ブログトップ

dezire_photo & art

desireart.exblog.jp

心に残った自然とアート   

17世紀オランダ絵画の宝庫・オランダ黄金時代の名画の魅力

アムステルダム国立美術館  

Rijksmuseum

a0113718_10140630.jpg


 アムステルダム国立美術館は、アムステルダムで芸術や歴史に捧げオランダ国立博物館です。中世・ルネッサンス期から20世紀までを網羅しています。1800年にハーグに設立され、アムステルダムに移動ました。現在の本館はピエールによって設計されに公開されました。オランダ芸術と歴史の旅をコンセプトにコレクションを展示します。博物館は、17世紀オランダ絵画が充実しており、レンブラント、フランス•ハルス、とヨハネス・フェルメールの傑作を見ること手ができます。博物館はまた、アジアのパビリオンで展示されている小アジアのコレクションがあります






The Rijksmuseum isa Netherlands national museum dedicated to arts and history in Amsterdam. TheRijksmuseum was founded in The Hague in 1800 and moved to Amsterdam in 1808,where it was first located in the Royal Palace and later in the Trippenhuis.The current main building was designed by Pierre Cuypers and first opened itsdoors in 1885.The museum has on display 8,000 objects of art and history, fromtheir total collection of 1 million objects from the years 1200–2000, amongwhich are some masterpieces by Rembrandt, Frans Hals, and Johannes Vermeer. Themuseum also has a small Asian collection which is on display in the Asianpavilion.



ヨハネス・フェルメール JohannesVermeer

 フェルメールは、同時代の画家の既存の技法、構図などから学び、これを磨き上げて一層高い境地に至ることに優れた才能を示した画家でした。先輩画家の面白いと思ったものを吸収し磨きあげ、そこから新たな美学を構築する、フェルメールは並外れた才能を発揮してそれを成し遂げました。フェルメールの絵画の構図は、部屋の片隅で何かに夢中になっている女性、又は付き添う名使いも含めた二人の女性、向かい合う男女と限られたいくつかのパターンが殆どです。着ている服などの質感を絶妙に表現し、視点をやや低く設定し見る人に前景を意識させ、前景を中心に魅力的な空間を構築しました。フェルメールの作品にはフェルメールならではの気品と魅力があり独創性にあふれています1650年代の作品は、厚塗り、赤、黄の暖色系を中心とした色調、透視法と視覚表現との間の乖離を感じさせる空間構成、濃厚でやや強引な処理などの特色があります。


 フェルメールの絵画を写実と思っている人も多いようですが、実は単なる写実ではなく、絵画的に緻密な細工をして、結果的に見る人に写実と感じさせるような効果を高めています。明暗に従い塗りの厚みに極端な変化をつけています。光のあたっている部分は一際目立つ白色系の絵具を盛り上げとし、頭巾の陰の部分などは極めて薄い塗りにしていることが、実際の作品でも見ると分かります。光と影を色彩の凹凸によりさらに奥深い表現にすることで、空間と人物に豊かな彫りと実在感を与えています。実は現実の世界の写実ではありません。狭い部屋の一隅なのに、深みのあるゆったりとした空間が人物を取り囲み広がっているように見えるように、工夫が施され合理的に構成された空間となっています。細部は厳密な観察に基づいて再現された現実の表現ですが、作品全体としては絵画的細工を巧みに施されています。


 フェルメールの絵画では、現実の世界と人工的仮想の観念的世界が巧妙に絡み合っており、見る人は画家の人工的細工に気づかず、ひたすら細部の写実性だけに眼が引き付けられます。観察者には見えにくい絵画的細工が隠し味となって、見る人は作品から気品ある写実的な絵画という印象を受けます。しかし、それは写実の装った、絵の世界にしか場を持たない仮想の世界なのです。写真では決して表現できない「究極の写実の世界」に見る人を誘いこんでいきます。私もこの作品を観た時は、光の表現に圧倒されてしまい、見れば見るほど絵画の奥にまで引き込まれて釘づけになってしまいます。


 フェルメールの絵画が見る人に安らぎを与えるもうひとつの魅力は、ソフトフォーカスで描いている点にあると言えます。今回展示されていた「手紙を書く女」(1665年頃  ワシントン・ナショナル・ギャラリー)でも顔の表現や非常に緻密に描かれている黄色の服の襟や白い毛皮などで、輪郭が微妙にソフトに写真のぼかしのような表現になっています。上着やスカーフの部分の輪郭もわずかにはみだし、壁の上ににじみ出ています。写真でいえば焦点面を壁にあわせたように、前に位置する人物や事物を柔らかな輪郭で描き、光と大気の中で人物が溶け合ったような印象を見る人に与えます。穏やかな光、絵具の微妙な重ね具合、柔らかな輪郭線により、フェルメールはレオナルド・ダ・ヴィンチの色彩を煙のように周囲に溶け込ませていくスマフーフの描法を再現することで、絵画空間での対象のあり方を表現しようとしたと考えられます。


フェルメール絵画については、下記の文字をクリックするとリンクして、詳しい説明を見ることができます。

      フェルメールの魅力



フェルメール『牛乳を注ぐ女』 1657 - 1658

a0113718_11221010.jpg 「牛乳を注ぐ女」は絵具の彫りを大胆に使った作品です。女性の顔だけ見ても、光が当たる左前頭部、鼻の左側などは白の絵具を積み重ねて極端に厚塗りし、光の当たらない眼の周辺や鼻、顔の右側は極端に薄塗りです。背景の壁は、光を浴びた壁の左側は暗く、影になった背中の後ろの壁は白く明るく輝まように明暗を操作し、女性の姿が浮きあがるように操作しています。壁は窓に近いにもかかわらず陰りを帯び、女性の金色が一層輝くのを助けています。女性の後方の壁は白さと青みを増し、影になった後頭部と背中の形をくつきり浮かび上がらせます。


 手は褐色、肌色、灰色を微妙に重ね合わせて、滑らかな白と鮮やかな対比しながら描いています。女の肌の荒れ具合を絵具の厚みの変化で表現し、水仕事の日々の生活感を感じ座せます。パンのゴツゴツした手触りの質感、ボソボソした舌触りまで伝わってきます。瓶から注がれる濃厚な牛乳の滴りの表現は特に秀逸です。絵画の中で濃厚な牛乳が実際に流れているような迫真の表現です。『牛乳を注ぐ女』は、欧米では「ミルクメイド」と呼ばれ、牛の乳搾り作業をする女性を意味します。ていますが、描かれている女性は、社会的地位の低い台所担当の召使いキッチンメイド、あるいは家政のような女性です。簡素な部屋の中で牛乳をテーブル上のずんぐりとした陶製の容器に丁寧に注ぎ入れている情景が描かれています。背景の壁の床はデルフト陶器のタイルが嵌めこまれ、画面左側に描かれた窓からは日光が射し込んでいます。


『牛乳を注ぐ女』は、女性とテーブルの重量感を表現するために錯視技法が用いられています。明るい光が射し込んでいますが、女性の顔半分には陰が落ち「下向きの視線とすぼめた唇は悲哀を意味しているのか、集中を意味しているのかはこの絵からは分りません。

ミルクメイドやキッチンメイドは性愛や性交渉を想起させる存在で台所や市場を舞台とした風俗画がよく描かれていました。性的な画題を巧妙に隠蔽していた作品や性愛描写を描いた作品もありました。しかしフェルメールが活動していた時代では、家で働く女性を描いた作品は次第にオランダ家庭の長所や美点を表すようになっていました。フェルメールと同年代人のピーテル・デ・ホーホらはメイドを普通の画題として扱っており、フェルメールの『牛乳を注ぐ女』も、メイドを愛情のこもった気品ある存在として扱った希少な作品のひとつといえます。



フェルメール『青衣の女』 1665年頃

a0113718_11251665.jpg 1950年代の「窓辺で手紙を読む女」ではカーテンを用い「牛乳を注ぐ女」では机を変形させたりした透視法の原理と実際の視覚の印象を融合させようとしていました。しかし、1960年代以降は、透視法の消失点を低めに視野角を狭めていきます。そして透視法が支配する空間別に、実際の人間の視覚を反映させた位置があいまいなモチーフによる「超前景」を透視法による前景のさらに前に重ねて、近景に深々とした奥行きを与え、奥行きのある造形美を作り出しています。フェルメールの空間は緻密な計算により構成された人工的空間であり、自然や事物をありのままに描こうとする写実主義のリアリズムとは別の世界であることをより明確にしていきます。


 『青衣の女』は窓を前にして手紙を読む青い衣服の女性を描いた作品です。屋内の情景を描いたフェルメールの絵画のなかでも、『青衣の女』には壁や天井の角が描かれていないという点で珍しい作品といえます。


 女性の外観からは妊娠しているようにも見えますが、当時のオランダで流行していた服装という見方もあります。女性の背後の壁にかかっているネーデルラントの地図から旅行中の夫が妻に宛てた手紙を読んでいるという説ありますが、テーブルに置かれた箱のそばにある真珠から虚栄心や自惚れの象徴として描かれれたという説や、手紙は女性の恋人からのものだという説もあります。



フランス・ハルス  Frans Hals,

 フランス・ハルスは、オランダ絵画の黄金時代を代表する画家の1人です。当時オランダの油彩画は地塗りの上に薄い絵の具を幾層にも重ね合わせていく緻密な技法で、下地が乾くまで次の層を濡れないため制作に時間がかかっていましたが、フランス・ハルスは全体の輪郭線にあたりをつけると、まだ半乾きのうちに様々な絵筆のタッチを直接積み重ねていったため、一つのタッチが存在感を主張しつつ全体の構成に寄与していくとい新しい絵画を創造しました。タッチ自体が絵画の中で自立した意義を持つようになったのは、19世後半の真似やセザンヌが登場してからですが、ハルスはこの点では2世紀も時代を先駆けていました。

 17世紀後半オランダでは細密な描写のタッチが分らない滑らかな絵画が尊重されるようになり、忘れられた存在となりますが、19世紀後半、フェルメールも再評価したフランスの批評家・テオフィル・トレの船頭により再評価されました。クルーベ、マネが最初の信奉者となり、マネと同様ゴッホもハルスの黒の美しさに心酔しました。最晩年の作品では、天衣無縫な省略法が用いられ細部に注目してみると抽象絵画を彷彿させるようです。



フランス・ハルス『庭園の夫婦』 1622年頃

a0113718_11305488.jpg ハールレムの裕福な商人イサーク・アブラハムス・マッサと市長の娘ベアトリクス・ファン・デル・ラーンの結婚肖像とされています。これまでの画家達が典型として描いてきた儀礼的な結婚肖像とは異なり、夫婦間の愛と結婚の喜びが全面に表現されています。互いに幸福の絶頂期を示す輝かしい満面の笑みを浮かべ寄り添っています。夫婦の間の樹木に巻きついた葡萄の蔓(つる)は夫婦間の強い愛の絆を意味し、背後の愛の女神ヴィーナスの庭園に描かれる孔雀は愛の象徴とされていました。


フランス・ハルス『痩せた警備隊』 1633-37年頃


a0113718_11315061.jpg

 フランス・ハルスは、集団肖像画においても簡素な早いタッチで、人々の容貌を見事に描き分け、人柄の違いを恐ろしいほど克明に浮き彫りにしてしまいます。見えるままに絵がという姿勢はベラスケスに通ずる姿勢でもあります。中央から左半分強あたりまでがフランス・ハルス本人の筆による部分で、この頃の画家の大きな特徴である色彩のモノクローム的傾向を感じさせます。特に左端の旗手に示されるグレイッシュな衣装の色彩表現は、後期印象派の画家ゴッホも絶賛しています。



フランス・ハルス『陽気な酒飲み』 1628-1630年頃

a0113718_11324165.jpg 機嫌よく酒を飲む男の単身像は、フランス・ハルスの最も特徴的な表現手法で、軽やかでリズム感に溢れる筆跡が特徴的です。飲酒によって鼻と頬に赤味が差す酒飲みの男の表情は、満面の笑みをたたえて「一杯どうだね」見る人に盃を差し出しているようです。こよなく酒を愛したハルスの人間性が現れた作品です。大きなタッチによる右手の光彩表現やグラのハイライトは、鮮明な印象を観者に残すことに成功しています。




a0113718_11332965.jpg




ヤーコプ・ファン・ライスダール Jacob Izaaksz van Ruisdael,

 ライスダール(1628?-1682)は17世紀オランダにおいて、ネーデルランドという風土を巧みに捉えオランダ風景画を大成した風景画を大成し、近代風景画に大きな影響を与えました。ライスダールは不安定ともいえる大胆な構図を採用したりして、北方絵画の伝統の上に独自の風景画を樹立し世界的に価値のあるものとしました。


 17世紀のオランダは、前世紀のスペイン・カトリックによる支配から独立を勝ち取った後の緩やかな共和制を採り、思想的には、自由の気風のもとデカルト主義者はじめとしたリベラルな思想家が集い、商人を中心とした市民階級の台頭による独自の絵画様式が発達し黄金時代を迎えた時期でした。市民階級の台頭を背景に、より日常的で、小ぶりで親密な風景画が市民に広く受け入れられていきました。17世紀のオランダ風景画は、従来美的鑑賞の対象とされていなかった庶民の生活の周辺の風景を写実主義的に描きました。


 ライスダールの風景画にはオランダの広さ、少し暗い穏やかさ、短調ながら落ち着いた魅力があります。灰色の地平線、夢幻という感覚を感じさせる灰色の空、この2本帯に遠近法の消失点が集まる地味な線。オランダには山らしい山がありませんが、砂丘や土手などの起伏を、視点を極端に低くとることで起伏を強調し、例えば『ベントハイムの城』でなだらかな丘の上の城を高い山にそびえさせることにより、城の高さに合わせた低い雲を描くことでダイナミックな画面構成を作り上げました。ライスダールの風景画は、オランダの肖像画だという人もいます。


 ライスダールの風景画には宗教色や寓意性の濃いものもあります。『ユダヤ人墓地』では、折れた木々や荒廃した墓地が人生のむなしさを表現しています。一方でこの作品には希望の象徴である二次も描かれており、洪水の後の神が人類と交わした契約の証の虹と解すれば、墓石もノアの箱舟と見えなくもありません。旧約聖書と新約聖書の世界を重ね合わせ、それをさらに現実世界と重ね合わせてみたのかもしれません。


 美術史的にみると、ライスダールはクロード・ロランとともに光の風景画を制作し、19世紀のイギリス風景画やバルビゾン派に代表されるフランス風景画に影響を与えました。




ライスダール「ワイク・バイ・ドゥールステーデの風車」 1670頃      

a0113718_11343282.jpg ライスダールの描いた人類は風景の邪魔をすることなく、自然の一部として描かれています。風景画を一体感のある絵画作品として成立させているのは人間の存在ともいえます。3人の女性の視線という実際に描かれていないものが横長の画面の左右を強く結びつけ、空を大きく扱って風車とともに垂直方向の連続性を高めているのは、光の表現です。左方向の灰色の雲の間に白い光る雲があり、風車の左側とその背後の屋根に陽光が当たっている。女性たちと波うち際にかけてと入り江と帆船の水面にかけても明るい。光源と光源の近い部分と、被照面の関係によって光が表現されていて画面の統一をもたらしています。


 1670年頃に描かれこの『ヴェイクの風車』では、左端に描かれた白い船と右端近くに描かれた3人の女性で画面の水平方向に緊張感を与えています。画家自身の美的感覚や風景画という新しい様式の可能性や奥行きを観る者に伝えてくれます。起伏の少ない土地柄を生かした視座から大胆に取り入れられた空、風の方向を示唆する帆先を威容、強い西日と量感ある雲に弾ける光のニュアンス、帆影を映すほどに滑らかな海と変化に富んだ雲の織り成すコントラストと微細な陰影。流れるように自然に伝わってくるのは、風車から帆檣へと向かう明確な対角線の構図が、背を向けた風車や娘たちの姿態とともに、見る人の視線を滑らかに導いてくれるからかもしれません。空と大地、雲と海、光と影。ひとつの風景の中にポリフォニックに溶け込んでいて、画家の心的態度や主題を捉えた画家の心理状態をも観る者伝わってきます。心を打つ風景画には、風景を描く画家の明敏な眼差しに出会いがあり、いつも澄んでいて風景が映し出す画家の心、画家の表現の必然性を語る声や血と肉を纏った表現を感じさせます



ピーテル・デ・ホーホ  Pieterde HoochHoog

 ピーテル・デ・ホーホは「17世紀 、オランダ全盛時代(「黄金時代」)の風俗画家の一人に数えられ、オランダ「黄金時代の風俗画家の一人に数えられ、とくにデルフト時代の風俗画はデルフト派の絵画として高く評価されています。 ハネス・フェルメールとほぼ同時代を過ごし、フェルメールの作品にも影響を与えていることでも知られる。」そうです。ヨハネス・フェルメールとほぼ同時代を過ごし、フェルメールの作品にも影響を与えています。


 デ・ホーホはフアン・ホーストラーテンの空間表現の影響を受け、矩形の室内空間を透視法的正確さで描きだすようになりました。農夫のいる雑然とした納谷風の情景を描いていたデ・ホーホがこうした空間に関心をもったのはフアン・ホーストラーテンやフェルメールと出会ったことがきっかけになったと考えられます。


 フェルメールの『兵士と笑う娘』はデ・ホーホの『カード遊びをする二人の兵士とパイプを詰める女』と構図がよく似ています。正面奥にある壁と床面の交わる線が画面全体からみてあまり高くない場所にして、左後方の奥行きを暖炉と立った女性を描き込むことによってバランスのとれた空間の後退を表現しています。また、フェルメールの『兵士と笑う娘』はロンドンのナショナル・ギャラリーにあるデ・ホーホの『男二人、給仕の女と杯を交わす女』に用いられた部屋とよく似ています、正面奥の壁には北を左側に横倒しにしたオランダの地図があり、デ・ホーホが後ろ向きに立った女性を描いた位置にフェルメールはつばの広い帽子をかぶった軍人と思しき人物を座らせ、デ・ホーホが二人のとぼけたような表情の兵士を描いた間くらいの位置に若い娘を座らせました。デ・ホーホは好んで正面左から射す光のモチーフを描き、デ・ホーホが描いた『オウムと男女』(1668年)もフェルメールの『恋文』(1669 - 70年頃)に応用されています。



デ・ホーホ『家の裏庭にいる三人の女性と一人の男』(1663-65)       

a0113718_11360079.jpg コピーテル・デ・ホーホの画風は、1656年から57年頃から急激に変化し、透視画法、遠近法、を用いた室内空間に人物を配置したような絵画を描きました。これは、1656年から57年頃はおそらくデ・ホーホがサミュエル・ファン・ホーホストラーテンやフェルメールと出会った時期でそのことと関係が推測されます。

 デ・ホーホは、箱型の七内風俗画を生み出し、清潔な部屋の形見で集う男女、窓際に人々が囲むテーブル、左の窓から光が差し込んで部屋に広がる光、背後の壁にかけられ地図や絵をモチーフにして描きました。また人物を前景から中景に移すことで空間の関係を問い直し、深い奥行きを見る人に感じさせます。


 デ・ホーホの場合は男性と女性であるが、フェルメールは座っている女主人の背後に女中が立っている構図です。デ・ホーホの絵には母親と子供がよく描かれ、母親が家事を切り盛りする姿や温かさといった美徳ないし理想像や、子供の躾や教育にからめた題材が選ばれていることがわかります。



デ・ホーホ「配膳室にいる女と子ども」1658

a0113718_11365090.jpg この作品は母と子の絵です。女の子の裾の長い洋服と母と子の頭の被り物が素敵です。これが「家庭の雰囲気」です。オランダはプロテスタントの国ですが、ブロテスタントの国でも早くからケプラーが計算した暦を使っていたと言割れますが不明な所もあります。





a0113718_11375472.jpg




ヤン・ステーン JanSteen

 ヤン・ステーンは、オランダ、ライデン生まれの17世紀のバロック期に活躍した画家で、市井の人々の包み隠さぬ生き生きとした場面を描くことの得意な、オランダ風俗画を代表する画家でした。普通の人々の日常生活が絵画の一ジャンルとなったオランダの黄金時代、ヤン・ステーンは、一見滑稽に見えるこうした作品の中に、道徳的・象徴的なメッセージを込めて、数多くの物語を生み出していったのです。

 ステーンは修業時代、17世紀オランダを代表する風景画家の一人、ファン・ホイエンに師事し、23歳のとき、ファン・ホイエンの娘と結婚しています。主にハールレムなどで活動し、多くの画家の影響を受けていきますが、フランス・ハルスから得たものは大きかったに違いありません。ハルスから学んだ人物の生気に満ちた表情は、ステーンの何よりの特徴となりました。さらに、同時代のヘーラルト・ダウの細密な描写、デルフトのフェルメールやデ・ホーホらの静謐な雰囲気も吸収していきます。彼は、多くの画家から学ぶことで自らを高めていくタイプの画家だったのです。


 ステーンは静物画、肖像画、歴史画、宗教画など様々なジャンルの作品を800ほど制作したが、特に有名なのは農民を描いた風俗画である。酔っ払った人々の乱痴気騒ぎ、結婚式、ピクニック、意地悪をされて泣く子供の姿などをユーモラスに描いている。また、教訓的な寓話やことわざを題材にしたことも多い。彼は兼業で居酒屋を経営しており、そこで人々を観察していたと思われる。


 さらに、ステーンの風俗画の大きな特徴は、作品の中に、機知に富んだ教訓を秘めたことです。この作品の中でも、人物の仕草や表情、身振りなどからさまざまな感情を描き、クリスマスの夜の浮き立つような空気と、ちょっと苦い戒めを描き出しているのです。家庭的な場面を得意としたステーンは、一方で、精緻な描写に才能を発揮する画家でもありました。



ヤン・ステーン『「聖ニコラウス祭』

 タイトルの”聖ニコラウス”は、キリスト教聖人の一人というよりも、サンタクロースと紹介したほうが、ずっと親しみやすいと思います。ネーデルラントでは、聖ニコラウスの祝日は、家族そろって祝う楽しいイベントでした。向かって右側に立てかけられた大きな菱形の物体はパンです。祝日には必ず各家庭で焼かれました。表面の光沢と滑らかな触感、焼きたての香りまで漂ってきそうです。さらに、右端のリンゴにはコインが埋め込まれています。当時、友人を驚かせるために、こんなふうにしてプレゼントする風習だそうです。

a0113718_11394087.jpg この作品の主人公は、中央でバケツ一杯のお菓子とオモチャを持った子供のようです。ひときわ綺麗な晴れ着を着て、本当にゴキゲンな様子です。母親が声を掛けているのですが、子供は両手のものを手放す気は全くないようです。その後ろでは、兄弟の兄のほうが泣いています。兄の靴の中にはカバノキの一枝が入れてあったらしく、弟がそれを指さして意地悪く笑っています。カバノキには”お仕置き”の意味があるようです。兄はこの一年、イタズラが過ぎたのかもしれません。一方、弟には、当時流行っていたコルフというホッケーに似たゲームの、スティックがプレゼントされたようです。彼らの背後で笑っているのは姉と祖父、祖母でしょうか。祖母はベッドのカーテンで見えない奥のほうを示して、泣いている兄を手招きしていますから、彼に面白いものを見せて慰めようとしているのかもしれません。



ヨハネス・コルネリス・フェルスプロンク  Jan Cornelisz. Verspronck

 オランダの肖像画家。フランス・ハルスの影響が強く見られ、装飾品やレースを描くことに長けており、女性を描いた作品も多く、作品は100程が現存すします。 


ヨハネス・コルネリス・フェルスプロンク「青い服の娘」1641       

a0113718_11412034.jpg 『青い服を着た少女』は1945年以降に発行された25ギルダー紙幣に描かれていました。ファン・フェルスプロンクの特徴は、美しい素材の描写と正確に再現されたその細部です。青い服の娘」は黄金の世紀に制作された、最も愛されている子供の肖像画の一つです。娘は成熟した女性のように描かれています。ただ彼女の子供っぽい顔つきだけが、まだ十歳を越えたばかりくらいであることを示しています。年端もいかない娘が、まるで母親のような格好をしています。この娘は金糸刺繍やレースで飾られたドレス、宝飾品、羽毛の扇子から富欲な家の生まれと思われます。



レンブラントのに名画については下記の文字をクリックするとリンクします。

アムステルダム国立美術館のレンブラント




この記事を読んだ方は上のマークをクリックして下さい。
にほんブログ村 美術ブログへ








[PR]
by desire_san | 2016-06-20 20:48 | 北方ルネサンスとフランドル美術 | Trackback(1) | Comments(6)
トラックバックURL : https://desireart.exblog.jp/tb/22897919
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from dezire_photo.. at 2016-06-12 13:47
タイトル : レンブラントの最高傑作『夜警』の魅力と感動
アムステルダム国立美術館 ⅠRijksmuseum  私がアムステルダム国立美術館に訪れた最大の目的、というより唯一の目的に近いかもしれませんが、それはレンブラントの最高傑作『夜警』を生で観たかったからです。どんな優れた画家でも、最高傑作と言われる作品を観なければその画家の才能の半分も感ずることができない、という経験を何度も味わってきましたが、レンブラントについてはそれ以上の衝撃を受けました。... more
Commented by スーラ・ウタガワ at 2016-06-12 19:58 x
美術館や作品の素晴らしい紹介をありがとうございます。
これだけ世界中の芸術を網羅しているのは驚きです。
これからも興味深く拝見させていただきたく思いますので、
よろしくお願いいたします。
Commented by desire_san at 2016-06-12 21:42
スーラ・ウタガワさん、私のブログを読んでいただいてありがとうございます。これを機会によろしくお願いいたします。
Commented by sakulasou567 at 2016-06-17 07:46
こんにちは、カラヴァッジョについてここに書いていいでしょうか?コメントが凄い数なので~自分的には彼は多分自閉症じゃあないかと思うのです。芸術家にはこの自閉症カテゴリーは沢山似るのですよ。彼の行動や作品の特徴がどうもそうであるように思へて仕方が無い。彼の革新性は自閉症の特徴です。常識が嫌いで、何か行動を起こしたかったと思います。時代への挑戦とか変革を求める逸脱者の運命をカラヴァッジョは担っていたのでしょう。
Commented by desire_san at 2016-06-17 08:40
sakulasou567さん、コメントありがとうございます。
カラヴァッジョは自閉症で、常識が嫌いで、何か行動を起こしたかったという見方は大変興味深く、共感するところがありました。革新的な芸術を開拓する天才的芸術家は、どこか心を病んでいるのにかもしれませんね。大作曲家のマーラーは精神分裂症に悩んでいたという説もあるそうですが、マーラーの音楽の多様性はそう考えると分るような気がします。
Commented by nijinotami at 2016-06-17 10:04
ステキなブログ、ありがとうございます。こちらはブログ初心者なので、トラックバックして下さったのにどうしていいかわからず彷徨っておりました。
美術も、映画もそうかもしれませんが、たくさん見ることで自分なりの見方(見る目)が養われていくのだと思います。その意味でも、こちらのブログはとっても参考になります。
関西の小さな美術館を中心に、ちょっとずつ書いていきたいと思ってます。どうぞよろしくお願いいたします。
Commented by desire_san at 2016-06-17 16:11
nijinotamiさん、私のブログを読んでいただいてありがとうございます。
ご指摘のように、なんでもたくさん見る自分なりの見方ができるようになり、感性が磨かれてくるような気がします。ご興味のある内容がありましたら、何かのご参考になりましたら私も嬉しいです。これを機会によろしくお願いいたします。

by desire_san