごうとしましたが、結局次第に淘汰され、アカデミズムの滑らかな美しさ、その技術水準の高さ、美学理論の確立、伝統意識などに回帰していったという見方も成り立つように思います。


The Pre-Raphaelite Brotherhood was born asan anti-academic group. However, they only wanted to destroy the framework ofRaphael that academic is the norm, did not have a common aesthetic. Painters ofthe Pre-Raphaelite Brotherhood treats Christianity and literature, historicalanecdotes and events, medieval legends and literature as a subject, andsometimes literature of the same period was also treated as a subject. Afterall Pre-Raphaelite Brotherhood could not hardly be away from the old-fashionedsubject. Painters of the Pre-Raphaelite Brotherhood is, after all is graduallyselection, smooth beauty of academia, the height of the technology level, theestablishment of aesthetic theory, went to regression, such as the traditionconsciousness. This is one of the views on the Pre-Raphaelite Brotherhood.


 イギリスには、フランス絵画のように、まったく新しい印象主義、フォービズム、キュビズム、抽象芸術、シュルリアリスムなどに展開していく芸術的基盤にはならなかったといえるのではないでしょうか。

19世紀後半印象派が1874年に第1回展を開くなど、新しい表現への転換を迎えていた時代でしたが、正統派”アカデミック派の勢力はまだ健在でした。ウィリアム・アドルフ・ブグローは、可憐で清楚、甘美、官能、耽美性を共有し、微妙な明暗の調子と精緻な描写力と磨きあげられた絵肌際立つその様式は、写実技法の極致ともいえる作品を描きました。フレデリック・レイトンは、代表作の『燃え上つ6月』では、モデルが裸の状態でデッサンをとり、透明感のある古代風の服を着せて太陽の光を浴びながらまどろむ姿を描がいています。




更に興味のあるかたは、下記の文字をクリックすると、アカデミズムに戦いを挑んだ画家たちの物語を見ることができます。

アカデミズムへの反逆


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by desire_san | 2016-02-28 00:00 | 美術展 & アート | Comments(0)

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