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アナニアシヴィリ、ザハロワ、吉田都、全盛期の最高のキトリ

バレエ『ドン・キホーテ』

Ballet “Don Quixote”


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 『ドン・キホーテ』は文学作品としては世界中で出版されている大ベストセラー小説です。騎士道物語を読み過ぎて妄想に陥った主人公が、自らを伝説の騎士と思い込み、愛馬のロシナンテにまたがり、従者サンチョ・パンサを引きつれ遍歴の旅をする物語です。映画や舞台作品にもなり、アメリカの作家デイル・ワッサーマンが脚色した『ラ・マンチャの男』も有名ですが、オーストリア出身の作曲家レオン・ミンクスの音楽にプティパの振付したバレエ『ドン・キホーテ』はクラシックバレエの傑作です。





Thisarticle is about the ballet by Marius Petipa. For other uses, see Don Quixote(disambiguation). Don Quixote is a ballet in four acts and eight scenes, basedon episodes taken from the famous novel Don Quixote de la Mancha by Miguel deCervantes. It was originally choreographed by Marius Petipa to the music ofLudwig Minkus and first presented by the Ballet of the Imperial Bolshoi Theatreof Moscow, Russia on 26 December




バレエ『ドン・キホーテ』の音楽について

 「ドン・キホーテ」を作曲したレオン・ミンクスは、ウイーンで生まれ、ヨハン・シュトラウスⅡ世が台頭しようとする時期に修行を重ねていたようです。マジリエが振り付けたバレエ『パキータ』の音楽を担当し、プティバ振り付けのバレエの御オ額も手伝っていたようです。その後ロシアに渡り、ボリショイ劇場のヴァイオリニストとして雇われ、音楽家としての人生が開けてきました。サン・レオン振り付けのバレエ『炎の恋』のバレエ音楽を作曲でデビューし、幻想的なコール・ド・バレエ場面やエチドチックな踊り、ロマa0113718_17233915.jpgンチックな音楽の『バヤデール』で脚光を浴びました。最大の成功はこの『ドン・キホーテ』で、セルバンテスの原作をプティバが自由に改作したバレエに、ミンクスが彩りを与えました。その後ペテルブルグの宮廷劇場付の作曲家となりました。しかしその後、プティバ野と組み合わせのマンネリ化が否めなくなり、ロシア国民音楽派の定着により、全盛期の遺物的な存在となっていきました。ミンクスは、耳に心地よいが、踊りに従属する音楽という評価が一般的のようです。



 ミンクスは、バレエ音楽の職人音楽家を超えることはできなかったのかも知れません。しかし、バレエを音楽と踊りの総合芸術としてみると、ミンクス作曲による「ドン・キホーテ」は、音楽だけをとってもドキドキ、ワクワクする場面があって聴き応えがあり、この音楽なくして傑作バレエ『ドン・キホーテ』存在しえなかったと思います。


 

名バレリーナが踊る『ドン・キホーテ』

 バレエでは、ドン・キホーテに想像上の思い姫・ドルシネア姫と間違われる宿屋の娘・キトリが主役で、物語の中心は若い男女の恋物語となっています。ドン・キホーテは物語の端々に登場する狂言廻し的な役として登場します。主役のプリマバレリーナは、宿屋の娘・キトリとドン・キホーテの夢のシーンでドルシネア姫を踊り分けます。



吉田都の『ドン・キホーテ』

 私が初めて観たバレエ『ドン・キホーテ』は、英国ロイヤルバレエ時代の吉田都主演の新国立劇場での舞台でした。吉田都のキトリは、抜群の安定感とスピード感があり、動く時は動き,止まる時は
ピタリと静止するという踊りに抜群のキレがあり、日本人にこんなバレリーナがいるのだと感激したのを覚えています。バジル役のウa0113718_17320491.jpgヴァーロフ(ボリショイ劇場バレエ)も,スピード感がありとジャンプも大きく、息もぴったりでリズム感もある素晴らしい舞台でした。キトリは、お茶目でいたずら好きののびのびとして明るい町娘という設定です。吉田都は自由奔放な町娘を明るく軽やかに演じていました。




アナニアシヴィリの『ドン・キホーテ』

a0113718_17340344.jpg ニーナ・アナニアシヴィリは、つぶらな黒い瞳と黒い髪に、すらりとのびた長い手足、そしてチャーミングな笑顔で、舞台に現れた瞬間から観客を魅了してしまう、私の知る限りでは最も美しいプリマバレリーナだと思います。 全盛期はもちろんのこと、40代の彼女の舞台での美しさは際立っていました。それは年齢を重ねても衰えを感じさせぬプロポーションも見事ですが、優れたテクニックと情熱あふれる表現力が群を抜いていて、それに天性のスター性が加わり、彼女の舞台に大輪の美しい花が咲
いたようです。


 アナニアシヴィリは、どんな演目を踊っても最高に美しいプリマバレリーナですが、「ドン・キホーテ」のキトリも、アナニアシヴィリの当たり役のひとつです。勢いとスピードがあり、決めるとこa0113718_17350077.jpgろは決めるという、理想のキトリと言えます。アナニアシヴィリのキトリを観ると、すばらしい音感、キレのある動きの美しさ、しかもいかにも楽しそうに踊っているので、踊りに勢いがありも花があります。アナニアシヴィリの『ドン・キホーテ』も永遠に忘れられない舞台でし
た。




ザハロワの『ドン・キホーテ』

a0113718_17383196.jpg ウクライナ出身のロシア・ボリショイ劇場のプリマバレリーナ、スヴェトラーナ・ザハロワの舞台でした。ザハロワは「白鳥の湖」
「バヤデール」「ライモンダ」についで4回目でしたが、第1幕に登場したときから舞台に大輪の花が咲いたように輝かしく華やかで、気持ちの高揚を感じました。ザハロワが踊りだすともう舞台がザハロワの一人舞台となるほど華や

かでした。


 ザハロワは長身で小顔、抜群のスタイルで体の線も柔らかく綺麗で、体の柔らかさを生かした優雅で上品な踊りでした。ザハロワのa0113718_17421452.jpgキトリは町娘というよりお姫あるいは女王様という雰囲気でした。回転や跳躍にスピード感があり、軽やかで自由奔放な町娘の雰囲気があふれていた吉田都のキトリと比べると二人の資質の違いを感じました。快活な町娘という物語の設定に対しては吉田都のキトリの方が合っていたように思えましたが、ザハロワのキトリも大変魅力があり十分満足できるものでした。


 一方、ドゥルシネア姫のザハロワは、上品で優雅な踊りが生えて、まさにドン・キホーテの夢の中に登場したお姫様の雰囲気で輝きを感じました。吉田都のドゥルシネア姫も決して悪くはなかったのですが、この役に関して言えば、華やかさの点でザハロワの方が勝っていたように思えました。



a0113718_17425668.jpg 町娘・キトリとドン・キホーテの夢であるドルシネア姫という全く違った役を躍り分けることは『白鳥の湖』の白鳥と黒鳥を演じ分けるよりもある意味で難しく、『ドン・キホーテ』がプリマバレリーナにとって難しい演目であることを改めて感じました。






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by desire_san | 2018-03-26 21:10 | バレエ・演劇 | Trackback | Comments(0)
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