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芸術と自然の美を巡る旅  

世界遺産・一面が緑に染まった絶景が楽しめる庭園

西芳寺「苔寺」

SaihojiTemple (kokedera) Moss Temple

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西芳寺は、京都市西部に位置する臨済宗単立寺院で、山号を洪隠山と称します。境内一面を覆う苔の美しさから、「苔寺」として親しまれている西芳寺は、35,000平方メートルにおよぶ境内一面を覆う120余種の苔の庭園の美しさから、国の特別名勝及び史跡にも現在指定されています。「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されています。





Saiho-ji Temple, known asthe "Moss Temple," is currently designated as a national specialplace of scenic beauty and historic site due to the beauty of the 120-speciesmoss garden that covers the entire precincts of 35,000 square meters. It isregistered as a World Cultural Heritage site as "Historic Monuments ofAncient Kyoto".




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西芳寺を開山したのは夢窓疎石ですが、1,300年前の奈良時代、聖武天皇の詔により、行基菩薩が畿内四十九院の法相宗の寺として開山し、開山前の飛鳥時代、西芳寺があった土地には、聖徳太子の別荘があったといわれております。平安時代初期には弘法大師が一時住し、鎌倉時代初期には法然上人が浄土宗に改宗し、兵乱による荒廃の後、松尾大社の宮司藤原親秀の招請で、暦応2(1339)に当時の高僧であり作庭の名手でもあった夢窓國師が禅寺として再興しました。




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西芳寺の敷地内には、禅の世界を具現化している枯山水庭園と、黄金池を巡る池泉回遊式庭園の2つがあります。影向石の周辺に作られた石庭は、夢窓疎石の作った当初の庭の姿をとどめていると言われ、夢窓の庭に対する姿勢が表れていると言われています。放生会も行われる黄金池のある庭園は、石組みがその後の日本庭園の見本ともなりました。足利義満や義政をはじめ、西芳寺を訪れて坐禅に励んだ者も多く、後に開山される金閣寺や銀閣寺など、室町時代を代表する庭園の原型になったといわれています。




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1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」で定義された世界遺産とは、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3つがあり有形の不動産が対象となっています。「古都京都の文化財」は、京都が平安時代から江戸時代まで政治経済の中心地として各時代の文化を牽引して全国の建築、造園などの発展に大きく寄与したことなどが評価されて、文化遺産として登録されました。1994年に世界文化遺産として登録された「古都京都の文化財」17か所で、西芳寺は5番目に登録された世界遺産です。




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苔寺に入ると、一面が緑に染まった絶景が楽しめる庭園。澄んだ空気と落ち着いた空間の日常とは異質な雰囲気が私たちの心を洗います。夢窓疎石の願いが息づいています。





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苔むした庭の見え方は、光の状態によって、ある場所では新緑の絨毯のようでもあり、雪の結晶のようなにも、配された石を包み込む粘性のある生き物のようにも見えます。無窓の作庭当時、池の中島の表面は白砂で周囲に護岸石組が組まれていましたが、今は苔に覆われ一部の石組しか見られません。現存する建物も、江戸時代初期に千利休の女婿・少庵が再建したといわれている湘南亭を除いて明治時代以降のもので、湘南亭と潭北亭の名称は無窓の命名によりますが、建物の規模も位置も無窓の時代とは異なり、池泉庭苔寺とよばれる庭園に関していえば、厳密には夢窓疎石の意図した庭そのものではないようです。






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芳寺庭園内に生育しているコケ植物の種類は、約40年前に調査報告(1961)では92種が発表されていますが、2000年の調査結果を比較すると、種数が29増えたことがわかります。コケ植物のなかには、植物体が微小で注意深く捜さなければ見つからないものや、野外では近縁種との区別がつきにくいですが、西芳寺庭園内には、京都府レッドデータブックで絶滅寸前種、絶滅危惧種絶滅危惧種に選定されている以下のような4種が生育していることがわかりましした。西芳寺の苔庭を構成するコケで、量的に最も多く、また景観的にも最も目立つものは、ホソバオキナゴケ、オオスギゴケ、ヒノキゴケで、苔寺を代表するコケとしてその美しい姿を保っていたそうです。




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しかし長い年月で自然の生き物であるコケは、夢窓疎石の意図した庭だったころより、自然な姿でコケか増えたり育って行ったりしていますので、苔寺の庭園の中で自然の世界を形成しているようです。それも、全く人工的な庭園とは違った魅力を感ずるのかも知れません。




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参考資料

臨済宗の禅刹「西芳寺」の公式ホームページ

栗田 勇 ()『西芳寺 苔と石と夢窓疎石 日本の庭園美』1989

梅原猛/監修 藤田秀岳、下重暁子()

新版 古寺巡礼 京都 第36巻 『西芳寺』2009

西芳寺(苔寺)コケ植物調査 - 京都府、2000)年7月14日










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by desire_san | 2022-07-18 23:53 | 日本の美術・文化遺産 | Trackback | Comments(1)
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Commented by rollingwest at 2022-07-25 12:23
数々の美しい絶景と音楽に涼感を頂きました。早すぎた梅雨明け宣言のあとは全国的に戻り梅雨・豪雨でしたが、週末から気温がグングン上がっておりまた暑さがぶり返しましたね。太平洋側は2度目の梅雨明けって感じです!熱中症、お気をつけ下さい。しまなみ海道記事を公開していますのでまた遊びに遊びに来られて下さいね~。