ブログトップ | ログイン

dezire_photo & art

desireart.exblog.jp

芸術と自然の美を巡る旅  

人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力

デルフト陶器

Delftware

人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_08154724.jpg



 デルフト名物は、青と白のコントラストが美しいデルフト焼。デルフト焼の青はデルフト・ブルーと呼ばれています。中国の磁器への憧れが生み出したデルフト焼きの青は、その後ヨーロッパの最果ての地ポルトガルにも影響を与え、青色のアズレージョ(絵タイル)を流行させることになるものであります。デルフトの町を色にたとえるとしたらブルー以外にあり得ません。フェルメール・ブルーとともに誰もが憧れ、求めて止まないデルフト・ブルー、そんなブルーに染まる町がデルフトでもあります。








Delft is well known forthe Delft pottery ceramic products[6] which were styled on the imported Chineseporcelain of the 17th century. The city had an early start in this area sinceit was a home port of the Dutch East India Company. It can still be seen at thepottery factories De Koninklijke Porceleyne Fles (or Royal Delft) and DeDelftse Pauw.



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10230100.jpg



 16世紀から生産されているデルフト陶器は、白色の釉薬を下地にして、スズ釉薬を用いて彩色、絵付けされる陶器で、青を用いて彩色され、デルフト・ブルーと呼ばれています。生産規模自体は縮小したものの今日でも日本ではデルフト焼として知られています。



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10233466.jpg



 16世紀はじめにイタリアから陶器であるマヨリカの製法が伝わり、陶器の製造が行われていましたが、17世紀、そこにオランダ東インド会社を通じて中国から磁器が伝わったのがきっかけに、当時日本から輸入されていた伊万里焼の影響をも受けつつ、独特の陶器が発展し生産が行われました。



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10243619.jpg



 16世紀はじめにイタリアから陶器であるマヨリカの製法が伝わり、陶器の製造が行われていましたが、17世紀、そこにオランダ東インド会社を通じて中国から磁器が伝わったのがきっかけに、当時日本から輸入されていた伊万里焼の影響をも受けつつ、独特の陶器が発展し生産が行われました。



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10270444.jpg



Since the 17th century Delft is known for itsceramics factories and manufactured there Delft ceramics in delfts known blauw.The most famous son of the city is the painter Jan Vermeer. In the 19th centuryDelft became the art city and profiled by the Technical University Founded in1842, in the fields of technological innovation and architecture.



 オランダではスズ釉薬で絵付けされた陶器は、1512年アントウェルペンのグイド・ダ・サヴィーノが最初に制作し、その後絵付けされた陶器の制作が、オランダ南部からオランダ北部へと広まっていったと考えられています。ミデルブルフやハールレム、アムステルダムでもこのような陶器の製造が始まりました。



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10292184.jpg



 オランダでスズ釉陶器の生産は1640年頃からモノグラムや工房の意匠にデルフト陶器が使用されるようになっていきました。 画家だけでなく、絵付けを行う陶芸職人も参加を義務付けられていた芸術家ギルドである聖ルカ組合には1610年から1640年にかけて10陶芸職人が、1651年から1660年にかけて9名の陶芸職人がマイスターとして登録されていました。デルフトで弾薬庫の火薬が大爆発を起こし、多数の醸造所が甚大な被害を被むり、デルフトの醸造産業は衰退し、広い醸造所跡地は、広い工房が必要だった陶芸職人が買い取りました。このような陶芸職人のなかには以前の醸造所の屋号をそのまま使用し続けたものもいました。


 炭酸カルシウムが豊富に含まれた泥灰土の使用によってオランダの陶芸技術は進歩していきました。デルフト陶器では試行錯誤の結果、地元産、トゥルネー産、ラインラント産の三箇所の粘土を混ぜ合わせた最良の粘土にたどり着きました、従来は陶器は絵付けされ、透明の釉薬をかけるだけでしたが、17世紀初め、白色のスズ釉薬で全面が釉掛けされる方法が見いだされたことで、焼成された陶器表面に深みを与え、青の絵付けの発色を鮮明になり、磁器のような陶器の制作が可能となりました。



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10301811.jpg


 中国製品に追いつくために努力を重ね、17世紀の終わりにはデルフト工房の焼き物工房の数は33にまで増えました。デルフト陶器は、ヨーロッパ中の人気を集め、焼成技術や絵付け技術を持ったオランダの陶芸技術者たちは、有名なマイセン陶器の始まりにも大きく貢献しました。



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10311240.jpg


 マイセン焼きの発症がきっかけとなった磁器の原料カオリンがドイツ北部で発見され、本物の磁器が製造できるようになったため、デルフト焼きは厳しい競争にさらされ、19世紀半ばにはデルフト市内の工房は殆ど姿を消してしまいました。


 しかし幸いにも、産業革命の発祥の地・イギリスで「美術工芸運動」として始まり、パリの万国博覧会に出品された日本製品の影響を受け、デルフト焼きの手作りの美しさは蘇ることになりました。



人気のデルフト焼きとデルフト・ブルーの魅力_a0113718_10333942.jpg

 私もお土産にデルフト焼きを購入しました。はじめ値段が高いので、お土産用のレプリカを購入しようと思いましたが、本物と比べると色や絵柄の細部の表現が職人さんが作った本物と驚くほど違うので、結局本物のデルフト焼きの皿を買ってしまいました。


【参考】

  Caiger-Smith 「オランダの伝統・デルフト陶器」2014年  

  金獅子亭「デルフト焼(ロイヤルデルフト/デルフトブルー)」

  大平雅己「西洋陶磁入門」2006年 岩波新書)






下記の文字をクリックすると写真ギラリーを見ることができます。
デルフト陶器 写真キャラリー





この記事を読んだ方は上のマークをクリックして下さい。
にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村










by desire_san | 2016-08-25 22:03 | オランダ | Comments(9)
Commented by rollingwest at 2016-08-22 13:28
いつも芸術探訪の旅、素晴しいですね。華やかな陶芸世界に心も安らぎます。今日からようやく夏休みで家でゆっくりしているRWでした。
Commented by desire_san at 2016-08-22 14:29
rollingwestさん、いつも私のブログを読んでいただきありがとうございます。
芸術や文化を求めて旅をしていると、いろいろ知らなかった世界を知り、旅の楽しみも広がりますね。家でゆっくり死ながら、旅の思い出に浸っているのもまた楽しいもまです。
Commented by snowdrop-momo at 2016-08-25 20:24
desireさん、こんばんは。
ブルーとホワイトの世界を旅されたのですね。洋の東西が出会う素敵な世界を…

陶器と磁器だと、陶器の方があたたかみのある風合いのような気がします。

ダイニングの写真は、デルフト焼きの博物館の展示なのでしょうか。
フェルメールの時代にタイムスリップできそうです。
Commented by desire_san at 2016-08-25 22:29
snowdrop-momoさん いつも私のブログを読んでいただきありがとうございます。
私が行ったのはデルフト焼きの大手会社の工場で、工場内にデルフト焼きの展示室や販売店が入っています。陶器と磁器の違いは、陶器は粘土を低温で焼いて作るのに対し、磁器は長石、けい石の石質が主成分を成している磁土を高温で焼いて作ります。磁器は高温で焼くのでガラス化が進み強度があります。実用的にお皿などに使われているのは殆ど磁器だと絵思います。工芸品としてはデルフト焼きは陶器、マイセンは磁器ではないかと思います。
Commented by あまた at 2016-08-27 00:39 x
desireartさん
いつもブログを拝読頂き有難うございます。
デルフトの青について勉強になりました。
柔らかな乳白色の生地に鮮やかな青。
沖縄の青は生地の黄味がかった化粧土に映える、和らかな大らかさが
ありましたが、昨今は白と青のコントラストを強く出すのが
流行りのようです。あまり爽やかでなくても良いと思うのですが。。
沖縄にはタイル文化がありませんが、あったら素敵なお墓が残っていたのではないかと
思いますね。
Commented by desire_san at 2016-08-28 12:02
あまたさん。私のブログを読んでいただきありがとうございます。
沖縄にも柔らかな乳白色の生地に鮮やかな青の陶器があるのですか。一度観てみたいですね。
デルフト焼きの青は、お土産用の模造品と比べると歴然と違う魅力的な色です。本物を見比べないと分りませんが。

Commented by desire_san at 2016-08-28 12:02
あまたさん。私のブログを読んでいただきありがとうございます。
沖縄にも柔らかな乳白色の生地に鮮やかな青の陶器があるのですか。一度観てみたいですね。
デルフト焼きの青は、お土産用の模造品と比べると歴然と違う魅力的な色です。本物を見比べないと分りませんが。

Commented by komakusa2t at 2016-08-29 06:44
全く知らなかった世界です。素敵ですね。。
お花もブル-が好きなので。。
器だけでなくタイルにもなっているのですね。
Commented by desire_san at 2016-08-29 08:06
komakusa2tさん、私のブログを読んでいただきありがとうございます。
デルフト陶器は、お皿などのほか、タイルなどにして高級な室内装飾にも使われました。

by desire_san