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心に残った自然とアート   

超絶技巧のアリアを楽しむロッシーニのオペラ

ロッシーニ「チェネレントラ」
Gioachino Rossini "La Cenerentola"


 一口に言ってオペラといっても理念・哲学・超自然的力を歌い上げるドイツオペラと、生身の人間の赤裸々な姿を歌い上げるイタリアオペラとでは、同じジャンルの音楽として同一に扱えないほど違います。同じイタリアオペラでも、ヴェルディやプッチーニのように壮大な人間劇と登場人物の心の葛藤を歌い上げています。それがイタリアオペラだと思っていましたが、ロッシーニのオペラは全く違うようです。





Itis different, so that it cannot treat identically as music of the same genre inthe German opera which sings about an idea, philosophy, and supernatural power,and the Italy opera which sings about flesh and blood's naked figure, even ifit says to a mouthful and calls it opera.The same Italy opera is also singingabout conflict of the heart of a grand human play and characters like the Verdyor Puccini.It seems that Rossini's opera is completely different although itthought that it was the Italy opera.


 今回の合唱指揮者・三澤洋史さんの解説によると、ロッシーニのオペラは、ヴェルディのオペラのような立派な脚本はなく、ある意味ではたわいのない物語を、歌唱芸術の極地とも言える超絶技巧のアリア、限界なまでの早口の歌の掛け合いなど音楽に歌唱にあらゆる嗜好を織り込んだ高度の音楽で飾り立てて芸術作品に仕立てているのだそうです。たわいもない物語を題材にしているという点ではモーツアルトのオペラと重なるものがありますが、モーツアルトのオペラが人間の心層を深えぐりだすようなリアリズムが潜んでいるのに対して、ロッシーニのオペラの描く人物は表面的で、内容は芝居かがっているとさえ思えます。ロッシーニとモーツアルトの共通性と違いは、同じ作家の脚本をオペラにした「せりビアの理髪師」と「フィガロの結婚」を比べてみるとわかるような気がします。ロッシーニのオペラの魅力は、脚本の内容ではなく、純粋に音楽そのものが全てなのだと思います。


Accordingto the description of a chorus master and Mr. Yoji Misawa, Rossini's opera,Itis said that it dressed up with the advanced music which wove all taste intomusic, such as aria of techniques matched by none, and negotiations of marginalraw and a rapidly talking song, etc. which can say the tale which does not havea splendid scenario like the opera of the Verdy in a certain sense also as thepolar zone of song art, at the song, and has made for the work of art.Althoughthere are Mozart's so-called opera and pile in that it deals with an innocenttale, the person whom Rossini's opera draws is external, and even if it isthat, as for the contents, it is whether it is a play, he can consider.I feelthat it turns out that"marriage of Le Figaro" which made the samewriter's scenario opera are compared for Rossini, Mozart's similarity, and adifference.The charm of Rossini's opera thinks that the music itself is all tonot contents but the purity of a scenario.


  ヴェルディやプッチーニのオペラでは脚本が重厚で面白いのでそれだけでもある程度楽しめます。それに対してロッシーニのオペラは歌唱が命であるため、高いレベルの歌手を集めないと面白くもなんともないことになることがあるようです。従ってロッシーニのオペラでは相当実力のある歌手が揃うかが公演の成功のポイントとなるようです。


Inthe opera of the Verdy or Puccini, since a scenario is profound andinteresting, but at least it can be enjoyed to some extent.It eventually seems thatit may not be not at all pleasantly if Rossini's opera does not gather thesingers of a high level to it since a song is a life.It seems that therefore,it becomes a point of a success of a public performance in Rossini's operawhether a singer with considerable ability gathers.


 今回の新国立劇場での「チェネレントラ」上演は、アンジェリーナ〔チェネレントラ〕役に世界でも屈指のメゾソプラノ・ヴェッセリーナ・カサロヴァ、王子ラミーロ役にアントニーノ・シラグーザと世界でもロッシーニを歌わせたら超一流という歌手を向かえ、端役の狂言回しであるチェネレントの二人の姉の役に、幸田浩子と清水華澄という日本のソプラノ界の実力派歌手を配するという豪華な配役で、おとぎ話「シンデレラ」を素晴らしい芸術作品として聴かせてくれました。


 通常のオペラではヒロインはソプラノですが、ロッシーニの「チェネレントラ」ではアルトを主役として、二人の姉のソプラノを高音の軽薄さで対比させているようです。今回の舞台では、従って主役アンジェリーナ〔チェネレントラ〕は、派手なソプラノ歌手は負けない、圧倒的な歌唱力が要求されます。主役カサロヴァは、期待通り圧倒的な歌唱力で、特の「悲しみと涙を背負い」のアリアは圧倒的な迫力で舞台のフィナーレにふさわしい快演でした。ただ欲を言えば、カサロヴァは容貌も歌唱も貫禄があり堂々とし過ぎていて、いじめられ虐げられている「シンデレラ」という雰囲気が全くなく、初めから夜の女王のようでした。オペラは歌唱が命なのでこれでよいと思いますが、演劇やドラマだったら完全なミスキャストと言われたでしょう。女王のような役でもう一度聞きたいと思いました。


 王子ラミーロ役にシラグーザの歌唱は、声の質、声量ともほかの歌手の数段上を行く素晴らしいものでした。特に「「誓ってまた見つける」のアリアは、ハイCを含む圧倒的な歌唱は、ビロードのように肌触りまのよい、それでいて声量と迫力があり、会場から割れるような拍手でした。拍手が鳴り止まず手拍子になってしまい、オペラでは珍しいアリアのアンコールがありました。シラグーザの歌を聴いただけで、このオペラを聴きにきて良かったと思いました。


 主役の二人の存在感が圧倒的に目立っていたため、他の歌手の印象を吹き飛ばしてしまったような感がありますが、日本の幸田浩子と清水華澄も含めも他の歌手も普通の公演だったら主役を努めてもおかしくないと思うほど立派な歌唱でしたと思います。

2009.6.20 新国立劇場〕








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by desire_san | 2009-06-28 17:20 | オペラ | Trackback | Comments(8)
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Commented by ご~けん at 2009-06-28 20:25 x
カサロヴァとカウフマン共演のカルメンが、最近NHKハイビジョンで放映されたとき、彼女の本当の凄さを感じました。セビリアの理髪師は何度か見たように思うのですが、カルメンでは若さ溢れるカウフマンに刺激されたのもあるかも知れませんね。
Commented by desire_san at 2009-06-28 21:22
ご~けん さん、コメントありがとうございます。
今回の感想の蛇足ですが、カサロヴァは歌は非常に素晴らしいのですが、演技をあまりしない歌手という印象を受けました。カサロヴァの歌うカルメンは音楽として素晴らしいことが予想されますが、カルメンらしい演技をしてましたでしょうか。カルメンでも夜の女王のように振舞っていたのでしょうか。
Commented by ご~けん at 2009-06-28 21:30 x
どちらかと言うと彼女のビロードのような声に感銘を受けたような気がします。演技は体当たり(スカートめくれて転げまわる)的なところはありましたが、憎々しさを表面に出していたように思います。
Commented at 2009-06-29 09:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by desire_san at 2009-06-29 23:37
ご~けん ーさん、カサロヴァはそんなに熱演していましたか。でも歌だけ聴いていた方がいいような気がしますね。(^-^*) 
Commented by desire_san at 2009-06-29 23:56
やっくんさん、ミュージカルとオペラの違いは、
①音楽の違い。オペラはクラシック音楽、ミュージカルはポピュラー音楽に属します。 オペラでは演奏も生演奏で歌手はマイクを使いません。ミュージカルでは歌手はマイクを使うのが一般的です。
②オペラ歌手は踊りませんが、ミュージカル歌手は歌と踊りが同じくらい重要です。
但し、どちらでも上演する作品もあります。その代表的なのが、バーンスタイン作曲の「ウエストサイド物語」です。本来ミュージカル作品ですが、踊りをしないオペラ歌手で上演するときはバレエ団が参加し、ダンスはバレエ団のメンバーが踊りをします。
Commented by 趣味生 at 2009-07-01 21:56 x
dezireさんは色々堪能されてて凄いですね
オペラ全く解りません ミュージカルは好きです
若い頃 映画で「ウエストサイド物語」「雨に唄えば」など見ました
Commented by desire_san at 2009-07-01 22:39
趣味生さん、私も「ウエストサイド物語」が大好きでした。ナタリー・ウッドが素敵でしたね。

by desire_san