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芸術と自然の美を巡る旅  

オダギリジョーと麻生久美子の絶妙のコンビ、20年ぶりに復活

時効警察

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オダギリジョー主演の人気ドラマシリーズの続編『時効警察はじめました』(1011日スタート、テレビ朝日系・毎週金曜夜11:15~)が12年ぶりに始まります。それに先立ち、スペシャルドラマ『時効警察・復活スペシャル』が929 放送されました。




オダギリジョーは、映画『血と骨』で、ビートたけしとの過激な喧嘩シーンを中心に演じ、同年度の国内の映画賞の助演男優賞を多数獲得しましたが、日本アカデミー賞授賞式で再三にわたり過激な沈黙の抗議?挑発?を繰り返して、大手映画会社から干されました。そんなことは屁とも思わないのがオダギリジョー、映画『FOUJITA』の主演でフランスに、スペイン語とボリビアの方言を習得した映画『エルネストもう一人のゲバラ』で主演ために約半年間かけ日系ボリビア人の革命家フレディ前村ウルタードを演じ、南米で好評を博して俳優としての評価を不動のものとし、ヴェネツィア国際映画祭のベニス・デイズ部門に選出という看板を背負って、日本映画界に、映画監督として戻ってきました。



映画『ある船頭の話』

文字をクリックすると、公式サイトにリンクして内容を見ることができます。




そのオダギリジョーが、1011日連続ドラマ『時効警察はじめました』で、テレビに俳優として戻ってきました。それに先立ち、929日『時効警察・復活スペシャル』が放送されました。



21時時効の事件を趣味で捜査する霧山修一朗と相棒・三日月しずか役は、オダギリジョー麻生久美子の絶妙のコンビ、12年を経ても全く変わらぬ二人の若さは驚きでした。



麻生久美子は、『全国女子高生制服コレクション』でグランプリ、1998年映画『カンゾー先生』で、オーディションに合格し無名女優から一気に日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、報知映画賞 助演女優賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、おおさか映画祭 新人賞、日本アカデミー賞 新人俳優賞(『カンゾー先生』)日本映画批評家大賞 新人賞(『カンゾー先生』新人俳優賞など数々の映画賞を受賞し女優としての地位を確立し、現在41歳ですが、12年前と見比べても分からないほど若々しく可愛らしく、演技力は格段にパワーアップしました。オダギリジョーは今でも大学生役がはまるほどなので、12年前以上に軽妙なふたりのかけ合いを展開します。シュールな小ネタが小ネタ満載で、ゆる~い世界観の中に歓喜の声が飛び交っていました。



『時効警察・復活スペシャル』では、出向先のアメリカ・FBIから総武署の時効管理課に舞い戻ってきた霧山が、9年前に時効になった「浦島ガソリンスタンド火災事件」を趣味で捜査。焼け跡から見つかった身元特定の難しい焼死体あれは事故だったのか、殺人事件だったのか、それとも自殺だったのか――。新情報を求めて調べ始めた霧山はやがて、ある男と事件の関連性を疑います。



ゲストとして武田真治が71歳にして40代の肉体を持つ人気タレント・美魔王藤原、国際派女優・菊地凛子は美魔王の年齢詐称を疑うライター・九品仏さやか、余貴美子が事件の被害者である沢村浩司の母であり現在は消息不明の加奈子は、演じていました。



武田真治は、1989年、高校在学時に「第2回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞した美貌を売りに、いしだ壱成とともにアイドル的俳優として一世を風靡しました。同世代のアイドル的俳優がどんどん消えていく中、サックスプレーヤーとして活躍しながら、舞台やミュージカルで演技力を鍛え、「優雅な肉体が最高の復讐である」の言葉のもとに鋭利なまでに鍛え上げられた肉体美で、活躍する演技派俳優です。このドラマでは、“71歳にして40代の肉体を持つ男として人気沸騰中のタレント・美魔王藤原!という怪しい男を、武田真治が肉体美だけでなく、持ち前のミステリアスな雰囲気を生かしながら演じて強烈な存在感を放っていました。46歳にしての沢村浩司(二役)の学生服姿が不思議に似合っていました。


圧巻だったのは、時効になった「浦島ガソリンスタンド火災事件」で亡くなった高校生の母親を演ずる余貴美子が、武田真治演ずる藤原安二郎に暴行され、藤原安二郎を殺害する迫真の演技。63歳とは思えない色香を放ち、助演女優賞ハンターと言われるのにふさわしい怪演?でした。



オダギリジョーは、この強烈なキャラの武田真治に対して、自然体で繊細な表現から大胆な表現までいろいろ織り交ぜて、軽妙に追い詰めていきます。オダギリジョーとコンビを組む麻生久美子も、オダギリジョーと柔軟に軽々に演じ、この最強コンビは、最後まで主役を譲りませんでした。




それに比べてはかわいそうですが、新レギュラーの今売り出し中の吉岡里帆と菊地凛子能力存在感が希薄でした。今後ドラマの面白さを持続できるかは、オダギリジョーと麻生久美子のコンビの演技力に対抗できるゲスト俳優の力量にかかっているように思います。1011日放送の第一回ゲストの小雪は、オダギリジョーの存在感をテレビで初めて見せつけたドラマ『天体観測』のヒロインでしたが、時を経てふたりの力量の差は歴然としていて、小雪のゲスト俳優としての力不足は痛々しいほどで、正直言って期待したほど面白くありませんでした。



第二回以降のゲスト俳優は、若手俳優では実力派の、染谷将太、二階堂ふみ、趣里を始め、向井理、寺島しのぶ、別所哲也、檀れい、中山美穂、松重豊、柳葉敏郎の出演が予定されていねそうです。趣里の父は水谷豊、母は伊藤蘭ですが、親の名前を利用せず、『不道徳教室』(2013年)『ジュリエット通り』(2014年)に起用し「好きなようにやっていいよ」で自分表現を認めてくれた岩松了を師匠と仰ぎ、どんな色にもなれる俳優になるため限界まで頑張りたいと語る努力家です。














by desire_san | 2010-11-11 05:36 | 日本の旅と文学・映画・ドラマ | Comments(0)

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