世界最大のレンブラントのコレクションとバロック美術・ロココ絵画
エルミタージュ美術館 Ⅲ
Hermitage Museum
エルミタージュ美術館の建物を出ると、河岸通りの反対側には、ロッシの設計による古典主義様式の旧参謀本部があり、エルミタージュ美術館と旧参謀本部に囲まれた部分が宮殿広場です。中心には、生涯をイサク宮殿の建造に捧げた建築家モンフエランがもうひとつサンクトペテルブルグのシンボル、アレキサンドル円柱が聳え立っています。宮殿広場から周囲を見渡すと、北にバロック様式のエルミタージュ美術館、南に古典主義様式の旧参謀本部と対照的な建物が全貌でき、解放的な風景に心が癒されます。
Thecollection of baroque paintings at the Hermitage Museum is substantial.Especiallythe Flemish painting collection is outstanding among the world's museums. It isonly the Hermitage Museum in the world that you can see over 20 Rembrandtmasterpieces.In addition, at the Hermitage Museum there are more than 40Rubens' masterpieces alone, all of which are masterpieces. (When you click the"Translate to English" in the lowerright, you can read this articlein English.)
エカテリーナ2世は、自らの趣味でロッシら古典主義様式の建築家に内装の仕上げを委ね、膨大な美術品をドイツの商人などから購入しそれを陳列するため、小エルミタージュ、旧エルミタージュを建設し、自らの休養の場としました。
『戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像』
エルミタージュ美術館のバロック絵画も充実しており、特にフランドル絵画のコレクションは世界の美術館の中でも傑出しています。中でもレンブラントの傑作を20点以上見られるのは、世界でもエルミタージュ美術館だけではないでしょうか。
レンブラントとその時代
『フローラ』は、花の女神の姿で描かれた妻サスキアを詩情豊かに描いています。業火に服を着て頭には花冠を飾り付けた若い妻の姿にレンブラントが見惚れていたのが目に浮かびます。画家として裕福で人気があった幸せな時の作品です。 やがてサスキアは世を去り、レンブラントも富と名声を失っていきます。
『放蕩息子の帰還』はレンブラント晩年の傑作で、ボロを着た息子が父親に許しを得られた場面が描かれていました。この作品には父親の愛情、苦悩、寛容の感情が集約されており、この複雑な心理描写が心の暖かさ巧みに表現しているのは感動的でした。絶望から歓喜へのドラマティクな世界を絵画で表現したような傑作でした。この作品での父親の複雑な心象を表した表現は絶妙で、父親の深い愛情が観る人に伝わってきます、レンブラントの活躍したオランダは、当時ヨーロッパの北方といわれ、暗い時代から、近代の光がさしてきたような時代で、レンブラントの絵画も、日常の中に天使の光がさしたように、自分の中に新しい光が差したような精神性を感じます。絵画でこれだけ感情移入して感動した作品は初めてでした。 ここに描かれた絶望から歓喜への感動はバッハの「マタイ受難曲」を聴いた時の感動と重なるような気がしました。
『イサクの犠牲』(1635年)も、レンブラントを代表する旧約聖書の場面を描いた宗教画のひとつです。イスラエル国民の祖であるアブラハムは、その妻サラの間に生まれ男の子を「イサク}と名付けて育てます。しかしある日、イサクを山上で焼き殺し自分に捧げよという神の啓示を受けます。アブラハムは苦悩しますが、信仰が深かったため自分の息子を殺して神に捧げる覚悟をします。意を決したアブラハムは、イサクを連れて山に登りに行く。アブラハムは雄山羊を、息子のイサクは薪を担いで山に登り、イサクを短刀で刺して殺害しようとします。アブラハムが短刀でイサクののど元を切り裂こうとするその瞬間、「お前が神を恐れる者であることがわかった。」という神の祝福の言葉が響き、「お前の子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る」とアブラハムを祝福しました。まさに愛する息子に短刀を突き立てようとする瞬間、神の使いである天使が舞い降りてアブラハムを止めて、神の祝福を得るシーンが描かれている。空中に舞う短刀によって、まさに危機一髪の瞬間であったという臨場感が伝わってきます。
レンブラントの人間の心理や内面性を複雑な明暗表現で表現できる画家はレンブラントだけではないでしょうか。『ダビデ』も明暗の表現で複雑な内面見事に表現していてレンブラントの自画像的な意味があったのではないかと推測されます。
『十字架降下』は、まさにバッハのマタイ受難曲の世界を明暗のコントラストがドラマティクに表現した作品で、悲劇性が強く表現されていて、内面的な心を作品に閉じ込めている点では、『放蕩息子の帰還』と通ずるものがあるのかもしれません。
『天使のいる聖家族』は、は、日常のオランダの家族間のように日常的な雰囲気ですが、天使が降りてきて日常でないことを示しています。農民の生活の一場面のような簡素な住居の出来事のよう描いていますが、非常に温和で比類ないな詩情性を感じさせる表現の作品です。1640年代の精神性を備えた内向的表現が、「聖家族」を主題とした作品の中で最も完成度の高い柔和な作品となっています。
『ダナエ』は、まばゆいばかりの光に包まれ、初々しいが豊かでバロック的な成熟な身体で描かれたダナエが、恥じらいと喜びでゼウスを迎える場面を生き生きと描かれていました。しかし当時の人には複雑すぎて奥深く心象的であったため、当時の世間ではあまり評価されなかった作品だそうです。
たくさんある作品群の中で、バロック美術の先駆者・カラヴァジュの『リュートを弾く若者』」は、光と陰の表現が特異的で、官能的な感じました。
ピーテル・デ・ホーホ『女主人とバケツを持つ女中』
フェルメールに並び室内画、風俗画で有名なデ・ホーホによる戸外での日常生活のひとコマを描いた作品です のどかな午後のひと時、中央に座る女主人と今夜の食卓に乗せる魚を見せる女中を巧みな画面構成と遠近表現描かれています。
ルーベンスと後継者たち
エルミタージュ美術館には、ルーベンスの大作だけで40点以上あり、どれも傑作と呼べるものばかりです。風景画、肖像画から彫刻、工芸品までルーベンスのアトリエで制作されも美術アカデミー的な存在でした。ルーベンスの色彩豊かで形態の質感も豊かで、躍動的な動きを備えた絵画は、楽天的な性格のフランドル美術を確立しました。
ルーベンスの部屋も充実した傑作が多く大作ぞろいでした。『ペルセウスとアンドロイダ』」はギリシア神話の世界をテーマにルーベンスの理想の女性像を描いています。
『大地と水の結合』は、大地の恵みと水の結合が国を豊かにするというルーベンスの思想がこめられているようです。
今回の「大エルミタージュ美術館展」でも来日した『田園風景』は、田園は羊飼いを意味し、羊飼いが女性を抱擁とする場面で、外交官の仕事を離れたルーベンスが、晩年に描いた作品です。
限られた時間の中でゆっくり全部見ることは不可能でもありましたが、ルーベンスの絵画は、まさに清毒を併せ持つようなまさにバロックそのものと言える濃密な世界 だったこともあり、壮麗なバロック装飾をたくさん見てきた私としては、かなり疲れて消化不良になりそうでした。
近くに展示されていたルーベンスの弟子ヨルダーンスは、ルーベンスの画風を引き継ぎ、宮廷生活の華やかな情景を描きました。『クレオパトラの饗宴』、では、健康的で俗っぽい民衆を一緒に描いていて、美と醜の対比により画面の人物を生き生きと動的に表現しています。大衆的な雰囲気の表現はルーベンスより少し親しみやすいように思いました。
ルーベンスの弟子の中手でも肖像画の名手のヴァン・ダイクは、輝かしい肖像画でヨーロッパ君主たちの人気が画でしたが、ルミタージュ美術館にも彼の作品を20点以上所有しています。画家の優雅さと芸術性が説妙に発揮された『自画像』は画家の地震が溢れています。優雅な色使いとタッチで描かれたヴァン・ダイクの典型的な肖像画と言えます。今回の「大エルミタージュ美術館展」で来日した『王妃ヘンリエッタと侍女』でも、人物と衣装に明るい色彩を用いながら、周囲の金と黒のカーテンや遠景の風景を配慮して人物を引き立て彼の典型的な肖像画でした。
フランス・ハルクは他の画家の追随を許さない個性的な肖像画の名手で、女帝カテリーナのお好みの画家でした、展覧会のため来日した『手袋を持つ男の肖像』でも特有の早いタッチで一瞬の清浄を捉えるその生き生きとした表現は彼特有のものです。男の取っているポーズは、新興国オランダで成功を収めたことを誇らしげに示しています。
スペインのバロックロック美術
スペイン・バロック美術の最高峰と言われる、ベラスケス、リベラ、スルパラン、ムリーリョの作品も見ることができました。
最初に目を引いたのが、ベラスケスの『昼食』は、私が好きなベラスケスの若いころ1617年の作品の作品で、2つのザクロと切れ目の入ったパンが置かれ、そのテーブルの左側に老人、右側に若者が描かれています。後ろの呑気そうな少年は、水差しのワインを注ごうとしています。庶民の生活を明暗の効果を使ってリアリスティクに描いたこの作品は、宮殿装飾とは別の次元ではありますが、バロック的だともいうると思います。
スルバランの『少女時代の聖母マリア』
敬虔無垢の少女マリアを生き生きと表現した傑作です。画家の幼い子供たちの容姿を聖母マリアに反映させているそう、人間的で心温まる作品です。スルバランは徹底したリアリズムとカラヴァッジョ風の劇的な明暗表現による峻厳な聖人や修道僧の絵でよく知られていますが、このような愛らしくも敬虔な幼いマリア像は、スルバランとしては異例な作品でもあります。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ『幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ』
幼いイエス(左)と抱き合っているのは、後にイエスに洗礼をほどこす聖ヨハネ。その右で天使たちを仰ぐ子羊は、やがて人類の犠牲となって十字架につくイエスの、また、左手前の果物も楽園のアダムとイヴが犯した「原罪」と、これを償ったイエスのシンボルです。
スペイン美術の黄金時代の最後の画家ムリーリョの作品は当時収集形に非常に人気があり、エルミタージュ美術館にもムリーリョの作品群のあつまるスペースがありました。の描く聖母マリアは清楚な美しさと優しさに溢れています。
『受胎告知』は処女マリアに天使のガブリエルが降り、マリアが聖霊によってイエスを身ごもることを告げる波面ですが、この作品はムリーリョらしい優しい表現で緊迫感が感じられず、聖母マリアも天使のガブリエルも天井に群がっている子供の天使たちも優しさに溢れ心温まる作品です。
ムリーリョの典型的な作品『無原罪の御宿り』は浮遊感のある聖母の心温まる表現が素晴らしいと感じました。
『羊飼いの礼拝』では、聖母マリアと幼いキリストに光をあてて神聖さを表現しています。ムリーリョは子供の表現にも秀でており、エルミタージュ美術館にも子供を描いた傑作がたくさんあります。『幼いイエスと洗礼者ヨハネ』でも、子供の描写が秀で、ムリーリョに相応しいテーマと言えます。興津字は犠牲を象徴し、リンゴは現在を象徴しています。
エル・グレコの『使徒とペテロとパ』」、ゴヤの『アントニア・サラテの肖像』などエルミタージュ美術館にきたら見逃せないと思っていた作品もたくさんありました。
同時代の作品
ティエポロ『受胎告知』
ヴェネツィア派の色彩感覚を受けついたイタリアバロックの画家・ティエポロの作品は、小品ながら画面を巧みに使った大きな表現が魅力で、表現の大きさはエル・グレコを連想されるが、優しくおおらかで色彩表現はヴェネツィア派の華やかさを持っています。
二コラ・プッサン『エジプトの聖家族』
エジプト人が飢えた聖家族を救っている場面を描いています。プッサンはヘレニズム期に信仰された冥府王・セラピス神の聖壇に集まっている人々も画家描いていますいています
ロココ美術
ルネサンスからバロック、ロココの時代に属する新エルミタージュの2階に集約しており、バロック絵画を一通り見たところでエルミタージュ美術館に入ってから3時間以上が過ぎていました。
ロココの名画では。珍しいヴアトーの作品が3点もありました。
ヴァトー『聖家族(エジプトへの逃避途上の休息)』
ヴァトーの数少ない宗教画の傑作です。ユダヤの王ヘロデが、やがて己の地位を脅かす存在になる神の子イエスの存在を恐れ、ベツレヘムに生まれる2歳以下の新生児の全てを殺害するために兵士を放ったものの、聖母マリアの夫である聖ヨセフが天使から「幼エジプトへ逃げよ」と託宣を受け、聖母マリアと幼子イエスを連れエジプトへと逃避する場面です。中央に描かれた聖母マリアと幼き神の子イエスが無垢でありながら威厳も感じられる表情を浮かべた姿で描かれています。イエスの聖性と神とのつながりを示す聖三位一体の白い鳥の聖霊が描かれています。慈愛の眼差しを向ける聖母マリアと聖ヨセフの表情にはどこかイエスの受難を危惧しての物悲しさを感じさせます。
ヴァトー独特の陰鬱的な雰囲気表現と、豊かな色彩の描写のなかで、神の子イエスと聖霊は画面中で最も明るい光に包まれており、聖ヨセフの顔や身体には深い影が落さ、この強い明暗の対比は不安を抱かせます。空の色の深い青色と岩々の赤褐色の色彩的対比は、聖母マリアが身に着けている聖衣服と呼応しており、画家の優れた色彩感覚を感じさせます。 『ケヴォアの人々』では、辛い旅芸人の生活なのに、なぜか楽天的な明るさが感じられます。
ヴアトーは雅宴画(フェート・ギャラント)を作り出した画家で、豪奢な衣装で着飾った女性と男性が自然の中で、会話、音楽、踊りを楽しんでいる光景を描いた作品です。『困った申し出』もその一つです。「攻め」の男と、今ひとつ煮え切らない女性の微妙かつ軽妙な心理的な駆け引きが描かれています。
雅宴画は当時、流行して多くの画家が似たような作品を描きましたが、他の画家が楽天的で享楽的であるのに対して、ヴアトーの雅宴画は郷愁やある種の憂いを含んでいています。ヴアトーは、貴族趣味の一時の豪華な雅宴に対して、ある種の儚さを感じていたのかもしれません。
ブーシェは、装飾性の高い画風や官能的な裸体画に人気を博した典型的なロココ画家で、神話画、寓意画、肖像画を得意としていました。
ブーシェ『エジプトへの逃避途上の休息』
今回エルミタージュ美術館展」で始めてみた作品です。ヴァトーの作品と比べると明確な表現の違いがみられます。ブーシェの作品は、優美でロココ趣味的な装飾的描写によって構成されていて、繊細で装飾的優美性に富んだ構成要素や色彩描写は装飾絵画としての通俗的な性格がみられます。左側の流れる川や遠景の建築物の表現にブーシェ独特のドラマチック的展開を感じさせます。
グルーズの『未亡人と司祭』『菫色のチェックを着た少女』も来日していましたが、美しい瞳の哀愁ある女性像はグルーズが得意とする美しく魅惑的な女性の表現です。
ジャン=バティスト・シメオン・シャルダン 『食前の祈り』 1744年
食事を前に手を合わせる妹と、すでに祈りを済ませた姉、それを優しく見つめる母親という一般的な市民家庭の日常のひとコマを描いた作品。整理整頓された清潔な室内も彼女が良き母、妻であることを物語っています。シャルダンの庶民の生活を描いた生活感のある作品、グルーズの人間の情感が顔に表現され、絵画の次の時代を予感させる作品もありました。
ランクレ『舞踏家マントレ』
同じ踊り子を描いた画家にドガの作品とは全く違った表現ですが、踊り子を描いた絵画の傑作です。ドガ作品のような重厚さは全く感じられず、絵画全体が装飾的で、軽やかに踊っている少女だけが心に残ります。ロココでき芸術表現の中でも傑出した作品だと思います。
ゲインズ・バラ『青衣の貴婦人』
青を貴重とした優雅な雰囲気外のました。ブーシェ「ヴィーナスの勝利」、ピンク色の輝く豊かな肉体のヴィーナス蔵です。同じくブーシェの「田園風景」戯れる恋を描き、明日のことを考えず今の享楽を楽しむロココ時代の世相を描いているようです。
ポンペオ・ジローラモ・バトーニ『聖家族』 1777年
エカテリーナ2世の子供で後の皇帝バーベル1世がバトーニのアトリエを訪れ気に入って購入した作品。バトーニは「イタリア最後のオールドマスター」と呼ばれた18世紀の画家。色白のうら若い聖母と幼いキリストが、他の誰よりも明るく輝いています。 リストに手を差し伸べているのは聖アンナ(聖母の母)、聖母が左手で抱えているのが洗礼者ヨハネで、初老の父ヨセフは脇でこの様子を見守っている。の顔は非常に美しく聖母マリアの美しさ際立って美しい作品です。顔の美しさ、ロココ風の表現に近く際立っています。
フラゴナール『盗まれた接吻』
以前来日したことのあり、エルミタージュ美術館でも見ており、今回の美術展で3回目の対面でした。予期せぬ接吻に驚きながら、女性は青年の方に身を寄せ、ドアの向こうの人たちに気づかれないように自然を向けて、女性の心のゆれを見事に表現していいます。ロココ風の「戯れの恋」を描いた作品です。フラゴナールの妹で弟子のマグリット・ジュラールが女性のスカート布の表現で高度の技量を発揮していす。絶妙の構図と上品で節度ある表現の傑作です。
以上が、ルミタージュ美術館のバロック・ロココ美術のフロアーで観た作品ですが、六本木ヒルズの森アートギャラリーで現在開催されている「大エルミタージュ美術館展」の目玉として、ルネサンス期の作品である、ルーカス・クラーナハとティツィアーノと作品も展示されていましたが、それについては、下記を参照ください。
(文字をクリックするとリンクして内容を見ることができます)
参考文献:五木寛之,「美の宮殿エルミタージュ 」1989年
(NHK エルミタージュ美術館)
エルミタージュ美術館 公式ガイドブック
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ロシアという国柄、少し躊躇していますが・・・・。
ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ宮殿広場にある記念碑であるアレキサンドル円柱は、存在感がありますね。
エルミタージュ美術館は、建物も、内装も華麗で、子でしか見られない名画がたくさんあります。優しく2人の子供たちが描かれている作品は、ムリーリョでしょうか。
ムリーリョは、私の最も好きな画家のひとりです。
よろしかったら、世界の他の美術館についてもレポートしていますので、観ていただけると嬉しい限りです。
エルミタージュが保有する至宝である24枚のレンブラントの中から、特に傑作だけを並べて紹介していただくと、画像だけ見ていても、壮観ですね。どれも素晴らしい作品ばかりですが、『ダビデとヨナタンの別れ』は、描かれたのが、『夜警と同時期で、サスキアが亡くなった直後だそうです。この絵は、レンブラントとサスキアの別れを描いているという説もあるそうです。ヨナタンの長いブロンドの髪はサスキアのように見え、ダビデの顔もレンブラントを連想させます。そう考えると一層悲しさがにじみ出ていますね。
ご存知かとも思いますが、エルミタージュ宮の外壁は、18世紀半ばの建設時には薄い黄色だったそうです。これが19世紀半ばには薄いピンク色に塗り替えられ、20世紀に入ると赤茶色となりました。第二次世界大戦中には、空襲の的となることを避けるとして、灰色に塗られていたそうです。戦後は、明るさを取り戻した世界を表現する薄い緑色に塗られて現在にいたっているそうですす。一時創設250年にあたる2014年に従来の薄い黄色に戻される計画もあったそうですが、現在の色は大変美しいので、ちゅうしになったようです。
レンブラント『ダビデとヨナタンの別れ』が、レンブラントとサスキアの別れを描いていると見ると、本当に切なく悲しい作品ですね。
レンブラントの作品を、生涯の出来事と重ねてみると、新たな感動や発見があるのでしょうね。
そのような見方をするともレンブラントの作品の内面的な奥の深さをより理解できるのではないかかと思いました。ありがとうございます。
エルミタージュ宮の外壁の色には、建設当初の色だと思っていました田ので、そのような歴史があることは知りませんでした。黄色いエルミタージュ宮殿も美しいかもしれませんが、やはり現在の薄い緑色が最も美しいと思いますね。
エルミタージュ、行ってみたかったのですが、フランスに在住時代は個人旅行となりこちらはとても面倒な手続きが必要だったために諦めたところでした
やはり美術品の宝庫ですね。行ってみたいわぁ
オペラ。バレエ、ヨーロッパと共通の話題もいっぱいあり
勉強になるブログ。また来させてくださいませ。
私もドイツで仕事をしていたとき、エルミタージュに行ってみたかったのですが、ロシアに入るには入国ビサが必要なのと、経験のないことが個人で旅行するのは危険が多いことを知り、断念し、結局ツアーで行きました。始めて見たエルミタージュ美術館は、世界にも類のない豪華な宮殿美術館で、感激しました。
オペラ、バレエ、美術が好きで、その地で味わった感動を頭に刻むため海外旅行記も出来るだけ丁寧に書いています。是非や時間のある時に、ご訪問お待ちしています。
時々こちらで読ませて頂いています。
本場のエルミタージュ美術館記Ⅰ~Ⅲまで読ませて頂きました。
素晴らしいコレクションの数々ですね。
詳しく的確な解説はとても勉強になります。
芸術に対しての豊かな造詣をお持ちで、尊敬致します。
森タワーのエルミタージュ美術館展とエルミタージュ美術館について、詳しく解説されていて、驚きました。
エルミタージュ美術館がレンブラントを40枚も所蔵していたとは、知りませんでした。
ブログにコメントいただきありがとうございました。
やはり一度はエルミタージュ美術館に行ってみたいですね。
ブログを拝読させていただきましたが、もう一度美術館に行って鑑賞し直したくなりました。
とても丁寧な解説、勉強になりました。
エルミタージュ美術館の美術コレクションは、ルーブル美術館に匹敵する内容ですが、コレクターの趣味が繁栄されてか、作品の傾向がかなり違うのも面白いですね。
よろしかったら、またのご訪問をお待ちしています、
日本で、エルミタージュ美術館のごく一部の作品が来ても、「大エルミタージュ美術館展」になってしまうところがすごいですね。
ルミタージュ美術館がレンブラントのコレクションは、世界最高だと思います。
エルミタージュ美術館は、美術に興味のある方なら、行かれたら必ず満足される魅力があると思います。エルミタージュ美術館のコレクションは独特で、他の美術館では絶隊見られない作品が多いですね。
で、車椅子で行けるのでしょうか?