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芸術と自然の美を巡る旅  

フランス・グランドオペラの傑作、カウフマン始め最高キャストでMET上演

グノー『ファウスト』

Charles Gounod "Faust"

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 グノーの『ファウスト』は、ドイツの文豪ゲーテの『ファウスト』1部「グレートヒェン悲話」の章を題材に、シャルル・グノーによって作曲されたオペラで、美しいアリアや二重唱などの名曲が散りばめられた19世紀フランス・オペラの真髄といえるグランドオペラの傑作です。1883年のMETのコケラ落としを飾った『ファウスト』の舞台は、人気、実力ともにテノールの第一人者、ヨナス・カウフマン(ファウスト)を始め、ルネ・パーペ(メフィストフェレス)、マリーナ・ポプラフスカヤ(マルグリット)という最高の実力派キャストを揃え、指揮はカナダの俊英、ネゼ=セガン。この作品では現代最高の舞台を 東銀座の東劇・METライブビューイングで観てきました。





TenorJonas Kaufmann is riveting as the title character of Gounod’s popular opera,seen in this Live in HD presentation of Des McAnuff’s thrilling 2011 productionthat places the mythical and timeless story in an early 20th-century setting.René Pape as Méphistophélès is menacing and elegant in equal measure, andMarina Poplavskaya delivers a searingly intense portrayal of the innocentMarguerite. Russell Braun as her brother, Valentin, shines in his Act II aria.On the podium, Yannick Nézet-Séguin brings out all the lyricism and drama ofGounod’s score.



 悪魔に魂を売り渡して若さを手に入れたファウスト博士と、無垢なマルガレーテの恋と悲劇の物語を、グノーの甘美の極みといえる流麗な音楽で綴ります。マルガレーテの「トゥーレの王」や「宝石の歌」、ファウストの「この清らかな住まい」、メフィストフェレスの「金の仔牛の歌」、「悪魔のセレナーデ」、そして兵士の合唱やフィナーレの3重唱など、名曲が次から次へと続き、オーケストレーションも輝かしく豊潤で、『ファウスト』は音楽的に素晴らしい作品です。



 原作は16世紀のドイツですが、今回の演出では、2つの世界大戦を背景にした20世紀を設定にした宗教性を排した演出でした。原爆による壊滅的な破壊を目撃して、科学の発展が人類の幸せをもたらしていない現実が、偉大な科学者ファウストの無力感の背景にあるように感じさせます。



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 老学者ファウストが自分の書斎で、学問に人生をかけ提起研究したが「何ひとつ解らない」独白し絶望の歌を歌います。ファウストの嘆きは続き、毒薬の小瓶をつかみ死の決意を歌いあげます。独白の歌で示されるファーストの内面と「乙女たちの合唱」「農夫たちの合唱」と管弦楽で示される外界が絶妙で鮮やかな対比を成しています。

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 突然悪魔メフィストフェレスが現れます。管弦楽の音楽が効果的で、軽妙で個性的な音楽とともにメフィストフェレスは巧みに歌で自己紹介をしながら、ファウストに望みを聞くと、ファウスは「青春がほしい」と心の願望を吐露します。こうなると留まることを知らず、「私に快楽を、私に愛人を、私に彼女らの浴場を与えてくれ。」と失われた青春の快楽を取り戻す願望を情熱的に歌い上げます。ふたりの二重唱になり、「よろしい、その代償として死後の魂を渡すように」とメフィストフェレスはファウストに言います。ファウストがためらっていると、メフィストフェレスは糸を紡いでいる清純で美しい娘マルグリートの幻影を見せます。ホルンの旋律は恋の芽生えを暗示し、幻影に魅せられたファウストは無我夢中で死後の魂を渡すという契約書を書きます。舞台に一瞬霧がかかり、若返ったファウストが登場します。この早変わりはさすが見事でした。第1幕の終わりは、ファウストとメフィストフェレスの二重唱で壮大な音楽で幕を閉じます。



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 ある村で、マルグリートと村人たちがにぎやかに合唱しています。前奏の旋律を

そのまま引き継いで「ワインでもビールでも」の合唱、学生と兵士たちの合唱「娘も砦も」、テノールの市民の合唱「日曜や祝いの日には」ソプラノのグループの合唱「勇敢な人たちを見て」と続きます。


 今日は、マルグリートの兄ヴァランティンが出征する日です。ヴァランティンは「父祖の代から生まれついたこの地を出る前に」と力強く歌って、ジーベルとワーグナーらにマルグリートを頼みます。その中にフィストフェレスは入っていき、悪魔の邪悪な本性を「金の子牛の歌」と軽妙な演技で技巧を凝らして鮮やかに歌います。フィストフェレスの歌は学生たちを喜ばせますが、ヴァランティンはこのまやかしに不信を懐き、剣を抜いて迫ります。ヴァランティンの剣が折れて、皆悪魔の仕業と気づきます。ヴァランティンに学生たちの合唱が加わり重厚なオーケストラを背景とした「剣の合唱コラール」に、フィストフェレスも引き下がり世慣れた調子に戻ります。


 ワルツの音楽が響き、村人たちは軽快なワルツに乗って軽快に踊りあいます。マルグリートが現れ、ファウストはマルグリートに恋心を抱、近寄って誘いかけますが断られてしまいます。「君が好きだ」と情熱的に声をかけますが、返事はなく、村人たちのワルツの踊りが続いて幕が閉じます。




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 ジーベルはマルグリートに「僕の告白を伝えておくれ」と美しいメゾさソプラノのアリアを歌い、花を贈ろうとします。むメフィストフェレスの計略で花はすぐに枯れてしまいますいが、それでも何とか花輪を作りそれをマルグリートの家に置いて立ち去ります。そこに、ファウストとメフィストフェレスが登場し、ファウストは「この清らかな住まい・・貧しく慎ましい家に住んでいる純潔な清らかな女、自然よ、なんと美しく彼女を育てたのか・・・」と純愛の恋心を繊細な甘い声で情熱的に歌います。 メフィストフェレスが用意した宝石入りの小箱を置いて2人は立ち去ります。


 マルグリートが清らかな無垢な娘らしく美しく「トゥーレの王」を歌いながら登場します。部屋の中の机の上にジーベルは花束の隣に置かれた宝石を見つけ驚き、身に着けながら「宝石の歌」を歌います。無垢な清純な乙女が鏡に映った宝石をつけた自分の美しさに酔いしれていく様子が見事に表現されていました。


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マルトが現れ、宝石は貴族の方(ファウスト)の贈り物・・・と話しているときにファウストとメフィストフェレスが登場します。ファウストはマルグリートを、メフィストフェレスはマルトをそれぞれ口説きます。自分の計略を自画自賛するメフィストフェレスが歌う「すばらしい時間だった。」はオーケストラに彩られて変幻自在な悪魔の魔術を暗示としているかのようです。 「もう遅いわ、さようなら」と別れを告げるマルグリートにファウストが応じ美しい「愛の二重唱」の始まりです。ふたりは愛を確かめ合い、次第にあての幸福に酔いしれ「おお愛の夜よ、輝く星よ」と声を合わせます。「お帰りになって」と懇願するマルグリートに、押しの一手で迫るファウスト、メフィストフェレスとマルトの二重唱と重なり合って四重唱となって盛り上がっていきます。本当は清純な乙女のマルグリートもファウストの愛を受け入れます。



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 管弦楽の序曲は緩やかな悲劇的な音楽で始まり、幕が上がるとヴァイオリンと子木管楽器が哀愁に満ちた音楽を奏でます。ファウストはマルグリートの元から去り、彼女はファウストの子供を身ごもっていました。マルグリートは、糸をつむぎながら、純粋な愛情からで、罪はないと言い聞かせながら、姿を消したファーストが戻ってくるように願って「あの人は戻らない・・」と清らかな哀切の歌を歌います。ヴァイオリンの伴奏が紡ぎ車の廻る様子を表現しています。歌い終わるとマルグリートは泣き崩れます。シーベルが「ああ、マルグリート」と変わらぬ愛を告白し、マルグリートは心を落ち着けて祈りに教会にむかいます。


 管弦楽の荘重な響きにオルガンがなって大聖堂の中を感じさせ、マルグリートは「主よ、お許しください。」と祈り始めると、メフィストフェレスの声が響きわたり、悪魔たちのバスの合唱がマルグリートを包みます。神にすがろうとするマルグリートと、彼女を獲物にして地獄へ陥落させようとするメフィストフェレスの対決の場面は迫力があります。マルグリートはほとんど無伴奏で祈りの歌を歌い、メフィストフェレスには強烈なリズムの音楽が伴います。舞台裏でしは勇壮な兵士たちの合唱、ソプラノ、テノール、バスの僧侶たちの敬虔な祈りが加わり、音楽的な葛藤となって無盛り上がります。僧侶たちの聖なる歌もマルグリートの心に突き刺さり、僧侶たちの合唱と絡み合いながら、マルグリートは神への心の叫びを絶唱します。地獄へと呪うメフィストフェレスの歌も聴こえてマルグリートは失神します。



 場面はフランクフルトの街頭。遠くから勇壮な行進曲が響いて、出征した兵士たちが戻ってきました。兵士たちは無事な兵士たちの帰還を喜び合い「武器を捨てよう」といかにもグランドオペラらしい勇壮な兵士たちの合唱を歌います。 ヴァランティンが軍から帰ってきて、妹のマルグリートの変わり果てた姿を見て怒ります。マルグリートに対する良心の呵責から彼女の家に行こうとするファウストメフィストフェレスを伴って登場。マルグリートの家の前でファウストは後悔に苦悩していると、メフィストフェレスは戸口でセレナーデ「眠った振りをせずに」を歌って不気味に笑う。ヴァランティンはファウストに決闘を挑む。剣を抜いて応ずるファーストと彼を後押しするメフィストフェレスの緊迫感あふれる三重唱になります。しかし悪魔の力を借りたファウストに負け、ヴァランティンは敗れます。「ヴァランティンの死」は合唱を伴った劇的な場面となり、マルグリートも駆けつけますが拒絶されて、ヴァランティンは妹を呪いながら息を引き取ります。



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ファウストはメフィストフェレスに魔女たちのソプラノ合唱が聞こえ、古代の王女や遊女 たちの饗宴酒池肉林の騒ぎの中に連れてこられます。7曲のバレエ音楽が演奏され、クレオパトラを始め古代の美女たちが代わる代わる登場して妖艶なバレエを踊りファーストを誘惑します。しかし、ファウストはマルグリートを忘れられず、愛の二重唱の旋律が聴こえマルグリートの幻影を見ます。



 神の助けを求めて教会に駆け込み必死に祈るが、メフィストフェレスに「お前は祈ってはならない」と遮られ、戦争から帰還した兄はファウストと決闘して敗れ、妹を呪いながら息を引き取るという残酷な仕打ちに、マルグリートの心は折れてしまいついに発狂して自分の子供を殺してしまいました。




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 ファウストがマルグリートのところへ戻ると、マルグリートは生まれた子供を殺した罪で牢獄の中にいました。ファウストと再会し、思いがけない喜びに突き動かされたマルグリートは、熱狂的な愛の二重唱「わが心は恐れでいっぱいだ・・・」を歌います。ファウストは彼女を牢から逃れさせ連れて行こうとしますが、マルグリートは気が狂っていて、過ぎ去った幸せの思い出の日々のことを歌い、ついていこうとしません。「早く、早く、・・」メフィストフェレスは逃げよう急き立て、マルグリートは清らかな祈りの声で神に祈ります。管弦楽も高まり、マルグリート、ファウスト、メフィストフェレスの緊迫した重唱となり、オペラ有数の名シーンです。マルグリートは遂に息絶え、天使たちの合唱が聞こえ、マルグリートは天から下りてきた階段を上り神の元に救済されていきます。最後にマルガレーテが神にすべてを託して昇天していくシーンは、信仰心の厚いグノーとしては感動的な幕切れでした。



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 タイトルロールのヨナス・カウフマンは初めて聴きましたが、まさにドイツが産んだスーパースターテノールでした。カウフマンの声はバリトンのようで太く暗く重い声で中音域では豊かに力強く高音域は輝かしく、力強さと繊細さを兼ね備え輝かしい最高音を響かせます。技術的に難しい高音のピアニッシモもため息が出るくらい繊細で美しく、音の強弱、緩急を自由自在にコントロールして歌に豊かな表情を付け、演じるキャラクターの気持ちを表現するのも絶妙に見事でした。カウフマンの暗めで端整な顔立ちは悲劇的な主人公にぴったりでした。歌と迫真の演技で、成熟した人間としての風格、罪悪感のために無意識のうちに行動する演技、華麗でフランス語も美しく、オペラ界随一の名優といわれるカウフマンを堪能できました。カウフマンは、モーツアルトの魔笛のタミーノやコジ・ファン・トゥッテのフェランドから、ワーグナー『ニーベルングの指環』のジークムントまで広いレパートリー以来とのことです



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 ルネ・パーペのメフィストフェレスも名演でした。歌は真の贅沢で豪華な雰囲気と完全に丸みを帯びたトーンで、明るく楽しく真っ直ぐな高揚があり、オペラが進行するにつれ、タキシード姿で悪魔の怖さ見事に表現していました。やや計算された演技ですが、ポイントでメフィストフェレスが舞台を支配していしていました。



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 マルゲリータ役のマリーナ・ポプラフスカヤは、天使のような清純で無垢な乙女が、豪華な宝石に心が揺れる場面を誠実かつ強烈に歌い上げていました。 怒り狂ったマルゲリータの悲劇的な描写は鮮烈で、感情的な熱気を上げ、心理的変化、恐ろしい犯罪、そして最終的な罰と償還に至るまで、彼女の声は強烈になっていきます。ポプラフスカヤの歌の表現は、瞬間に奇妙なほど波打ち、最高音は鋭く、多彩な歌の表現で、マルグリットを偽ったのは、悪意のない、気さくで、魅惑的ファウストであるという恐ろしく悲惨で残酷で難しい脚本を歌いこなしていました。



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 カヴァランティン役のバリトン、ラッセル・ブラウンも大変良かったと思います。アリアも盛り上がりましたが、カウフマン / ファウストとの闘いの場面の剣の戦いはあまりにもリアルでオペラの劇的な緊張を高めていました。シーベル役のミシェル・ロズィエは、純情なマルグリットを恋する若者という設定でのメゾソプラノのアリアは効果的でした。




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 デス・マッカナフの演出は、舞台の設定は中世ではなく、1945年の、とある研究室。背後に原爆ドームが映し出され、黒こげになった人々が通り過ぎるなか、原爆開発者のファウストは、自らの研究がもたらした悲劇にデス・マッカナフの演出は、舞台の設定は中世ではなく、1945年の、とある研究室。背後に原爆ドームが映し出され、黒こげになった人々が通り過ぎるなか、原爆開発者のファウストは、自らの研究がもたらした悲劇に呆然としながら「無…」と歌いだします。グノーの原作では「すべてを学んだつもりでも人間は所詮、すべてを知り尽くすことなどできない」と悟った学者の虚無感から生まれる「無…」なのだが、今回の演出ではより具体的な虚無感による「無…」。力強くも陰鬱さを湛えた声のカウフマン、シリアスなテーマを十分理解した上で悪の権化を愉快そうに歌うルネ・パーペの役作りもピッタリはまっていました。 マルグリットとメフィストフェレスの戦いは「信心」対「不信心」ではなく、「道徳」と「不道徳」のせめぎあいとして描かれ、作品もキリスト教信仰の枠を超え、普遍的な一つの問いを呈示していたようです。


 元来グノーの原作では「キリストは甦りたもう」とコーラスが歌い、荘厳な音楽に包まれてマルガレーテが神にすべてを託して昇天して終幕でした。しかし、この演出では、最後に老博士ファウストとしてマカナフが再登場し、手に持った毒薬をあおぎ倒れさせ、原爆の現実の重さは決して幸福には帰結せず、儚く吹き飛んでしまったという結末にしていました。「マルガレーテの昇天」で美しく終わるところで感動していた私たちには、蛇足としか思えませんでした。 ハイレベルの歌手を揃え、オペラの舞台全体の完成度が高く、大変満足した舞台でしたが、一方で、信仰心の厚かったグノーの作品ら宗教色を消して、原爆開発者という重い十字架を背負ったファウストが、悪魔と取り引きして、青春と快楽を買うという筋立ては違和感がありました。ゲーテやグノーの原作に関係ない「原爆」をこの舞台で強調する意味があったのでしょうか。「魂の救済」というゲーテの原作からも逸脱しています。芸術的に完成された作品の場を借りて自らの政治主張をすることは演出家の越権行為でもあります。幸いにも出演者と合唱、オーケストラ高い力量により、メフィストフェレスのごとく打ち負かされ、ゲーテとグノーの芸術が勝利したのは痛快でした。



【指揮】ヤニック・ネゼ=セガン/【演出】デス・マッカナフ

【出演】ファウスト:ヨナス・カウフマン / メフィストフェレス(悪魔):ル

ネ・パーペ /マルグリット:マリーナ・ポプラフスカヤ / ヴァレンティン:ラッセル・ブローン / シーベル:ミシェル・ロズィエ

1883年 メトロポリタン歌劇場



参考文献

江森 一夫著 オペラの楽しみ方完全ガイド 池田書店

音楽之友社編 スタンダードオペラ鑑賞ブック5 1999

The Daily Book of Classical Music



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by desire_san | 2018-09-18 15:30 | オペラ | Comments(7)
Commented by snowdrop-nara at 2018-09-20 17:26
お知らせをありがとうございます。
声もルックスも抜群のカウフマンを生で聴かれたのですね!
カタリーナ・ワグナー演出のオペラといい、東京はやはり世界への玄関口ですね!
陰のある二枚目が主人公のオペラは、カウフマンのような歌手だと感情移入しやすいです。ミーハーかもしれませんが…
(テレビで観た「ドン・カルロ」もよかったです)

ゲーテのウェルテルは当時の青年が感情移入してブームを巻き起こしたらしいですが、ファウストは渋いですね。年をとるほど惹かれる作品です。
手塚治虫の晩年の未完作、ネオ・ファウストやルートヴィヒ(ベートーヴェン)も最後まで読んでみたかったです。

オペラでは、原爆と科学という現代的な演出によって古典が生まれ変わったのですね。舞台背景など、きっとモダンな演出だったのでしょうね。

「トゥーレの王」と「宝石の歌」が続くのは心憎いです。
伝説や美しいものへの愛着は時代を超えた普遍的なものなのでしょう。なにより、ファウストの青春への執着も…。それに、メフィストフェレスの魅力も、このグランド・オペラの鍵なのでしょうね。

Commented by desire_san at 2018-09-21 16:14
snowdrop-naraさん   コメントありがとうございます。

グノーは、ゲーテの文学に対し、深い理解と尊敬の念を持っていました。
「トゥーレの王」から「宝石の歌」への音楽構成のすばらしさは、ゲーテも拍手をおくったでしょうね。
この舞台に向けて、カウフマンは、ゲーテの「ファースト」を五回も読んだそうです。
カウフマンはドイツ人でゲーテを尊敬していました。
芸術家どうしが時空を超えて尊敬しあい、すばらしい舞台を生み出していったことに心をはせて、感動を新たにしました。


Commented by Quaot_Teaszet at 2018-09-23 10:19 x
グノーやマスネー・アダンがあまり評価が高くないのはなぜでしょうか? 日本ではまあドイツ音楽が主流だからでしょう。哲学はカント、文学はゲーテ。日本の歴史学ではまだドイツプロテスタント歴史学の影響が強いようですね。パリはグローバルな世界だからそんな偏った見方はしないようですね。ショパンなどは言語的にはドイツ語でもドイツ音楽とはいえんでしょう。  
Commented by snowdrop-nara at 2018-10-05 18:01
興味深いリコメをありがとうございます。
カウフマンは勉強家なんですね!
彼とオッターがアバドの指揮で歌った
マーラーの「大地の歌」も説得力がありました。
時空を超えた感動の現場に観客として参加できて本当によかったですね。

隣の記事も楽しく拝見しました。先日、幼い日の篤姫の銅像をテレビでちらりと見たら、
宮崎あおいそっくりで驚きました。ベストキャスティングだったのですね!

Commented by mcap-cr at 2018-10-06 07:48
ファウスト好きです。
ウィーン国立歌劇場かパリで公演があったら現地まで聞きに行こうと思っています。
私は、生では、ピッツバーグオペラ、ワシントンナショナルオペラの2回した聞いたことがありませんが、無名なピッツバーグオペラのほうはとても良かったです(共に現地で)。
パリでは、フェネロンのファウストを聴いてしまいました(グノーと間違ってしまったのですが、二度同じものを聴きました)。
Commented by desire_san at 2018-10-07 02:22
snowdrop-naraさん、いつも私のブログを読んでいただきありがとうございます。

カウフマンは、オッターがアバドの指揮で歌ったマーラーの「大地の歌」があることは知りませんでした。 色々なジャンルの音楽を体験しているのですね。

今度METライブビューインクで、カウフマンのプッチーニの「西部の娘」舞台を上演します。

宮崎あおいは、「篤姫」のころが一番良かったむように思います。

Commented by desire_san at 2018-10-07 02:27
mcap-crさん、フェネロンの「ファウスト」というのもあるのは初めて知りました。

グノーの「ファウスト」は、歌手やオーケストラにより、まったくに違った舞台に名なってしまう難しいオペラですね。

日本では全幕物の「ファウスト」は、あまり上演されないよすうですね。



by desire_san