ブログトップ | ログイン

dezire_photo & art

desireart.exblog.jp

芸術と自然の美を巡る旅  

ヴェルディの「椿姫」が初演された、世界で最も美しく一流のオペラハウスの1つ

フェニーチェ劇場

TeatroLa Fenice

ヴェルディの「椿姫」が初演された、世界で最も美しく一流のオペラハウスの1つ_a0113718_11341596.jpg




私が、ヴェネツィア旅行で止まったホテルから歩いてすぐの場所に、フェニーチェ劇場があり、毎日劇場の前を通っていた。せっかくですので、ヴェルディ、ロッシーニ、ベリーニの傑作が初演された、世界で最も美しく一流のオペラハウスの1つフェニーチェ劇場を見学ました。







I want toshow you the pictures taken at the Teatro La Fenice, one of the most beautifuland prestigious opera houses in the world. The Teatro La Fenice is an opera housein Venice, Italy, where the world's most famous opera works such as GiuseppeVerdi's "La Traviata" and Gioachino Rossini's "Tankred" and"Caplet and Montague" were premiered.



フェニーチェ劇場は、イタリア・ヴェネツィアにある歌劇場で、ジュゼッペヴェルディの「椿姫」、ジョアキーノロッシーニの「タンクレド」「カプレットとモンタギュー」など、最も有名なオペラ作品がここで世界初演されました。ヴェネツィアにあっては、入場料さえ払えば、身分に関係なく誰でもオペラを鑑賞できる最初の劇場となりました。ヘンデル作曲『アグリッピナ』(1709年)は当劇場で初演され、1836年に当時の高名なソプラノ歌手、マリブラン急逝した前年にこの劇場でベッリーニ作曲『夢遊病の女』を歌いマリブランが大成功を収めました。




ヴェルディの「椿姫」が初演された、世界で最も美しく一流のオペラハウスの1つ_a0113718_11352411.jpg



内装の優美さによって18世紀後半にもっとも隆盛を誇ったのが1755年に創建のサン・ベネデット劇場でした。この劇場は席数1500の大規模なものでしたが1773年の火災で焼失したので、そこから徒歩10分足らずの近接地新劇場を建設することとなりました。新劇場は火災の困難に打ち克つという意味を込めて不死鳥=フェニーチェ劇場の名が付けられました。




ヴェルディの「椿姫」が初演された、世界で最も美しく一流のオペラハウスの1つ_a0113718_11362504.jpg




フェニーチェ劇場は火災で焼失したサン・ベネデット劇場の後継として創建されました。劇場設計案は1789111日に公示された建築設計競技(コンペティション)によって公募された。劇場へのアクセスがゴンドラ(富裕層)あるいは徒歩に限られるヴェネツィアの特殊事情を反映して、コンペには「主入口はメヌオ運河に面すること、そして大型ゴンドラの利用を勘案しその幅は最低6メートル確保すること」等の微細にわたる条件が付されていました。当時のイタリアは統一国家でなかったこともあり、コンペにはイタリア各地から多くの建築家が参加し白熱したものだったそうです。

フェニーチェ劇場は、画家フランチェスコ・フォンタネージのデザインによる美しい内装と、「ロイヤル・ボックス」的なものを廃し、174全てのボックス席がほぼ同形同大に作られているという構造が特徴的でした。この平等主義的アプローチに、当時のフランス革命の影響と見る人もいます。




ヴェルディの「椿姫」が初演された、世界で最も美しく一流のオペラハウスの1つ_a0113718_11380741.jpg





フェニーチェ劇場は当初からヴェネツィア、あるいは広くヨーロッパにとっての中心的歌劇場としての地位を確立した。ロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティの新作初演を含む数多くのオペラが上演された。



修復工事中のフェニーチェ劇場は再び火災で全焼しました。再々建は予算や再建方法を巡る様々の困難のため、再建工事は2001年にようやく開始されました。特に内装に関しては焼跡に残されたシャンデリア等の再利用、遺物に基づいての復元、この劇場が用いられたルキノ・ヴィスコンティ監督の映画作品『夏の嵐』(1954年)の映像を参考にするなどの苦労でしたが、フェニーチェ劇場は、ほぼ焼失前の偉容を取り戻しました。




ヴェルディの「椿姫」が初演された、世界で最も美しく一流のオペラハウスの1つ_a0113718_11385952.jpg



2003年、リッカルド・ムーティ指揮によるコンサート形式の演奏会をもって再開場しました。音響面の手直しや舞台設備据付に時間がかかり、オペラ上演の再開は200411月、演目はかつて当劇場で初演されたヴェルディ『椿姫』でした。



ヴィスコンティの映画『夏の嵐』は、フェニーチェ劇場で上演されるヴェルディの歌劇『イル・トロヴァトーレ』の舞台から始まります。イタリア史では第3次イタリア独立戦争の年の1866年のヴェネツィアを主な舞台としています。ヴェルディの歌劇『イル・トロヴァトーレ』の舞台で、マンリーコが「武器を取れ!」とアジテートする英雄的なアリア「見よ、恐ろしい炎を」を歌う場面になります。当時のイタリアの政治情勢が投影されていて、歌い終わるや、熱狂的な歓声の中で、オーストリアへの反抗を呼びかける赤・緑・白の三色のビラや花束が巻かれ、劇場の中は騒然となります。前半はフェニーチェ座から始まり、ヴェネツィアの古い風景がふんだんに入っています。







このブログを満たす方は下記のマークをクリックしていただくよう、お願いします

にほんブログ村 クラシックブログ オペラへ
にほんブログ村







by desire_san | 2021-04-17 10:37 | ヴェネツィア美術の旅 | Comments(5)
Commented by rollingwest at 2021-03-17 17:46
ヨーロッパアルプスの山岳列車いいですね~!いつか乗ってみたいです。
Commented at 2021-04-16 18:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Yuongrio_Rewat at 2021-05-10 00:58 x
イタリアのそれぞれの街にオペラ劇場はがあり、市民に愛されています。 ミラノのスカラ座、ローマのオペラ歌劇場、ナポリのサン・カルロ劇場、そして「劇場都市」と称されるヴェネチアにはご紹介の「ラ・フェニーチェ」と名付けられた劇場がありますね。フェニーチェ劇場でのオペラ鑑賞は素敵な思い出になることでしょう。ここでは、ヴェネチアで1853年に初演されたヴェルディ作『椿姫』やプッチーニ作『蝶々夫人』などの超有名作品から、知る人ぞ知る佳作までバラエティ豊かな作品が上演され、観ることができました。





Commented by Wartem_Fukank at 2021-05-10 01:03 x
イタリア旅行で、ラ・フェニーチェ劇場とリリコ劇場は見に行きました。

フェニーチェ劇場で、ヴェルディのラ・トラヴィアータ(「椿姫)」を聴いてきました。
ヴェルディの椿姫が初演時に巻き起こした「インパクト」を現代によみがえらせたような公演で、ヴィオレッタは、通常描かれる「運命に翻弄され道に迷った可哀想な女性」というより、「パリの社交界という場で、自分の意思で一生懸命に生きた力強くも哀れな女性」、という表現でした。

 日本における「椿姫」は、娼婦であることはあまり強調されませんが、この演出では、「性を金に換えて生きている女」ということをあえて強調しています。日本では、あまり「性的表現」を舞台に持ち込むのがはばかられていますが、こちらでは、体をまさぐったり、それを想像させる腰つきをすることが結構多く、この公演も上品にですが、それらの内容を結構持ち込んでいました。

 歌手は、ヴィオレッタの Ekaterina Bakanovaは、力強くスピントな歌唱で、「したたかに生きる」ヴィオレッタを演じていました。アルフレードの Piero Prettiは、当日代役出演でしたが、他でもたくさん歌っているのか、安定した歌唱。ジェルモンのMarco Cariaは、頑なな父親を折り目正しい歌い方で表現。指揮も Gaetano d’Espinosa が、違和感のないテンポでこの舞台をまとめていました。

 豪華な劇場の雰囲気もオペラをみる雰囲気を高めてくれ、前衛的な舞台もとても素晴らしい公演でした。


Commented by Haruo_Tanahashi at 2021-05-10 01:15 x
フェニーチェ歌劇場の「椿姫」をDVDで見た時は、高級娼婦の椿姫をクローズアップするため、黒い薄ものの下着のような格好で登場し、舞台に札束がまかれるシーンもある、椿姫に純真な恋心を抱くアルフレッドがデジカメを構えるなどと、現代的演出だったのはがっかりしました。

2004年に、実際にフェニーチェ劇場に行って公演を観て来ました。伝統的な衣装の豪華絢爛たる舞台ではなかったですが、椿姫を演じた、パトリッツァ・チョーフィのすばらしい歌声と自然な迫力満点の演技で、2時間20分の舞台にすっかり圧倒されました。

2階席から舞台までは150メートルはありましたが、歌声は十分響き公演のあまりのすばらしさに、会場で売っていた、フェニーチェ歌劇場こけら落としのライブDVDを購入しました。演出と主な主役は同じでしたが、椿姫の大胆きわまる(男には嬉しい)衣装やカルメン役者、アグネス・バルツァーばりの迫力あるチョーフィの表情はすばらしかったです。




by desire_san