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心に残った自然とアート   

ゴッホの最高傑作『アルルの跳ね橋』と『夜のカフェテラス』の魅力

オッテルロー
クレラー・ミュラー美術館

OtterloThe Kröller-Müller Museum

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 オランダ・ヘルダーラント州エーデの村、オッテルローにフィンセント・ファン・ゴッホのコレクションで知られるクレラー・ミュラー美術館があります。美術館に入ると、緑に囲まれた広大な敷地に彫刻が散在していました。オランダ政府観光局は美術館と国立公園一帯を「ゴッホの森」と呼んでいます。





Otterlo(municipality of Ede) is a small village in the province of Gelderland in theNetherlands, in or near the Nationaal Park De Hoge Veluwe.The Kröller-MüllerMuseum, named after Helene Kröller-Müller, is situated nearby and has aconsiderable collection of Vincent van Gogh paintings.


 クレラー・ミュラー美術館は、実業家のアントン・クレラー・ミュラーと、その夫人ヘレン・クレラー・ミュラーのコレクションを基に1938年に開設されました。クレラー・ミュラー美術館には、世界的に著名な主に19世紀と20世紀のビジュアルアートのコレクション彫刻庭園があり、フィンセント・ファン・ゴッホの作品の大規模なコレクションが特に重要です。フィンセント・ファン・ゴッホに関するコレクションはその絵画87点におよび、アムステルダムのゴッホ美術館とならび、2大ゴッホ美術館と称されています。


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TheKröller-Müller Museum is an art museumand sculpture garden, located in the Hoge Veluwe National Park in Otterlo inthe Netherlands. The museum was founded by art collector Helene Kröller-Müllerand opened in 1938. The Kröller-Müller Museum has a world-renowned collectionof mainly 19th and 20th century visual art. It has the second-largestcollection of paintings by Vincent van Gogh, after the Van Gogh Museum. Themuseum also has a sculpture garden. The Van Gogh Gallery is a gallery ofhonour for Vincent van Gogh. The gallery exhibits variable arrangements ofabout forty of his paintings, which tell the story of his life and work.


主な収蔵品 The main collections 


ゴッホ『馬鈴薯を食べる人々』1885

 18831885年の2年間、ゴッホがメエネンに滞在し、膨大な数の油絵を描いています。ゴッホは厳しい自然の中で黙々と働く農民や職工などの労働者を描きました。茶色と青のトーンで統一された画面の中で、たった一つのランプのひかりが、農民たちの顔を、土を掘ったのと同じ手で馬鈴薯を食べている姿を、闇の中ら浮かび上がらせています。ドラクロワから補色の対比と類似色の和合を学んだ成果からか、青緑色の神秘的な空気が画面全体を包んでいます。



Van Gogh, "The Potato Eaters"
A highlight of his early Dutch period is The potato eaters, the painting which Van Gogh made of a peasant family in Nuenen in April-May 1885. It is the first large composition in which he depicts a group of figures. Van Gogh is not interested in academic perfection, but in expressiveness. According to him, a true peasant painting ought to ‘smells of bacon, smoke, potato steam’.



ゴッホ『アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)』1888年)

 アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)とは、1888年にゴッホによって描かれた作品でアルルの跳ね橋をモチーフにした作の代表作で、橋の手前で洗濯する女性たちに生活感が感じられ、跳ね橋はとても美しくて魅力です。1888年2月突然パリからアルルに移ってゴッホは、この時代明るい色彩感で明澄な風景を描いています。ゴッホはこの頃発病が始まり、病気を意識し始めたゴッホが常に求め続けた永遠の日常をなんとか繋ぎ止めようとする意識が洗われているように感じられ、明るく美しい色彩感が絶妙な緊迫感で引き締められ魅力的な作品を形成しています。1996年この作品が日本に来日したとき、3度もこの作品を見るために美術館に通いました。この作品こそゴッホの最高傑作だと感じました。



VanGogh "Arles of the drawbridge (Langlois Bridge)"
TheLanglois Bridge at Arles is the subject of four oil paintings,the drawings byVincent van Gogh. Van Gogh was influenced by Japanese woodcut prints, asevidenced by his simplified use of color to create a harmonious and unifiedimage. Contrasting colors, such as blue and yellow, were used to bring avibrancy to the works. He painted with an impasto, or thickly applied paint,using color to depict the reflection of light. The subject matter, a drawbridgeon a canal, reminded him of his homeland in the Netherlands. He asked hisbrother Theo to frame and send one of the paintings to an art dealer in theNetherlands. The reconstructed Langlois Bridge is now named Pont Van-Gogh.


TheLanglois Bridge at Arles with Women Washing is one of van Gogh's most iconicand best loved paintings, acknowledged as the first masterpiece of his Arlesperiod.[18] It depicts common canal-side activities. A little yellow cartcrosses the bridge while a group of women in smocks and multicoloured caps washlinen on the shore. Van Gogh skillfully uses his knowledge of color theory andthe "law of simultaneous contrasts" in this work. The grass isdepicted with alternating brush strokes of red-orange and green. Yellow andblue complementary colors are used in the bridge, sky and river. Use ofcomplementary colors intensifies the impact of each color creating a vibrantand coloristically unified whole.



ゴッホ『夜のカフェテラス』(1888)

 クレラー・ミュラー美術館に行ったとき一番見たかった絵がこの『夜のカフェテラス』でした。1888年ゴッホによって描かれた『夜のカフェテラス』は、南フランス・アルルの星空の下、人でにぎわうカフェテラスが描かれています。モデルとなったカフェはアルルのプラス・デュ・フォルムという広場に面した店で、「カフェ・バン・ゴッホ」という名で今はアルルの観光名所になっています。この作品でゴッホは初めて黒をあまり使わずに夜空を描きました。夜のカフェテラスに描かれている背景深い瑠璃色の空と空に輝く秋の星座が印象的です。


 ゴッホは妹ヴィル・ファン・ゴッホに宛てた手紙で絵画「夜のカフェテラス」についてこう述べています。「ランタンが素晴らしい黄色の光を放ち、店の正面やテラス、歩道、道路を照らしている。切り妻造りの家々は、星が散りばめられた青い空の下の道が暗がりへ続くように、暗い青やすみれ色、そして緑色の木が配されている。この夜の絵には黒は使われていない。美しい青、すみれ色、緑、周辺は淡い黄色と淡黄色の緑を用いた。」

 期待していた以上に情感あふれる美しい作品でした。『アルルの跳ね橋』とは違った意味でこの作品に魅了絵されました。この作品もゴッホの最高傑作だと感じました。



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VanGogh "night cafe terrace"

InArles he painted Terrace of a café at night (Place du Forum), which became apublic favourite, probably just by the light of the gas lamps on the terrace.‘Here you have a nocturnal scene without any black, only beautiful blue andviolet and green, and in these surroundings the lighted square acquires a palesulphur yellow, greenish, citron yellow colour’, writes Van Gogh to his sisterWil. It is the first time that Van Gogh paints a starry sky. With the abundanceof warm yellow from the gas lamps, he accentuates the blue of the star-studdedsky.



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ゴッホ『種まく人』(1888)

 ゴッホの色彩家としての才能が顕著に示される傑作『種まく人(種をまく人、農夫)』は、強烈な陽光の輝きを求め訪れた南仏アルル滞在期(18882-18895月)に制作された作品で、農民画家としてもよく知られている19世紀フランス写実主義の巨匠ジャン=フランソワ・ミレーの代表作『種をまく人』に共鳴します。絵画を制作し始めた早い時期からゴッホはミレーの『種をまく人』に強い固執と羨望の念を抱いていました。この頃書いた手紙の中で次のような言葉を残している。「種まく人を描くことは昔から僕の念願だった。古い願いはいつも成熟できるとは限らないけど、僕にはまだできることがある。ミレーが残した『種をまく人』には残念ながら色彩が無い。僕は大きな画面に色彩で種まく人を描こうかと思っている。」。


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 1888年の秋頃に描かれたこの作品で最も注目すべき点は過剰といえるほどの刺激的な色彩の表現です。画面上部ほぼ中央には、強烈な光を放ちながら地平線へと沈みゆく太陽が配され、遠景の穂畑を黄金色に輝かせています。中景へは陽光の黄色と対比するかのような青色の凹凸の陰影が斑状に描き込まれる畑へ種を撒く農夫がミレーの『種をまく人』とほぼ同じ姿態で配されており、逆光に包まれたその姿には人間としての力強い生命力が感じられます。弾けるようなタッチで描いた激しく鮮やかな陽光の神秘的な色彩は『種をまく人』が象徴する人間の生への希望や生命の再生を現代的アプローチによって表現しているようです。ミレーの『種をまく人』はゴッホにより新たな惹きつける魅力に溢れる作品に蘇りました。




ゴッホ『糸杉と星の見える道』(1890)

 この作品はフランスのサン=レミ=ド=プロヴァンスでゴッホが描いた作品の中では最後の作品です。ゴッホはその「美しいライン」はエジプトのオベリスクのように調和がとれていると語り「いつも糸杉に心惹かれている。」と言っていました。ゴッホはフランスのアルルに滞在していた1888年から夜の糸杉を描くことを考えていました。


 夜空の様子は、水星と金星が天文合によってシリウスに匹敵する輝きを放っています。1889年に描かれた『星月夜』よりも、この作品はさらにゴッホが自らの死期が近いと自覚していることを反映していると言われています。ぼやけた星が左側に、くっきりとした三日月が右側に描かれており、中央には糸杉が配置されています。古いものと新しいものを表す二つのモチーフを分断するように描かれているこの糸杉は「死のオベリスク」と形容されています。道を歩く二人は、ゴッホ自身が仲間を求めていることを表すと分析されています。ゴッホは死期が近いことを自覚し、それが作品に反映されているようです。死の象徴である糸杉を画面中央に配し。糸杉の両側に明々と輝く明星と三日月により知覚宇宙が愛で満ちていることを表そうとしたと考えると、ゴッホの悲劇的人生も一筋の光を求めて生きてきたと考えたくなります。




VanGogh "Road with Cypress and Star"

Road with Cypress and Star isan 1890 oil on canvas painting by Dutch post-Impressionist painter Vincent vanGogh. It is the last painting he made in Saint-Rémy-de-Provence, France. Goghwrote that cypresses were "always occupying his thoughts" and that hefound them "beautiful of line" and proportioned like an Egyptianobelisk. Erickson suggests that thepainting is influenced by the Christian allegory The Pilgrim's Progress,visible in the prominent road and cypress tree. The orientation of the nightsky objects may have been influenced by a conjunction of heavenly bodies on 20April 1890, when Mercury and Venus were at 3 degrees of separation and togetherhad luminescence comparable to Sirius. Gogh's believed that he would soon diethan the earlier painting "The Starry Night". the evening star on theleft of the painting, which is barely visible, to the emerging crescent moon onthe right side; the cypress tree in the middle, which divides these symbols ofthe old and the new, is described as an "obelisk of death". The Roadwith Cypress and Star reflects the painter's feeling that he would soon die.With the two travellers and their journey dominated by the cypress in thecentre. The evening star and crescent moon on either side of adding cosmic perspective to the earthlyscene and suggesting a sentient universe filled with love.


参考文献:クレラー・ミュラー美術館 公式カタログ




下記の文字をクリックすると、ゴッホの画風の変遷とゴッホ絵画の魅力について整理したページにリンクします

ゴッホ絵画の魅力







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by desire_san | 2016-05-20 17:56 | 北方ルネサンスとフランドル美術の旅 | Trackback(1) | Comments(12)
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Tracked from dezire_photo.. at 2016-05-27 18:38
タイトル : 天才画家ゴッホの生涯と画風の変遷・ゴッホの絵画魅力
フィンセント・ファン・ゴッホVincent Willem van Gogh オランダのファン・ゴッホ美術館とクレラー=ミュラー美術館の2 大コレクションの協力を受け、ゴッホのほぼ全時代を網羅した約120点の作品を集めた大規模な美術展が国立新美術館で開催されました。ゴッホとともに同時代の画家の名作も展示されており、中身の濃い美術展でした。... more
Commented by rollingwest at 2016-05-02 17:43
芸術の春が続きますね。200名山の新緑が待ち遠しいですね。
Commented by desire_san at 2016-05-03 06:18
rollingwestさん、オランダのオッテルローの森の新緑は大変美しかったです。日本の山ももうすぐ新緑の季節ですね。
Commented by tona at 2016-05-03 18:58 x
是非行ってみたかったですが、ツアーでしたので組み込まれていませんで、残念でした。
Commented by desire_san at 2016-05-03 22:27
tonaさん、最近はゴッホは日本でに下記があるのでクレラー・ミュラー美術館を入れているツアーも結構多いようです。ゴッホの傑作はほとんど一度は日本に来ていますが、「夜のカフェテラス」はまだ日本に来ていない多分唯一のゴッホの傑作ですので人気が高いようです。「夜のカフェテラス」は大作ではないのでいずれ日本に来るような気がしますが。
Commented by katouhir at 2016-05-04 21:26
クレラー・ミュラー美術館、懐かしいです。ゴッホの「夜のカフェテラス」は個性的で好きな作品で我が家に飾られています。ポスターですが
Commented by desire_san at 2016-05-04 23:01
katouhirさん、まだ日本に来ていないということもありますが、私も「夜のカフェテラス」がゴッホの作品で一番好きです。毎日見ても飽きない魅力がありますね。
Commented by snowdrop-nara at 2016-05-07 06:08
ミレーからゴッホへ、最高の本歌取り(?)ですね。青と黄はゴッホのライフ・カラーなのでしょう。美術館の青紫のチューリップも美しいです。
Commented by desire_san at 2016-05-08 06:10
snowdrop-naraさん、ご指摘のように、私「「夜のカフェテラス」が好きなゴッホの作品は、彩と黄色の補色の効果を見事に生かしていますね。特に「夜のカフェテラス」の黄色と青は本当身魅力的です。この美術館は自然と調和したすてきな美樹幹でした。
Commented by kuronekoryokan at 2016-05-17 15:33
desireart様
初めまして。わたしのブログのほうに遊びにきてくださって
ありがとうございました。
素敵なブログをされていますね、興味深く読ませていただきました。
アルルの絵はとても好きで、実はアルルまで現場を見に行ったことがあります。
ゴッホは時に見るだけで苦しくなる、わたしにとってはちょっと人生の苦しみを感じてしまうのですが、また一晩の華やかさや儚さも感じることもあり、好きな画家です。
Commented by desire_san at 2016-05-17 18:13
kuronekoryokanさん、ゴッホは自らの苦しみを表現した心象風景が多いですが、アルルの時代は『アルルの跳ね橋』『夜のカフェテラス』代表される色彩豊かな傑作が生まれていますね。私もこのふたつの作品が最も好きです。
Commented by ToshiJapon at 2016-05-22 15:06 x
夜のカフェテラスは、黄色と青紫の補色を大胆に隣り合わせにしたもので、そのころのゴッホは、補色をくみあわせて絵を描くことを意図していました。
傑作ですね。
Commented by desire_san at 2016-05-22 16:59
ToshiJaponさん、コメントありがとうございます。
全く同感です。「夜のカフェテラス」の色の使い方は絶妙で、決して重たい暗さはありませんが、作品全体に存在感がありますね。私もゴッホも最高降傑作の一つだと思っています。

by desire_san